薬学部 薬物学教室
Department of Pharmacology
教授:
田中 光
准教授:
高原 章
講師:
行方 衣由紀
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■ 概要
1. 心筋の性質の種差と発達変化に関する研究
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マウス心房筋活動電位の特徴について電気生理学的に検討した。マウス心房筋の活動電位はヒトやウサギ,モルモットなどの汎用実験動物種の心房筋のものと比べて持続時間の極めて短いものであり,再分極電流成分にこれらの動物と異なる特徴を有することが推測された。カルシウムチャネルを遮断するnicardipine による活動電位持続時間の減少はモルモットに比べてわずかであった。4-aminpyridineにより早期再分極相の延長が、tertiapineにより後期再分極相が、延長した。これらの結果より、早期再分極は一過性外向き電流 (Ito)により、後期再分極はacetylcholine感受性カリウム電流により、起こっていることが示された。また、ryanodineにより後期再分極相が短縮したことから、late plateau相には、細胞内カルシウムイオンをくみ出すナトリウム・カルシウム交換機構による脱分極電流が寄与していることが判明した。今後このマウス心房筋を用いた再分極に影響する各種薬物の評価が可能になった。
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2. 蛍光プローブによる細胞構造・細胞内事象の画像化
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心房細動はもっともよく見られる不整脈のひとつであるが,我々はその原因として肺静脈に存在する心筋組織の電気活動に注目されている。そこでモルモット肺静脈心筋層からの細胞単離法を構築し、共焦点レーザー顕微鏡および落射蛍光顕微鏡画像解析システム蛍光プローブを用いて細胞構造の特徴を調べた。肺静脈心筋細胞は長軸方向に約160ミクロン、短軸方向に約12ミクロンであり、規則的な横紋構造、単一の核、ミトコンドリア、小胞体を有し、T管を持たないなど心房筋と同様の細胞内構造を有していた。今回検討した限りでは肺静脈心筋細胞の自発活動を発生しやすい性質は、細胞構造上の特徴よりは、むしろ細胞膜の電気的生理学的特徴と関連することが推測されたが、この点に関して今回単離法を確立した肺静脈心筋細胞による検討が可能になった。
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3.心筋自動能の研究
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上記の単離肺静脈心筋細胞を用いて、心房細動を誘発する異常電気活動の源として注目されている肺静脈心筋の自発的電気活動の発生機序ついて検討した。肺静脈心筋細胞のうち約25%で活動電位の発生を示すカルシウムトランジェントの発生がみられた。カルシウムトランジェントを発生する細胞の割合は、noradrenaline、ouabainなど、心筋細胞内のカルシウム負荷を増大させるような処置により増大した。Ryanodineおよびナトリウムカルシウム交換機構阻害薬SEA0400はカルシウムトランジェントの発生を抑制した。これらの結果から、細胞内の局所で小胞体から放出されたカルシウムイオンがナトリウムカルシウム交換機構のforward modeでくみ出される際に生じる内向き電流が膜電位の緩徐な脱分極を起こし、これが肺妙脈心筋で見られる自発的電気活動を誘発していることが判明した。ナトリウムカルシウム交換機構の阻害薬により、肺静脈心筋を起源とする心房細動を治療できる可能性が示唆された。
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4. 心筋保護薬物の研究
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我々がAcetylcholine感受性カリウム電流を抑制することを見出した化合物であるNIP-142は、各種動物モデルにおいて、心房細動治療効果が見出されている。上記のマウス摘出心房筋標本の活動電位にNIP-142を適用したところ、早期再分極相・後期再分極相の両方の延長がみられ、一過性外向き電流 (Ito)に対する抑制作用を有することが示唆された。一過性外向き電流を担うカリウムチャネル分子種を発現させたHEK293細胞を用いて検討したところ、NIP-142は3種のカリウム電流成分、すなわちKv1.5、Kv4.2、Kv4.3電流に対して遮断作用を示すことが判明した。NIP-142の抗心房細動作用には、Acetylcholine感受性カリウム電流抑制作用に加えて、一過性外向き電流抑制作用も関与している可能性が示唆された。
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5. 心筋再分極の研究
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ヒスタミン受容体拮抗薬ジフェンヒドラミンのhERG K+チャンネル抑制作用はH1受容体拮抗作用より弱く、本薬はアリゾナCERTにおいてTorsades de Pointes誘発の危険性のある薬物群の中で最も低いリスクグループに分類されている。一方で、鎮咳薬クロペラスチンの化学構造はジフェンヒドラミンに極めて類似しているが、クロペラスチンのhERG K+チャンネルに対する作用に関する情報はほとんどない。そこでhERG K+チャンネルを発現させたHEK293細胞を用い、ジフェンヒドラミンとクロペラスチンの作用を比較検討した。ジフェンヒドラミンとクロペラスチンはともにhERG K+電流を濃度依存的に抑制し、クロペラスチンの抑制効果はジフェンヒドラミンに比べて1000倍程度の強力なものであった。クロペラスチンが生体位心臓の再分極過程に影響を与えるか否かについて、今後検討を進める必要がある。
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■ Keywords
心臓, 血管, 自律神経, 種差と発達変化, 電気生理学, 画像化解析, 治療薬開発, 自動能, 興奮収縮連関, 催不整脈作用, 抗不整脈薬, 抗高血圧薬, 虚血再灌流障害, 心筋保護
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■ 特許
1.
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高原 章, 杉山 篤, 橋本 敬太郎
:不整脈治療剤
―4613496
(2010/10/29登録)
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2.
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大野 誠治, 大谷 佳代, 丹羽 誠司, 岩山 聡, 高原 章ほか
:新規ピリミジン誘導体及び新規ピリジン誘導体
―4623354
(2010/11/12登録)
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3.
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杉山篤, 高原章, 橋本敬太郎
:心房細動モデル動物の作製方法、心房細動を誘発させる方法及び心房細動を誘発させた動物を用いた心房細動抑制剤の評価方法
―4704712
(2011/03/18登録)
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■ 当該年度の研究費受入状況
1.
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私立大学学術研究高度化推進事業オープンリサーチセンター整備事業
研究課題:細胞機能制御システムの破綻による老化関連疾患発症の分子機構と予防・治療に関する研究
(研究分担者:田中 光, 高原 章, 行方 衣由紀)
研究補助金:6050000円 (分担)
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2.
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平成22年度 日本私立学校振興・共済事業団 学術研究振興資金
研究課題:高齢者に高発する筋疾患に対する治療戦略
(研究分担者:田中 光, 高原 章, 行方 衣由紀)
研究補助金:2000000円 (分担)
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3.
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平成22年度 科学研究費補助金 基盤研究(C)
(研究課題番号:21590293)
研究課題:肺静脈心筋自動能における細胞内カルシウムとナトリウムカルシウム交換機構の役割
(研究代表者:田中 光)
研究補助金:1200000円 (代表)
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4.
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平成22年度 科学研究費補助金 基盤研究(C)
(研究課題番号:21590602)
研究課題:肺静脈の電気的興奮を制御する心房細動治療標的分子に関する研究
(研究代表者:高原 章)
研究補助金:1200000円 (代表)
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5.
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平成22年度 厚生労働科学研究費補助金
研究課題:ヒト由来幹細胞の安全性薬理試験への応用可能性のための調査研究
(研究協力者:高原 章)
研究補助金:0円 (協力)
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6.
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平成22年度 科学研究費補助金 若手研究 (B)
(研究課題番号:22790262)
研究課題:肺静脈心筋における細胞内カルシウムオシレーションの時間的・空間的解析
(研究代表者:行方 衣由紀)
研究補助金:1100000円 (代表)
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その他
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1.
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平成22年度 東邦大学薬学部研究奨励金
研究課題:慢性心房細動に対する新規治療薬の探索
(研究代表者:高原 章)
研究補助金:500000円 (代表)
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■ 教授・准教授・講師の公的役職
1.
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田中 光
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:独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門委員, 国立医薬品食品衛生研究所協力研究員
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■ 教授・准教授・講師の学会・研究会の役員
1.
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田中 光
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:日本薬理学会 広報委員・学術評議員
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2.
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高原 章
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:日本薬理学会 代議員・学術評議員
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3.
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行方 衣由紀
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:日本薬学会 薬理系薬学部会若手世話人
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■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和文 | 英文 |
和文 | 英文 |
国内 | 国際 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 |
演 者 | 共 演 | 演 者 | 共 演 |
演 者 | 共 演 |
田中 光
教授
薬学博士
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| | 1 | 5 |
| | | |
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8
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2
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高原 章
准教授
博士(薬学)
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| | 1 | 5 |
| | | |
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1
|
7
|
1
|
1
|
|
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行方 衣由紀
講師
博士(薬学)
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| | 2 | 4 |
| | | |
| |
1
|
7
|
1
|
1
|
|
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計 |
0 | / | 4 | / |
0 | / | 0 | / |
0 | / |
2 (0) | / |
2 (0) | / |
0 (0) | / |
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研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和 文 | 英 文 |
和 文 | 英 文 |
国 内 | 国 際 |
筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 |
演 者 | 演 者
| 演 者 |
田中 光
教授
薬学博士
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| 1 |
| |
|
|
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高原 章
准教授
博士(薬学)
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| 1 |
| |
|
1
|
1
|
|
行方 衣由紀
講師
博士(薬学)
|
| 2 |
| |
|
1
|
1
|
|
計 |
0 | 4 |
0 | 0 |
0 |
2 (0) |
2 (0) |
0 (0) |
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( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
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( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
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■ 刊行論文
原著
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1.
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Yamashiro K, Sasano T, Tojo K, Namekata I†, Kurokawa J, Sawada N, Suganami T, Kamei Y, Tanaka H†, Tajima N, Utsunomiya K, Ogawa Y, Furukawa T.:
Role of transient receptor potential vanilloid 2 in LPS-induced cytokine production in macrophages.
Biochemical and biophysical research communications
398
(2)
:284
-289
, 2010
|
2.
|
Namekata I†, Tsuneoka Y†, Akiba A†, Nakamura H Y†, Shimada H†, Takahara A†, Tanaka H*†:
Intracellular calcium and membrane potential oscillations in the guinea pig and rat pulmonary vein myocardium.
Bioimages
18
:11
-22
, 2010
|
3.
|
Agata N†, Kato Y†, Namekata I†, Takahara A†, Tanaka H†*, Chino D†, Koike K†, Tanaka Y†:
H2 receptor-mediated positive inotropic effect of histamine in neonatal guinea-pig left atria.
Biological & Pharmaceutical Bulletin
33
(12)
:2033
-2035
, 2010
|
4.
|
Namekata I†, Tsuruoka N†, Tsuneoka Y†, Matsuda T†, Takahara A†, Tanaka Y†, Suzuki T†, Takahashi T, Iida-Tanaka N†, Tanaka H*†:
Blocking effect of NIP-142 on the KCNQ1/KCNE1 channel current expressed in HEK293 cells.
Biological & Pharmaceutical Bulletin
34
(1)
:153
-155
, 2011
|
5.
|
Tanaka H*†, Namekata I†, Ogawa T†, Tsuneoka Y†, Komikado C†, Takahara A†, Iida-Tanaka N, Izumi-Nakaseko H†, Tsuru H†, Adachi-Akahane S†:
Effects of S(+)-efonidipine on the rabbit sinus node action potential and calcium channel subunits Cav1.2, Cav1.3 and Cav3.1.
European journal of pharmacology
649
(1-3)
:263
-267
, 2010
|
6.
|
Takahara A*†, Sugimoto T†, Kitamura T†, Takeda K†, Tsuneoka Y†, Namekata I†, Tanaka H†:
Electrophysiological and pharmacological characteristics of triggered activity elicited in guinea-pig pulmonary vein myocardium.
Journal of pharmacological sciences
115
(2)
:176
-181
, 2011
|
7.
|
Nouchi H†, Kiryu N†, Kimata M†, Tsuneoka Y†, Hamaguchi S†, Namekata I*†, Takahara A†, Shigenobu K†, Tanaka H†:
Developmental changes in action potential prolongation by K+-channel blockers in chick myocardium.
Journal of pharmacological sciences
115
(2)
:235
-238
, 2011
|
8.
|
Nouchi H†, Kiryu N†, Kimata M†, Tsuneoka Y†, Hamaguchi S†, Namekata I*†, Takahara A†, Shigenobu K†, Tanaka H†:
Developmental changes in action potential prolongation by K+-channel blockers in chick myocardium.
Journal of pharmacological sciences
115
(2)
:235
-238
, 2011
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■ 学会発表
国内学会
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1.
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◎伊香賀玲奈、新井祐未、片桐聡美、行方衣由紀†、田中光†、田中直子:
3T3-L1脂肪細胞に発現するAQP8とエネルギー代謝の関係.
日本農芸化学会2011年度大会,
京都女子大学,
2011/03
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2.
|
◎田中友香里、服部静香、塚田あゆみ、小河由美、田村麻衣、行方衣由紀†、田中光†、田中直子:
腎尿細管および小腸上皮細胞に発現するアクアポリン3スプライスバリアントの機能解析.
日本農芸化学会2011年度大会,
京都女子大学,
2011/03
|
3.
|
◎恒岡弥生†, 秋葉明子†, 行方衣由紀†, 高原 章†, 川西 徹†, 田中 光†:
モルモット及びラット肺静脈心筋の電気的自発活動とカルシウム動態.
第84回日本薬理学会年会,
横浜,
2011/03
|
4.
|
◎大槻篤史†, 岡 貴之†, 高原 章†, 行方衣由紀†, 田中 光†:
自動パッチクランプ法を利用した細胞内灌流によるhERGアッセイ.
第84回日本薬理学会年会,
横浜,
2011/03
|
5.
|
◎行方衣由紀†, 恒岡弥生†, 小川亨†, 古美門千紗†, 高原章†, 中瀬古寛子†, 赤羽悟美†, 田中光†:
洞房結節緩徐脱分極に関与するCa2+チャネル分子種の薬理学的検討:efonidipine光学異性体、nifedipineの活動電位波形およびCav1.2、Cav1.3、Cav3.1チャネルに対する作用.
第84回日本薬理学会年会,
誌上,
2011/03
|
6.
|
◎濱口正悟†, 本多頼子†, 行方衣由紀†, 高原 章†, 田中 光†:
新生仔および成体マウス心室筋のCa2+トランジェントと活動電位へのαアドレナリン受容体刺激の影響.
第84回日本薬理学会年会,
横浜,
2011/03
|
7.
|
◎伊香賀玲奈、行方衣由紀†、田中光†、田中直子:
3T3-L1脂肪細胞におけるアクアポリン8のミトコンドリア機能に対する役割.
日本薬学会 第131年会,
静岡,
2011/03
|
8.
|
◎濱口正悟†, 本多頼子†, 行方衣由紀†, 高原 章†, 田中 光†:
マウス心室筋の興奮収縮機構とα受容体刺激応答の発達変化.
第4回先端分子薬理研究会,
昭和大学,
2010/11
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9.
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◎高原 章†, 竹田 潔†, 恒岡弥生†, 行方衣由紀†, 田中 光†:
モルモット肺静脈の興奮伝導に対するベプリジルの作用特性.
第27回日本心電学会学術集会,
大分,
2010/10
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10.
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◎本多頼子†, 濱口正悟†, 行方衣由紀†, 高原 章†, 田中 光†:
マウス心室筋活動電位波形の発達変化とαアドレナリン刺激の影響.
次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2010,
京都,
2010/09
|
11.
|
◎濱口正悟†, 本多頼子†, 行方衣由紀†, 高原 章†, 田中 光†:
マウス心室筋α受容体刺激応答の発達変化.
次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2010,
京都,
2010/09
|
12.
|
◎恒岡弥生†, 行方衣由紀†, 高原 章†, 川西 徹†, 田中 光†:
モルモット肺静脈心筋の組織・細胞の形態および自発活動.
第19回日本バイオイメージング学会学術集会,
慶應義塾大学日吉キャンパス,
2010/09
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13.
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◎行方衣由紀†, 恒岡弥生, 小川亨, 古美門千紗, 中瀬古寛子†, 赤羽悟美†, 田中光†:
Ca拮抗薬の徐脈作用に関与するCa2+チャネル分子種の検討:efonidipine光学異性体のCaV1.2, CaV1.3, CaV3.1チャネルに対する作用.
生理研研究会「イオンチャネルトランスポーターと心血管解能:細胞機能の分子機序とその統合的理解」,
岡崎,
2010/11
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国際学会
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1.
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◎Okumura S, Jin M, Kurotani R, Cai W, Bai Y, Tsunematsu T, Hidaka Y, Namekata I†, Tanaka H†, Ishikawa Y:
Effects of chronic beta-adrenergic receptor stimulation in Epac1-null mice.
American Heart Association 2010,
Chicago, Illinois,
2010/11
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2.
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◎Takahara A†, Sugimoto T†, Takeda K†, Namekata I†, Tanaka H†:
Electropharmacological analysis of triggered activity in the pulmonary vein myocardium of the guinea pig.
WorldPharma2010 - 16th World Congress of Basic Clinical Pharmacology,
Copenhagen, Denmark,
2010/07
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3.
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◎Namekata I†, Ohara M†, Hirota Y†, Kawanishi T, Takahara A†, Tanaka H†:
Effects of SERCA activators, ellagic acid and gingerol, on diabetes mellitus-induced diastolic dysfunction in isolated murine ventricular myocardia.
WorldPharma2010 -16th World Congress of Basic and Clinical Pharmacology,
Copenhagen, Denmark,
2010/07
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