<<< 前 2008年度 | 2009年度
 医学部 医学科 内科学講座 呼吸器内科学分野(佐倉)
 Division of Respiratory Medicine, Department of Internal Medicine (Sakura)
■ 概要
免疫・呼吸器
肺癌、間質性肺炎、肺感染症、閉塞性肺疾患、気管支喘息などをはじめとする呼吸器疾患、アレルギー疾患、膠原病などの救急及び初期から慢性期に至るまでの診療と免疫学的アプローチによる臨床研究を行っている。診療面では現在コメディカルとともに、在宅酸素外来、禁煙外来、睡眠時無呼吸外来、外来包括的呼吸リハビリテーションなどの特殊外来と院内感染症チーム・薬剤耐菌サーベーランスを施行している。現在、看護師、栄養士、理学療法士、MSWと院内緩和医療チームの設立し活動中であるが、今後は患者様を中心としたネットワークを地域の実地医と共に設立する予定である。また、当院は各学会の専門医、指導医が常勤し地域の基幹病院として日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本呼吸器内視鏡学会より指導施設としての認定を受けている。
肺癌:年間新規に受診される患者様は120~150名程度おり、内科主体に内視鏡学会指導医のもと気管支鏡検査を施行し、呼吸器外科、病理と毎週カンファレンスを施行後、治療方針を決定している。化学療法は臨床腫瘍学会指導医のもと呼吸器学会ガイドラインに基づき施行し、外来化学療法も積極的に施行している。
年間の手術例は毎年30~40例ほどで,手術標本をもとに遺伝子検索、抗癌剤感受性検査など施行し肺癌学会ガイドラインに準拠し各患者様に合わせたオーダーメード治療を目指している。気管支鏡、胸腔鏡の手技取得、日本気管支内視鏡学会専門医取得が可能である。
気管支喘息;アレルギー学会専門医のもとアレルギー学会治療指針に基づきピークフローによる喘息管理を施行し、減感作療法、食物アレルギー試験なども施行している。
気管支喘息をはじめとしたアレルギー疾患を研修しアレルギー学会専門医の取得が可能である。
慢性呼吸不全;閉塞性肺疾患、肺結核後遺症などで150程度の方が在宅酸素療法を、または鼻マスク人工呼吸器療法を施行中であり、呼吸不全増悪時にはICUにて右心カテーテルを挿入し心血管系のモニタリングしつつ人工呼吸器管理を施行し治療している。また、患者様の「生活の質の改善」を目指し、呼吸療法看護師、理学療法士、薬剤師、栄養士と共に外来または入院にて呼吸リハビリテーションを施行している。慢性期より急性期まで幅広い研修が可能である。
間質性肺炎・肺線維症;年間新規に50名程度の患者様が受診され、気管支鏡・気管支鏡下肺胞洗浄、胸腔鏡下肺生検など施行し病態を検索後、ステロイド剤、免疫抑制剤などによる治療を行っている。また、2007年より肺線維症の原因の一つとしての「生体の酸化ストレス」をターゲットとし抗酸化療法を施行中である。
診断から治療までトータルの研修が可能である。
呼吸器感染症;ICDを中心とし院内感染症チームを発足し、喀痰塗抹検査を施行し起因菌の検索を迅速に行い適正抗生剤の使用を図っている。
内科医として必要な感染症の一般的知識と抗生剤の適正使用に付き研修が可能である。
睡眠時無呼吸外来、禁煙外来;睡眠時ポリグラフィーによる眠時無呼吸検査を施行し、外来にて現在約250名程度に持続的陽圧呼吸療法を施行している。睡眠時無呼吸は全身の疾患への関わりが判明しつつあり、当院では、循環器、内分泌、耳鼻科、小児科、眼科などと連携し総合的に睡眠時無呼吸の臨床研究を行っている。また、喫煙による弊害を指導しつつ、看護師とともに禁煙指導を施行している。
目標;上記の疾患を中心に病棟及び外来での診療研修により呼吸器、アレルギー専門医としての知識・技術を取得し医療者としての人格の向上を目指す。

■ Keywords
肺癌, 気管支喘息, 慢性閉塞性肺疾患, 間質性肺炎, 抗酸化療法, 包括的呼吸リハビリテーション
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















川嶋 健吾   助教
医学博士
              
 3
(3)
 
 
 
 
川島 辰男   助教
    2          
 4
(2)
 
 
 
 
黒田 敏久   助教
              1
(1)
 1
(1)
 
 
 
 
田邉 雅章   助教
医学博士
    1          
 4
(2)
 
 
 
 
松澤 康雄   助教
   1           
 3
(2)
 
 
 
 
吉田 泰司   助教
医学博士
              
 2
(2)
 
 
 
 
 0 1  0 0  0  1
(1)
 0
(0)
 0
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














川嶋 健吾   助教
医学博士
         
 
 
川島 辰男   助教
         
 
 
黒田 敏久   助教
         1
(1)
 
 
田邉 雅章   助教
医学博士
         
 
 
松澤 康雄   助教
  1       
 
 
吉田 泰司   助教
医学博士
         
 
 
 0 1  0 0  0  1
(1)
 0
(0)
 0
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. Orido T, Fujino H, Kawashima T , Murayama T.:  Decrease in uptake arachidnic acid by indomethacin in LS174T human colon cancer cells; a novel cyclooxygenase- 2-inhibition-indepndent effect.  Archives of Biochemistry and Biophysics  494 (1) :78-85 , 2009
2. Yasuo Matsuzawa, Yoshiaki Kiuchi, Kaori Toyamura, Ikiru Matsumoto, Hiroyuki Nakamura, Hiromichi Fujino, Toshihiko Murayama, Tatsuo Kawashima:  Activation of Cytosolic Phospholipase A2α by Epidermal Growth Factor (EGF) and Phorbol Ester in Hela Cells: Different Effects of Inhibitors for EGF receptor, Protein Kinase C, and C-Raf.  Journal of Pharmacological Sciences  111 (2) :182-92 , 2009
3. 松澤康雄、川島辰男:  Activation of Cytosolic Phospholipase A2α by Epidermal Growth Factor (EGF) and Phorbol Ester in HeLa Cells: Different Effects of Inhibitors for EGF Receptor, Protein Kinase C, Src, and C-Raf.  Journal of pharmacological sciences  111 :182 -192 , 2009
4. Horino T, Matsumoto T, Ishikawa H, Kimura S, Uramatsu M, Tanabe M, Tateda K, Miyazaki S, Aramaki Y, Iwakura Y, Yoshida M, Onodera S, Yamaguchi K:  Interleukin-1 deficiency in combination with macrophage depletion increases susceptibility to Pseudomonas aeruginosa bacteremia.  Microbiol Immunol  53 (9) :502-11 , 2009
■ 学会発表
国内学会
1. ◎若林徹,正田稔子,力武はぎの,岡田倫明,黒田敏久,横須賀恭子,田邊雅章,吉田泰司,松澤康雄,川島辰男,笹井大督,蛭田啓之,亀田典章,: 肺変性を呈したヒトアジュバンド病の一例.  第189回日本呼吸器学会関東地方会,  東京,  2010/03
2. ○山浦えりか, 中村浩之, 藤野裕道, 松澤康雄, 川島辰男, 村山俊彦: TGF-βによる肺細胞線維化へのS1Pの関与.  日本薬学会,  岡山,  2010/03
3. 加藤知子, 藤野裕道, 松澤康雄, 川島辰男, 村山俊彦: ヒト肺癌A549細胞株におけるIndomethacinのCOX非依存的作用の解明.  日本薬学会,  岡山,  2010/03
4. ◎森山彩子, 長島誠, 杉下雄為, 瓜田祐, 北原知晃, 高木隆一, 吉田豊, 大城充, 川島辰男, 松澤康雄, 若林徹, 蛭田啓之, 亀田典章, 加藤良二: 異なるEGFR遺伝子変異を有する同時性多発肺腺癌の一例.  第50回日本肺癌学会総会,  東京,  2009/11
5. ◎長島誠, 杉下雄為, 森山彩子, 北原知晃, 大城充, 川島辰男, 若林徹, 笹井大督, 蛭田啓之, 亀田典章, 加藤良二: 複数のGefitinib感受性EGFR遺伝子変異を認めた肺腺癌の一例.  第50回日本肺癌学会総会,  東京,  2009/11
6. ◎若林 徹, 力武はぎの, 岡田倫明, 黒田敏久, 横須賀恭子, 田邉雅章, 川嶋健吾, 吉田泰司,
松澤康雄, 川島辰男, 白井厚治, 笹井大督, 蛭田啓之, 亀田典章: 肺結核の診断に難渋し器質化肺炎の併発を認めた一例.  第186回日本呼吸器学会関東地方会,  茨城県,  2009/09
7. ◎若林 徹, 岡田倫明, 黒田敏久, 田邉雅章, 川嶋健吾, 吉田泰司, 松澤康雄, 川島辰男, 白井厚治: 肺癌及び肺癌治療における酸化ストレス.  第49回日本呼吸器学会学術講演会,  東京都,  2009/06
8. ◎若林徹, 力武はぎの, 岡田倫明, 黒田敏久, 田邉雅章, 川嶋健吾, 松澤康雄, 川島辰男, 白井厚治: 肺癌及び肺癌治療における酸化ストレス.  第49回日本呼吸器学会総会,  東京,  2009/06
9. ◎岡田倫明, 川嶋健吾, 若林徹, 黒田敏久, 田邉雅章, 松澤康雄, 川島辰男: ステロイド抵抗性の間質性肺炎治療におけるPC-SODの臨床と基礎.  第49回日本呼吸器学会総会,  東京国際フォーラム,  2009/06
10. ◎黒田敏久,力武はぎの,若林徹,岡田倫明,田邊雅章,川嶋健吾,吉田泰司,松澤康雄,川島辰男,白井厚治,蛭田啓之,亀田典章,: 肺性肥大性骨関節症を合併したB細胞悪性リンパ腫の1例.  第134回東邦医学会例会,  東京,  2009/06
11. ◎小川恵美奈, 川嶋健吾, 岸雅彦, 吉田友英, 榊原隆次: 頭位性眼振・嘔気が顕著であった抗VGCC抗体陽性傍腫瘍性小脳変性症の70歳 女性例.  第189日本神経学会関東地方会,  東京,  2009/06
12. 若林徹,岡田倫明,黒田敏久,力武はぎの,川嶋健吾,田邊雅章,松澤康雄,川島辰男,白井厚治: 肺癌および肺癌治療における酸化ストレス.  第49回日本呼吸器学会学術講演会,  東京,  2009/06
  :Corresponding Author
  :本学研究者