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 薬学部 薬品分析学教室
 Department of Analytical Chemistry

教授:
  福島 健
講師:
  一場 秀章
助教:
  岩佐 澄子
助教:
  山田 博
助教:
  飯塚 英昭
■ 概要
統合失調症克服を目指した分析科学的研究
統合失調症の発症に関わるとされる脳内神経伝達分子の新規高感度分離定量法の開発を行い,これらの方法を基盤として,病態モデル動物の作製ならびに脳マイクロダイアリシスの活用により,病態特有の脳内および生体内分子変動に関する研究を行っている。
キレート試薬の開発とその分析化学への応用
当研究室では,主としてアロイル基を有する種々の蛍光性キレート試薬を系統的に合成してきたが,その中にマグネシウムに対する反応特異性の高い化合物を見出した。一昨年度から新たにキナゾリン骨格を有する化合物のキレート生成能に着目して一連の誘導体の合成を開始し,その中に亜鉛と発蛍光する化合物を見出した。特に亜鉛とは酸性で特異的に蛍光性錯体を生成することから,実用分析法として環境水中の汚染物質であるジンクピリチオンの定量に応用した。さらに、関連化合物においてガリウムと酸性で特異的に発蛍光する化合物を見出し,定量試薬としての実用性が認められた。また,感度向上を目指して新規誘導体を合成し,試薬としての可能性を検討中である。
タンパク質の酸化変性の過程およびその生理活性への影響
イオントラップ型ESI-MSを用いてタンパク質-リガンド相互作用についての研究、および、活性酸素種によるタンパク質・ペプチド酸化の解析と酸化に伴う生理活性変化についての研究を行っている。
トリプトファンとその代謝産物に関する研究
必須アミノ酸のトリプトファンは、生体内で様々な生理活性を有する物質に代謝される。これらの代謝産物は、ある種の精神疾患など多くの疾患の指標となり得るので体液中トリプトファン代謝産物の HPLC 法を用いる新しい蛍光定量法について研究を行っている。
■ 当該年度の研究費受入状況
1.  科学研究費 基盤研究(C)
 研究課題:統合失調症病態時におけるD-キヌレニンの生成ならびに代謝の変動解析  (研究代表者:福島 健)
 研究補助金:700000円  (代表)
2.  科学研究費 基盤研究(C)  (研究課題番号:23617027)
 研究課題:血清中トリプトファン代謝物定量による中枢性疾患の臨床化学的研究  (研究代表者:飯塚英昭)
 研究補助金:1000000円  (代表)
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















福島 健   教授
博士(薬学)
    3          2
(1)
 11
 2
 1
 
 
一場 秀章   講師
博士(薬学)
    2          
 5
 
 
 
 
飯塚 英昭   助教
薬学士
    1          
 4
 1
 2
 
 
岩佐 澄子   助教
薬学士
    1          
 6
 
 
 
 
山田 博   助教
博士(薬学)
              1
 1
 
 
 
 
 0 0  0 0  0  3
(1)
 3
(0)
 0
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














福島 健   教授
博士(薬学)
         2
(1)
 2
 
一場 秀章   講師
博士(薬学)
         
 
 
飯塚 英昭   助教
薬学士
         
 1
 
岩佐 澄子   助教
薬学士
         
 
 
山田 博   助教
博士(薬学)
         1
 
 
 0 0  0 0  0  3
(1)
 3
(0)
 0
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. Kozaki A, Iwasa S, Hosoda S, Nishiguchi Y, Nakayama M, Ichiba H, Fukushima T:  Fluorimetric assay for D-amino acid oxidase activity in rat brain homogenate by using D-kynurenine as a substrate.  Bioscience Trends  6 (5) :241-247 , 2012
2. Higashi T, Kawasaki M, Tadokoro H, Ogawa S, Tsutsui H, Fukushima T, Toyo'oka T:  Derivatization of chiral carboxylic acids with (S)-anabasine for increasing detectability and enantiomeric separation in LC/ESI-MS/MS.  Journal of Separation Science  35 :2840 -2846 , 2012
3. Yoshihara S, Otani H, Tsunoda M, Ishii K, Iizuka H, Ichiba H, Fukushima T:  Alterations in extracellular tryptophan and dopamine concentrations in rat striatum following peripheral administration of D- and L-tryptophan: An in vivo microdialysis study.  Neuroscience letters  526 :74-78 , 2012
■ 学会発表
国内学会
1. ◎葛 丹, 岩佐澄子, 飯塚英昭, 福島 健: HPLC-蛍光検出法による生体試料中N-アセチルアスパラギン酸の定量.  日本薬学会第133年会,  横浜,  2013/03
2. 粂 美里, 大橋隼人, 飯塚英昭, 大谷隼斗, 西口慶一, 一場秀章, ◎福島 健: ケタミン連続投与ラット血渠中トリプトファン及びその代謝物濃度の変動解析.  日本薬学会第133年会,  横浜,  2013/03
3. ◎福島 健: 6年制薬学教育の中でのHPLC分析研究活動.  第9回 千葉県分析化学交流会,  船橋,  2013/03
4. ◎西口慶一,北村浩一,渡辺直子,神前杏奈,大谷隼斗,大橋隼人,粂美里,春田尚美,岩佐澄子,五郎丸美智子,岡田光正, 福島 健: リアルタイムPCR法の改良:ラット脳内中のD-アミノ酸酸化酵素mRNAの発現解析.  日本動物学会 第65回 関東支部大会,  東京,  2013/03
5. ◎山田 博, 柿間隼志, 小城真仁, 中原知美, 村上公美, 一場秀章, 矢島毅彦, 福島 健: スカンジウムイオン検出用蛍光キレート試薬の開発.  第9回 東邦大学4 学部合同学術集会,  船橋,  2013/03
6. ◎神前 杏奈, 岩佐 澄子, 福島 健: ラット脳ホモジネート中D-アミノ酸酸化酵素活性の蛍光アッセイ法の開発.  第56回 日本薬学会関東支部大会,  東京,  2012/10
7. 吉原峻介,◎大谷隼斗,角田 誠,石井香那,飯塚英昭,一場秀章,福島 健: ラット線条体マイクロダイアリシスによるD-およびL-Trp 投与時における脳内Trp およびドパミン濃度の変動解析.  第56回 日本薬学会関東支部大会,  東京,  2012/10
8. ◎柿間隼志,小城真仁,山田 博,中原知美,村上公美,一場秀章,矢島毅彦,福島 健: スカンジウムイオン検出用蛍光キレート試薬の開発.  第25回 バイオメディカル分析科学シンポジウム (BMAS 2012),  東京,  2012/08
9. ◎花海克哉,田中美沙,一場秀章,矢ヶ崎渓子,福島 健: フローインジェクション分析法による抗酸化能簡易測定系の開発 ~次亜塩素酸イオン消去能の評価~.  第25回 バイオメディカル分析科学シンポジウム(BMAS 2012),  東京,  2012/08
10. ◎川崎 恵,福島 健,豊岡 利正,東 達也: 光学活性カルボン酸の高感度検出・キラル分離を指向したLC/ESI-MS/MS用誘導体化法の開発.  第25回 バイオメディカル分析科学シンポジウム(BMAS 2012),  東京,  2012/08
11. ◎田原翔志,吉尾 隆,岩佐澄子,細田祥子,中林 萌,一場秀章,横山祐作,福島 健: 市販中枢作用薬のD-アミノ酸酸化酵素活性阻害効果の検討.  第25回 バイオメディカル分析科学シンポジウム(BMAS 2012),  東京,  2012/08
12. ◎Dan Ge, Sumiko Iwasa, Hideaki Iizuka, Takeshi Fukushima: Determination of N-acetylaspartic acid in serum samples by HPLC with fluorescence detection.  新アミノ酸分析研究会 第2回学術講演会,  東京,  2012/10
国際学会
1. Kume M, Ohashi H, Iizuka H, Otani H, Nishiguchi Y, Ichiba H, ◎ Fukushima T: Increased kynurenic acid concentration in rat plasma by repeated ketamine administration.  13th International Society for Tryptophan Research (ISTRY 2012),  Sydney, Australia,  2012/11
2. ◎Fukushima T, Otani H, Ishii K, Yoshihara S, Tsunoda M, Iizuka H: Determination of tryptophan and kynurenic acid concentrations in rats after intraperitoneal administration of tryptophan enantiomers.  13th International Society for Tryptophan Research (ISTRY 2012),  Sydney, Australia,  2012/11
3. ◎Iizuka H, Koshikawa M, Kume M, Watanabe S, Ohashi H, FukushimaT: Fluorimetric determination of L-tryptophan in serum or brain homogenate of Sprague-Dawley rats by HPLC using precolumn fluorescence derivatization with R(-)-DBD-PyNCS.  13th International Society for Tryptophan Research (ISTRY 2012),  Sydney, Australia,  2012/11
  :Corresponding Author
  :本学研究者