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 理学部 化学科 生物有機化学教室
 Bioorganic Chemistry Laboratory

教授:
  田巻 誠
准教授:
  齋藤 良太
■ 概要
有機合成を通じて生命現象を考える
「複素環化学」、「光化学」、「不斉化学」をキーワードに「生命現象の解明」から「生活水準の向上」までを視野に入れた新しい基本概念の確立と、「人と環境に優しい」優れた機能材料の開発を行っています。

研究内容
1)生物・化学発光の分子機構の解明
本研究室では、ウミホタルやオワンクラゲ、ホタルイカなど海産発光生物の発光物質に多く含まれる「イミダゾピラジン」と呼ばれる複素環化合物に着目しています。これらの発光物質が化学反応によって光エネルギーを生み出す仕組みの解明と、その知見を基により強く光らせるための条件探索を行っています。
2)生物発光を基盤とした新規機能性発光材料の開発
上記の発光生物がもつ発光物質は、老化や癌の原因となる活性酸素と反応して発光するので活性酸素の検出・定量にも応用できます。そこでこの発光系を利用して細胞内活性酸素の開発を行っています。また、これらの生物発光にみられる優れた発光特性を基礎として、生命現象の可視化プローブや発光デバイスへの応用を視野に入れた新規発光材料の開発を行っています。
3)新規複素環化合物の合成とその生理活性の検討
複素環の適切な位置に水酸基を導入すると極性官能基をもった分子や金属イオンと相互作用できるようになります。この特性を利用して生体必須成分の認識や輸送を行うことができる新しい薬剤の開発を目指しています。
4)熱及び光不斉反応における立体選択性の精密制御
高立体選択的不斉反応の開発は世界中で多くの研究者が取り組んでいます。その多くは反応に直接関与する物質の安定性によって選択性を発現していましたが、分子の会合状態や立体配座、溶媒和構造の変化などの「系全体の秩序」に着目して反応の制御を行おうとする研究はあまり多くありません。このような観点から、当研究室では超臨界流体中を媒体とした不斉光化学反応の研究を行っています。この研究の社会的波及効果は高く、媒体に不活性な二酸化炭素や水を用いてかつクリーンな光エネルギーを利用しているので、究極の環境無負荷型不斉反応系に成り得ると考えています。
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















田巻 誠   教授
理学博士
              
 
 
 
 
 
齋藤 良太   准教授
理学博士
   4           
 
 
 
 
 
 0 4  0 0  0  0
(0)
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研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














田巻 誠   教授
理学博士
         
 
 
齋藤 良太   准教授
理学博士
  4       
 
 
 0 4  0 0  0  0
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(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. Ryota Saito, Takashi Hirano, Shojiro Maki, Haruki Niwa, Mamoru Ohashi:  Influence of Electron-donating and Electron-withdrawing Substituents on the Chemiluminescence Behavior of Coelenterazine Analogs.  Bulletin of the Chemical Society of Japan  84 (1) :90-99 , 2011
2. Xing-Ri CUI, Ryota SAITO, Takatsugu KUBO, Daijiro KON, Yuich HIRANO, Setsuo SAITO:  Preparations of Anthraquinone and Naphthoquinone Derivatives and Their Cytotoxic Effects.  Chemical & Pharmaceutical Bulletin  59 (3) :302-314 , 2011
3. Ryota Saito, Eri Ito:  Synthesis of Readily Accessible BODIPY-based Fluorescence Derivatization Reagents for Amines.  Heterocycles  81 (11) :2599–2608 , 2010
4. Ryota Saito:  Non-CRET-based Green Chemiluminescence of Imidazopyrazinone Modified by 2,3,6,7-tetrahydro-1H,5H-benzo[ij]quinolizine as a Strong Electron-donating Unit.  Heterocycles  81 (12) :2831-2840 , 2010
5. Ryota Saito, Yuriko Matsumura, Saori Suzuki, and Naoki Okazaki:  Intensely blue-fluorescent 2,5-bis(benzoimidazol-2-yl)pyrazine dyes with improved solubility: Their synthesis, fluorescent properties, and application as microenvironment polarity probes.  Tetrahedron  66 (42) :8273–8279 , 2010
■ 学会発表
国内学会
1. 齋藤良太,河原田光,吉川豊,安井弘之: 糖尿病合併症治療薬を配位子とした亜鉛錯体の合成とインスリン様活性評価.  第2回メタロミクス研究フォーラム,  京都,  2010/11
2. 齋藤良太, 一松久美子: 2,5-ビス(置換ベンゾイミダゾリル)ピラジン誘導体の合成と蛍光特性.  第40回複素環化学討論会,  仙台,  2010/10
3. 齋藤良太,宇田圭祐,鴇田麻衣,石川千佳子,佐藤光利: アミノピラジン類のアルドース還元酵素阻害活性.  有機合成化学協会関東支部シンポジウム,  東京,  2010/05
  :Corresponding Author
  :本学研究者