2008年度
 医学部 医学科 社会医学講座/医療政策・経営科学
 Division of Health Policy and Health Service Research, Department of Social Medicine

教授:
  長谷川 友紀
■ 概要
診療ガイドラインの評価
諸外国で実施されている診療ガイドラインの質を担保する手法について調査し、AGREE日本語版の開発を行った。また,厚生労働省研究班,関連学会によって作成・公表されている診療ガイドラインの評価を行っている。
末期臓器不全のdisease control
末期臓器不全に対する臓器移植システム構築に関しては,医療政策,医療経済,医療倫理等公衆衛生学の種々の分野が関係する。臓器移植法の成立以降,脳死のあり方,意思表示カード等臓器提供方法についての検討,臓器提供施設の医療機能と整備状況等について研究を行い,研究成果は公衆衛生審議会検討材料として用いられるなどシステム構築に寄与した。
医療安全
医療安全についての諸外国の整備状況,および日本の病院の体制整備の状況を明らかにした。また,診療記録の調査により有害事象の全国的発生頻度を明らかにした。
医療情報の標準化
IT 技術の医療への導入による診療情報標準化の促進によって,医療の透明性・説明貢任・質が確保されることが期待されている。わが国でのIT 技術の現状を明らかにし、医療の効率性、質との関連を明らかにした。
医師需給にかかわる研究
近年の医師不足の状況に関して実証的な研究を行った。特に,小児科,産科・婦人科の不足問題に焦点を当て,需要供給の両側面と地域偏在の観点から分析を行った。
■ Keywords
医療政策, 病院経営, 医療経済, 医療倫理, 診療ガイドライン, 医療安全, 医療情報のIT 化, 臓器移植
■ 当該年度の研究費受入状況
1.  文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(C)  (研究課題番号:19590652)
 研究課題:医療IT化が質・安全・効率に及ぼす効果に関する実証的研究  (研究代表者:長谷川友紀)
 研究補助金:1560000円  (代表)
2.  厚生労働科学研究費補助金 政策科学推進研究事業
 研究課題:医療費推計モデルの開発と医療費適正化計画の評価に関する研究  (研究代表者:長谷川友紀)
 研究補助金:3487000円  (代表)
3.  厚生労働科学研究費補助金 地域医療基盤開発推進研究事業
 研究課題:患者の視点を重視した診療ガイドラインの評価体系の確立及び普及促進に関する研究  (研究代表者:長谷川友紀)
 研究補助金:10000000円  (代表)
4.  厚生労働科学研究費補助金 厚生労働科学特別研究事業
 研究課題:臓器移植拡大に向けた医療施設の整備体制に関する研究  (研究代表者:長谷川友紀)
 研究補助金:3200000円  (代表)
5.  厚生労働科学研究費補助金 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業
 研究課題:臓器移植の社会的基盤に関する研究  (研究分担者:長谷川友紀)
 研究補助金:4000000円  (分担)
6.  厚生労働科学研究費補助金 こころの健康科学研究事業
 研究課題:統合失調症の未治療期間とその予後に関する疫学的研究  (研究分担者:長谷川友紀)
 研究補助金:1500000円  (分担)
7.  厚生労働科学研究費補助金 長寿科学総合研究事業
 研究課題:認知症の包括的ケア提供体制の確立に関する研究  (研究分担者:長谷川友紀)
 研究補助金:2000000円  (分担)
8.  厚生労働省長寿医療研究委託事業
 研究課題:認知症、運動器疾患等の長寿(老年)医療に係るネットワーク等社会基盤構築に関する研究  (研究分担者:長谷川友紀)
 研究補助金:3000000円  (分担)
9.  文部科学省科学研究費補助金 若手研究(B)  (研究課題番号:19790378)
 研究課題:チューブ類の自己抜去リスク・アセスメントツールに関する研究  (研究代表者:藤田茂)
 研究補助金:3300000円  (代表)
■ 教授・准教授・講師の公的役職
1.  長谷川友紀 :(財)日本医療機能評価機構 理事, (社)全日本病院協会病院機能評価委員・医療の質向上委員・病院のあり方委員, 内閣府規制改革会議専門委員
■ 当該年度の主催学会・研究会
1.  日本医療マネジメント学会第9回東京地方会学術集会  (会長  )  ,東京  2009/02
■ 教授・准教授・講師の学会・研究会の役員
1.  長谷川友紀 :日本衛生学会評議員, 日本移植学会理事(倫理委員会委員長), 日本医療・病院管理学会評議員, 日本診療録管理学会評議員, 医療マネジメント学会理事(学会誌編集委員長), 日本泌尿器科学会顧問
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















長谷川 友紀   教授
医学博士
  2  1          15
(15)
 9
 1
(1)
 4
 3
(3)
 
藤田 茂   助教
学士(経営工学)
              2
 2
 
 2
 
 
松本 邦愛   助教
医学博士
              1
 
 1
 1
 
 
 0 0  0 0  0  18
(15)
 2
(1)
 3
(3)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














長谷川 友紀   教授
医学博士
         15
(15)
 1
(1)
 3
(3)
藤田 茂   助教
学士(経営工学)
         2
 
 
松本 邦愛   助教
医学博士
         1
 1
 
 0 0  0 0  0  18
(15)
 2
(1)
 3
(3)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. 岡村菊夫, 野尻佳克, 長谷川友紀, 赤堀将史, 早川聡美, 山本さゆり, 小原嘉昌, 小林峰生:  診療所医師による下部尿路症状(LUTS)診療.  日本医事新報  (4384) :68-70 , 2008
2. 高見知世子, 森山美知子, 中野真寿美, 黒江ゆり子, 任和子, 森川浩子, 長谷川友紀, 林静子:  セルフマネジメントスキルの獲得を目的とした2型糖尿病疾病管理プログラムの開発過程と試行の効果.  日本看護科学会誌  28 (3) :59-68 , 2008
3. 長谷川千絵, 芳野分, 城川美佳, 井原一成, 長谷川友紀, 水野雅文:  都市部における初発うつ病の未治療期間と受診を遅らせる因子の検討.  日本社会精神医学会雑誌  18 (3) :321-329 , 2009
4. Okamura K, Hasegawa T, Nojiro Y, Kobayashi M, Murase T, Yanagihara T, Okamoto Y:  Diagnosis and treatment of lower urinary tract symptoms in the elderly by general practitioner.  Geriatrics & Gerontology International  8 (2) :119-125 , 2008
総説及び解説
1. 松本邦愛, 北澤健文, 長谷川敏彦, 長谷川友紀:  地域医療計画・医療費適正化計画の中の脳卒中.  東邦医学会雑誌  55 (6) :501-503 , 2008
2. 北澤健文, 松本邦愛, 西澤寛俊, 飯田修平, 長谷川友紀:  DPCデータからみた脳梗塞治療の現状.  東邦医学会雑誌  55 (6) :504-506 , 2008
■ 著書
1. 長谷川友紀:    チャート医師国家試験対策11 必修・公衆衛生 第14版  202.  医学評論社,  東京, 2008
■ 学会発表
国内学会
1. ◎城川美佳, 北澤健文, 岸玲子, 長谷川友紀: 全国保健所におけるシックハウス症候群相談への対応状況.  第79回日本衛生学会学術総会,  東京,  2009/03
2. ◎長谷川友紀: 良質で安全な医療提供実現の仕組みづくり-個別技術からマネジメントへ-.  医療マネジメント学会第9回東京地方会学術集会,  東京,  2009/02
3. ◎長谷川友紀: 診療ガイドラインを用いた医療の標準化と質の向上.  第72回日本皮膚科学会東京支部学術大会,  東京,  2009/02
4. ◎廣井直樹, 岸本浩史, 藤田茂, 片山茂子, 渡邊聖: 開封済の血管内留置針の誤使用回避のための取組み.  第9回日本医療マネジメント学会東京地方会,  東京,  2009/02
5. ◎城川美佳,瀬戸加奈子,篠崎尚史,相川厚,高原史郎,長谷川友紀: 移植医療報道に対する一般人の意識,移植関連事例の影響.  第42回日本臨床腎移植学会,  舞浜市,  2009/01
6. ◎瀬戸加奈子, 城川美佳, 篠崎尚史, 高原史郎, 大島伸一, 長谷川友紀: DAP実施病院における臓器提供の現状-MRRによる解析―.  第42回日本臨床腎移植学会,  千葉,  2009/01
7. ◎瀬戸加奈子,城川美佳,篠崎尚史,高原史郎,大島伸一,長谷川友紀: DAP実施病院の移植医療に対する職員の意識,MRRとHASデータによる解析.  第42回日本臨床腎移植学会,  舞浜市,  2009/01
8. ◎岡村菊夫, 長谷川友紀, 田中良典, 川喜田睦司, 住吉義光, 服部良平, 荒井陽一, 松田公志, 内藤誠二: DPCデータに基づく前立腺全摘除術(RP)周術期管理のベンチマーク.  第22回日本Endurology・ESWL学会,  大阪,  2008/11
9. ◎長谷川友紀: 医療の質・IT・安全を巡って.  第29回高橋病院研究発表会,  函館,  2008/11
10. ◎松本邦愛, 北澤健文, 長谷川友紀: 都道府県医療費適正化計画策定過程に関する調査.  第46回日本医療・病院管理学会学術総会,  静岡,  2008/11
11. ◎瀬戸加奈子, 藤田茂, 長谷川友紀, 飯田修平, 西澤寛俊: 医療機関における院内暴力の実態に関する研究.  第46回日本医療・病院管理学会学術総会,  静岡,  2008/11
12. ◎長谷川友紀: 医療安全管理の最近の動向-病院における医療安全.  第50回全日本病院学会,  東京,  2008/11
13. ◎長谷川友紀: DPCの概要-DPCデータを用いた医療の質と効率の分析.  第50回全日本病院学会,  東京,  2008/11
14. ◎長谷川友紀: 医療の質-どう評価するか-.  第56回日本職業・災害医学会,  東京,  2008/11
15. ◎長谷川友紀: リスクマネジメントの実際.  第36回日本精神科病院協会精神医学会,  盛岡,  2008/10
16. ◎長谷川友紀,城川美佳,篠崎尚史,高原史郎,大島伸一: 医療従事者の意識調査からみた医療移植,DAPデータの解析より.  第44回日本移植学会総会,  大阪市,  2008/09
17. ◎長谷川友紀: 医療の質を測る.  平成20年度全国済生会病院長会,  小樽,  2008/08
18. ◎長谷川友紀: 電子カルテと医療安全.  MI・RA・Isユーザーフォーラム,  東京,  2008/07
19. ◎藤田茂, 長谷川友紀: チューブ類の自己抜去に関する文献調査.  第10回日本医療マネジメント学会,  名古屋,  2008/06
20. ◎長谷川友紀: わが国の新しい医療制度とその背景.  第44会日本循環器病予防学会,  秋田,  2008/05
21. ◎長谷川友紀: エビデンスに基づいたがん検診.  前立腺がん検診研修会,  前橋,  2008/04
22. ◎長谷川友紀: 診療情報の活用と医療の質向上.  全日本病院協会岡山県支部・日本医療法人協会岡山県支部合同勉強会,  岡山,  2008/04
23. ◎城川美佳, 瀬戸加奈子, 篠崎尚史, 相川厚, 高原史郎, 長谷川友紀: 移植医療報道に対する一般人の意識―移植関連事例の影響―.  第42回日本臨床腎移植学会,  千葉,  2009/01
24. ◎瀬戸加奈子, 城川美佳, 篠崎尚史, 高原史郎, 大島伸一, 長谷川友紀: DAP実施病院の移植医療に対する職員の意識―MRRとHASデータによる解析―.  第42回日本臨床腎移植学会,  千葉,  2009/01
25. ◎藤田茂, 長谷川友紀: チューブ類の自己抜去のリスクファクター.  第46回日本医療・病院管理学会学術総会,  静岡,  2008/11
26. ◎長谷川友紀: 医療計画と医療費適正化計画.疾病管理と医療費適正化.  第10回日本医療マネジメント学会,  名古屋,  2008/06
27. ◎長谷川友紀: がん検診の有効性評価はいかにあるべきか.「日本の前立腺がん検診を考える」.  第96回日本泌尿器科学会,  横浜,  2008/04
国際学会
1. Kanako Seto, Kunichika Matsumoto, Mika Kigawa, Naoshi Shinozaki, Shinichi Oshima, ◎Tomonori Hasegawa: Introduction of Donor Action Program in Japan An analysis of survey results using MRR and HAS data.  The 14th Congress of the European Society for OrganTransplantation,  Paris, France,  2009/02
2. ◎Matsumoto K, Hasegawa T, Hasegawa T: STUDY ON HEALTH CARE REFORM AND EQUITY OF FINANCIAL CONTRIBUTION IN JAPAN.  The International Conference on Health Promotion and Quality in Health Services,  Bangkok, Thailand,  2008/11
3. ◎Hasegawa T: Quality Initiatives in Japan-Outcome Measurement.  International Conference on Health Promotion and Quality in Health Services,  Bangkok, Thailand,  2008/11
4. ◎Hirao T, Ikeda S, Kobayashi M, Hasegawa T, Fujita S, Hasegawa T, Kaneko T, Sakaguchi M: Development of Simple And Easy Methods to Identify Adverse Events in Hospitalized Patients.  International Conference on Health Promotion and Quality in Health Services,  Bangkok, Thailand,  2008/11
5. ◎Seto K, Fujita S, Iida S, Nishizawa H, Hasegawa T: Study on Workplace Violence in Hospitals in Japan.  International Conference on Health Promotion and Quality in Health Services,  Bangkok, Thailand,  2008/11
6. ◎Takefumi KITAZAWA, Kunichika MATSUMOTO , Shuhei IIDA , Hirotoshi NISHIZAWA , Tomonori HASEGAWA: INTRODUCTION OF MEDI-TARGET, A BENCHMARK PROJECT USING DPC DATA IN JAPAN.  The International Conference on Health Promotion and Quality in Health Services,  Bangkok, Thailand,  2008/11
その他
1. ◎長谷川友紀: 医療安全-最近の動向-.  全日本病院協会医療安全推進週間企画医療安全対策講習会,  東京,  2008/12
2. ◎長谷川友紀: クリニカルインディケーターを用いた医療の質の測定・情報公開・支払.  第3回岐阜県DPC経営セミナー,  岐阜,  2008/09
3. ◎長谷川友紀: クリニカルインディケーターで医療の質を測る.  第93回近畿病歴管理セミナー,  高槻,  2008/05
  :Corresponding Author
  :本学研究者