東邦大学 教育・研究業績データベース   
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 薬学部 病態生化学教室
 Department of Pathological Chemistry

准教授:
  東 祐太郎
  檜貝 孝慈
■ 概要
抗がん剤による細胞表面タンパク質の発現変化と貪食への関与
ヒト大腸がん由来HT29細胞を抗がん剤oxaliplatin、 mitoxantroneで処理すると、小胞体ストレスを介して小胞体タンパクcalreticulinは細胞表面に2相性の増加を示すが、早期の増加にはcaspase8、後期の増加にはcaspase3と異なったcaspaseが関与していることをcaspase活性の解析から明らかにした。
アポトーシスによるLewis型糖鎖抗原増加に関与するフコース転移酵素
アポトーシスを誘発した細胞では細胞表面にLeX型糖鎖とLeY型糖鎖の発現増加が認められるが、優位な増加を示す糖鎖は細胞種により異なることを示した。この時アポトーシスによるFUT4mRNAの増加は共通であり、FUT1、FUT2の多い細胞ではLeY型糖鎖、少ない細胞ではLeX型糖鎖が増加することを明らかにした。
肝がんの治療戦略における分子標的治療薬ソラフェニブの新たな作用メカニズムの解析
HepG2細胞を用いた解析の結果、Sorafenibは、直接的ながん細胞の増殖抑制や血管新生抑制のみならず、進行肝細胞がん治療において併用される5-FUの代謝酵素であるDPYDの転写を抑制することで感受性亢進を引き起こすことが明らかとなった。
NCR2の転写制御
糖鎖を認識するNCR2遺伝子の転写発現制御をKHYG細胞を用いて解析した。
初めに、NK細胞株KHYG細胞からtotal RNAを抽出し、5’-RACE法によりNCR2転写開始点の解析を行い、転写開始点を決定した。そして、得られた転写開始点より5’ 上流-1963 までのGenomic DNAを pGL4.11 へクローニング後 、deletion constructs を作製し、その転写活性をDual Luciferase assayで解析した結果、1963 から-1598 の領域にエンハンサーがあると示唆された。また、 -230_-1/ pGL4.11でも転写活性の低下が認められたことから、 -352 から -231の領域内にプロモーターが存在し、NCR2の転写に必要であると考えられた。
生薬由来成分によるインスリン刺激に対するAktのリン酸化への影響
共同研究先の東邦大学・生薬学教室では、甘草由来のフラボノイドをはじめ、試験管内でPTP1Bを阻害する化合物を多数特定している。そこで本研究では、生薬学教室で見出されたPTP1B阻害作用を有する化合物を、細胞レベルで解析を行うことで、医薬品のシード化合部としての有用性を明らかにする目的で研究を行った。I) 苦参由来化合物であるKuraridin, Norkurarinone, Neokurarinolの前処理の後、インスリン刺激によるAktのリン酸化をWestern Blotにて解析した結果、 Kuraridinおよび Neokurarinolの前処理によりインスリンによるAktのリン酸化を増強することが明らかとなった。II) 漢方由来抽出物であるSG84(大黄甘草湯), SG126(麻子仁丸), N61(桃核承気湯), TY037(桂麻各半湯), T74(調胃承気湯)の前処理の後、インスリン刺激によるAktのリン酸化をWestern Blotにて解析した結果、 SG126 (麻子仁丸)の前処理により、インスリンによるAktのリン酸化を増強することが明らかとなった。
■ Keywords
抗がん剤, calreticulin, 小胞体ストレス, アポトーシス, FUT4, Lewis型糖鎖, NK細胞, CD94, NCR2, Sorafenib, Akt
■ 当該年度の研究費受入状況
1.  平成25 年度文部科学省科学研究費 基盤研究(C)  (研究課題番号:24590099)
 研究課題:抗がん剤処理によるカルレティキュリンの細胞表面への移行とその生理的意義  (研究代表者:東 祐太郎)
 研究補助金:1000000円  (代表)
2.  平成25 年度文部科学省科学研究費 基盤研究(C)  (研究課題番号:25460702)
 研究課題:NK細胞による糖鎖依存性細胞傷害メカニズムの解析  (研究代表者:桧貝 孝慈)
 研究補助金:2600000円  (代表)
3.  平成25年度東邦大学学内共同研究研究補助金
 研究課題:ソラフェニブによる5-fluorouracil感受性増強メカニズムと抗腫瘍効果  (研究代表者:桧貝 孝慈)
 研究補助金:1880000円  (代表)
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















東 祐太郎   准教授
              2
 
 
 
 
 
檜貝 孝慈   准教授
    2          4
 4
 
 
 
 
 0 0  0 0  0  6
(0)
 0
(0)
 0
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. Toshihisa Onoda, Wei Li, Koji Higai, Kazuo Koike:  Evaluation of 147 Kampo Prescriptions as novel protein tyrosine phosphatase 1B (PTP1B) inhibitory agents.  BMC Complementary and Alternative Medicine  14 :64 , 2014
2. Wei Li, Songpei Li, Koji Higai, Tatsunori Sasaki, Yoshihisa Asada, Shigeru Ohshima, Kazuo Koike:  Evaluation of licorice flavonoids as protein tyrosine phosphatase 1B inhibitors.  Bioorganic & medicinal chemistry letters  23 :5836 -5839 , 2013
3. Dongxia Li, Wei Li, Koji Higai, Kazuo Koike:  Protein tyrosine phosphatase 1B inhibitory activities of ursane- and lupane-type triterpenes from Sorbus pohuashanensis.  Journal of Natural Medicines  68 (2) :427 -431 , 2014
■ 学会発表
国内学会
1. ◎桧貝 孝慈、大塚 成美、田中 裕子、加藤 由紀、柳内 和幸、永井 英成: HepG2細胞を用いたSorafenibによる5-FU感受性増加機構の解析.  第134回日本薬学会年会,  熊本,  2014/03
2. ◎佐々木 辰憲, 李 巍, 桧貝 孝慈, 小池 一男: ニガキ科アルカロイドのプロテインチロシンホスファターゼ1B阻害活性.  日本薬学会第134年会,  熊本,  2014/03
3. ◎東 祐太郎, 木川富巳香, 桧貝孝慈, 小林芳郎: アポトーシスによるLewis型糖鎖抗原増加に関与するフコース転移酵素.  日本薬学会第134年会,  熊本,  2014/03
4. ◎東 祐太郎, 鈴木賢一, 桧貝孝慈, 松本宏治郎: 抗がん剤による小胞体ストレスとcaspaseの活性化を介したcalreticulinの細胞表面における増加.  第10回東邦大学4学部合同学術集会,  東京,  2014/03
5. ◎桧貝 孝慈、大塚 成美、田中 裕子、加藤 由紀、柳内 和幸、永井 英成: HepG2細胞を用いたSorafenibによる5-FU感受性増加機構の解析.  第9回日本肝がん分子標的治療研究会,  海運クラブ(永田町),  2014/01
6. ◎桧貝 孝慈、大塚 成美、田中 裕子、柳内 和幸、永井 英成: 肝がん細胞株HepG2細胞におけるSorafenibによる5-FU感受性増加機構の解析.  第36回日本分子生物学会,  神戸ポートアイランド,  2013/12
7. ◎桧貝 孝慈、大塚 成美、 田中 裕子、 柳内 和幸、 永井 英成: Sorafenib enhances sensibility against 5-fluorouracil in Hepatocellular carcinoma cell lines HepG2 via decreased expression of dihydropyrimidine dehydrogenase gene.  (第86回日本生化学会大会,  パシフィコ横浜,  2013/09
8. ◎佐々木辰憲 , 李巍 , 桧貝孝慈 , 小池一男 , Tran Hong, Quang, Young Ho, Kim: 苦参由来フラボノイドのPTP1B 阻害活性について.  日本生薬学会第60回年会,  北海道,  2013/09
  :Corresponding Author
  :本学研究者