理学部 化学科 生物有機化学教室
Bioorganic Chemistry Laboratory
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■ 概要
有機合成を通じて生命現象を考える
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当研究室では「複素環化学」、「糖」、「ペプチド」をキーワードに「生命現象の解明」から「生活水準の向上」までを視野に入れた新しい基本概念の確立と、「人と環境に優しい」優れた機能材料の開発を行っています。
研究内容
(1) 生理活性複素環化合物の合成とその生理活性の評価
含窒素複素環化合物は生体の様々な生命活動に深く関わることができる化合物であり、そのため自然界には非常にたくさんの含窒素複素環化合物が存在しています。最近アカホヤから単離された化合物が、抗腫瘍活性や糖尿病合併症の原因の一つである酵素の働きを抑制する性質をもつことが報告されました。私達は、これらの類似体を数多く合成して、より活性が高く、かつ毒性の少ない化合物の開発を行っています。これにより癌治療や糖尿病治療に有用な新しい化合物を提供します。
(2) 機能性複素環化合物の開発
複素環の適切な位置に水酸基を導入すると極性官能基をもった分子や金属イオンと相互作用できるようになります。この特性を利用して生体必須成分の認識や輸送を行うことができる新しい薬剤の開発を目指します。
(3) 生物・化学発光の分子機構の解明と新規発光物質の開発
本研究室では、ウミホタルやオワンクラゲ、ホタルイカなど海産発光生物の発光物質に多く含まれる「イミダゾピラジン」と呼ばれる複素環化合物に着目しています。これらの発光物質は老化や癌の原因となる活性酸素と反応して発光します。これらの化合物を活性酸素の検出に応用するために、発光反応の詳細なメカニズムを解明する研究を行っています。また、これらの生物発光にみられる優れた発光特性を基礎として、生命現象の可視化プローブや発光デバイスへの応用を視野に入れた新規発光材料の開発を行っています。
(4) 修飾タンパクの有機合成化学的供給法の開発
糖タンパク製剤は哺乳動物由来の遺伝子組換え細胞を用いて供給されています。しかしこの方法では、糖鎖部分が不揃いになり純粋な物質として得ることができません。また、先発薬と“同様に不揃い”な有効成分を生産することも困難であるため、この糖タンパクの不均一性により、ジェネリック医薬品の開発が妨げられていると言えます。一方、糖により修飾を受けたタンパクの修飾部分は、癌の転移やウィルスへの感染など、ヒトの健康に大きく関わっていると考えられています。しかし、タンパクの修飾部分の機能を明らかにする研究では、均一に修飾されたタンパクが求められるため、ここでもまた、糖タンパクの不均一性が研究の妨げになっています。そこで、純粋な修飾タンパク、特に糖タンパクを有機合成化学的に大量に合成する技術の開発を行います。
(5) 塩基配列選択的に遺伝子発現を制御する分子の開発
遺伝情報はA、G、C、およびTの4種類の核酸塩基の組み合わせによりDNA上に記されており、DNAからmRNAに転写されます。さらにmRNAが翻訳されタンパクが発現します。遺伝子の変異が原因の疾病では、正しいタンパクが生成されなかったり、あるいはタンパク自体が生成しなかったりすることで病症が現れます。そこで、変異のある遺伝子のみを認識して転写や翻訳を抑制する物質があれば、副作用なく疾病の治療が可能であると期待できます。そこで当研究室では、核酸塩基やその配列を認識し結合したり反応したりする分子を設計し、合成・評価を行います。
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■ Keywords
複素環化学, 糖, ペプチド, 生理活性物質, 発光物質
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■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和文 | 英文 |
和文 | 英文 |
国内 | 国際 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 |
演 者 | 共 演 | 演 者 | 共 演 |
演 者 | 共 演 |
齋藤 良太
准教授
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研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和 文 | 英 文 |
和 文 | 英 文 |
国 内 | 国 際 |
筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 |
演 者 | 演 者
| 演 者 |
齋藤 良太
准教授
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計 |
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( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
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( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
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■ 刊行論文
原著
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1.
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Ryota Saito, Jeff M. Pruet, Lawrence A. Manzano, Karl Jasheway, Arthur F. Monzingo, Paul A. Wiget, Ishan Kamat, Eric V. Anslyn, and Jon D. Robertus:
Peptide-Conjugated Pterins as Inhibitors of Ricin Toxin A.
Journal of medicinal chemistry
56
:320
-329
, 2013
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■ 学会発表
国内学会
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1.
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◎齋藤良太,鴇田麻衣,一松久美子,石川稚佳子,小松俊哉:
アルドース還元酵素阻害剤ボトリラジンB誘導体の合成と構造活性相関.
第42回複素環化学討論会,
京都,
2012/10
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