<<< 前 2008年度 | 2009年度
 薬学部 薬品物理分析学教室
 Department of Biophysical Chemistry
■ 概要
単細胞緑藻クラミドモナスに発見されたイオンチャネル型古細菌ロドプシン(チャネルロドプシン)の研究
脳など高度に組織化された神経系研究においてブレークスルーとなるといわれる光開口型イオンチャネルが2001~2003年の間に世界の3ヶ国で独立に発見・報告され、チャネルロドプシンと呼ばれるようになった。べん毛を持って遊泳する単細胞緑藻の代表格クラミドモナス(和名コナミドリムシ)の走光性(光に向って泳ぐ性質)受容体として長年にわたって追い求められていたものである。高等動物の神経細胞等で発現すること、高速で光に応答することなどの性質はよく調べられているが、微生物での大量発現が難しいため構造研究は立ち遅れている。
藻類の新規走光性受容体の探索
地球上の生き物全ての進化を見渡すと、藻類と呼ばれるものの広がりは非常に大きなものであること、我々が知っている生体分子装置などはその中のほんの僅かな一部に過ぎないことがわかる。このことは藻類の持つ光情報変換体を探索することで、種々の有用な光デバイスが自ずと発見できる可能性を示している。単細胞生物の走光性発現機構というこれまでの研究の下地を生かし、全く新しいタイプの光受容体を発見できる方法の開発を目指している。
膜タンパク質の一般的大量発現方法構築へのアプローチ
内在性膜タンパク質には情報伝達分子として重要なものが多いが、その殆どは大量発現系の構築が難しい。大腸菌などで容易かつ大量に発現できるものと、そうでないものの境界は非常に曖昧である。広く一般に適用できるシステマティックな方法論の開発を目標とし、基礎的なデータを蓄積している。
■ Keywords
チャネルロドプシン, 走光性, 光受容体, バクテリオロドプシン, ハロロドプシン, フォボロドプシン, センサリーロドプシン, クラミドモナス, ミドリムシ
■ 当該年度の研究費受入状況
1.  平成20年度文部科学省科学研究費補助金 特定領域研究 (研究課題番号:
 研究課題:緑藻類ロドプシンの光受容ーチャネル連関モーダルシフトの分子生理学的研究  (研究分担者:高橋哲郎)
 研究補助金:3000000円  (分担)
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















高橋 哲郎   教授
薬学博士
              
 1
 
 
 
 
羽野 芳生   准教授
薬学博士
    1          
 
 
 
 
 
黒田 潤   助教
博士(薬学)
              
 1
 
 
 
 
 0 0  0 0  0  0
(0)
 0
(0)
 0
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














高橋 哲郎   教授
薬学博士
         
 
 
羽野 芳生   准教授
薬学博士
         
 
 
黒田 潤   助教
博士(薬学)
         
 
 
 0 0  0 0  0  0
(0)
 0
(0)
 0
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
総説及び解説
1. T. Nomura, Y. Hano, T. Fukai:  Chemistry and biosynthesis of isoprenylated flavonoids from Japanese mulberry tree.  Proceedings of the Japan Academy, Series B  85 (9) :391-408 , 2009
その他
1. Hongxia Wang, Yuka Sugiyama, Takuya Hikima, Eriko Sugano, Hiroshi Tomita, Tetsuo Takahashi, Toru Ishizuka, Hiromu Yawo:  Molecular determinant differenciation Chlamydomonas channelrhodopsins.  Neuroscience Research  65 (Supplement 1) :S196 , 2009
■ 学会発表
国内学会
1. 紫加田知幸, 伊関峰生, 松永 茂, 渡邊正勝: 海産珪藻Leptocylindrus danicus の休眠胞子の光発芽.  平成22年度日本水産学会春季大会,  藤沢, 日本,  2010/03
2. 岩田達也, 渡辺昭英, 伊関峰生 渡辺正勝, 神取秀樹: 2種類のBLUFドメイン、AppA と PAC の赤外分光解析.  第47回日本生物物理学会年会,  徳島, 日本,  2009/11
3. 藤芳 暁, 平野充遥, 松下道雄, 伊関峰生, 渡辺正勝: 光活性化アデニル酸シクラーゼの単一タンパク質分光.  第3回分子科学討論会,  名古屋, 日本,  2009/09
4. 松永 茂, 内田博子, 伊関峰生, 渡辺正勝, 村上明男: 褐藻遊走子の走光性:光で起こる後鞭毛の一過性の速い振動 が遊泳方向を調節する.  日本植物学会第73回大会,  山形, 日本,  2009/09
5. 宮崎直幸, 伊関峰生, 渡辺正勝, 足立伸一, 朴三用, 岩崎憲治: 電子顕微鏡によるミドリムシ光センサータンパク質Photoactivated Adenylyl Cyclase(PAC)の構造解析.  第9回日本蛋白質科学会年会,  熊本, 日本,  2009/05
  :Corresponding Author
  :本学研究者