2008年度
 医学部 医学科 内科学講座 呼吸器内科学分野(佐倉)
 Division of Respiratory Medicine, Department of Internal Medicine (Sakura)
■ 概要
肺癌、間質性肺炎、肺感染症、閉塞性肺疾患、気管支喘息などをはじめとする呼吸器疾患、アレルギー疾患、膠原病などの救急及び初期から慢性期に至るまでの診療と免疫学的アプローチによる臨床研究を行っている。
診療面では現在コメディカルとともに、在宅酸素外来、禁煙外来、睡眠時無呼吸外来、包括的呼吸リハビリテーションなどの特殊外来と院内感染症チーム・薬剤耐菌サーベーランスを施行している。今後は、麻酔科医、精神科医、薬剤師、看護師とともに院内緩和医療チームの設立と、患者様を中心とした喘息ネットワークを地域の実地医と共に設立する予定である。また、当院は各学会の専門医、指導医が常勤し地域の基幹病院として日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本呼吸器内視鏡学会より指導施設としての認定を受けている。
主な診療疾患
肺癌:2008年度受診された患者様は126名おり、気管支鏡検査を施行し、呼吸器外科、病理カンファレンスを施行後、20名の肺癌症例に外科的治療を施行。手術不能例に対し化学療法を主体とした治療を施行し、うち15%の症例に外来化学療法施行している。
気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患;外来通院中の気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患症例は600~700程度であり、近年のアレルギー疾患の増加とともに増加傾向にある。アレルギー学会・呼吸器学会の治療指針に基づき治療し、ピークフローによる喘息管理、減感作療法、食物アレルギー試験なども施行している。
慢性呼吸不全;閉塞性肺疾患、肺結核後遺症などの方150名以上が在宅酸素療法、鼻マスク人工呼吸器療法を施行中であり、呼吸不全増悪時にはICUにて右心カテーテルを挿入し心血管系のモニタリングしつつ人工呼吸器管理を施行し治療している。また、患者様の「生活の質の改善」を目指し、外来及び入院にて理学療法士、呼吸療法看護師、薬剤師、栄養士と共に包括的呼吸リハビリテーションを施行している。
間質性肺炎・肺線維症;新規に36名の患者様が受診され、気管支鏡・気管支鏡下肺胞洗浄、胸腔鏡下肺生検など施行し病態を検索後、経過観察を含めステロイド剤、免疫抑制剤などによる治療を施行。また、2007年より肺線維症の原因の一つとしての「生体の酸化ストレス」をターゲットとし抗酸化療法を施行中である。
呼吸器感染症;ICDを中心とし院内感染症チームを発足し、喀痰塗抹検査を施行し起因菌の検索を迅速に行い適正抗生剤の使用を図っている。
睡眠時無呼吸外来、禁煙外来;睡眠時ポリグラフィーによる眠時無呼吸検査を施行し、外来にて現在約150名に持続的陽圧呼吸療法を施行している。禁煙外来受診の62名に禁煙喫煙による弊害を指導しつつ、看護師とともに内服、貼布剤による禁煙治療を施行し、3ヶ月の禁煙率は78%であった。
■ Keywords
肺癌, 気管支喘息, 慢性閉塞性肺疾患, 間質性肺炎, 抗酸化療法, 包括的呼吸リハビリテーション
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















川嶋 健吾   助教
医学博士
              
 4
 
 
 
 
川島 辰男   助教
  2  2          2
(1)
 2
 
 
 1
 
田邉 雅章   助教
医学博士
    1          
 4
 
 
 
 
松澤 康雄   助教
 1   2          
 4
 
 
 
 
 1 0  0 0  0  2
(1)
 0
(0)
 1
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














川嶋 健吾   助教
医学博士
         
 
 
川島 辰男   助教
         2
(1)
 
 1
田邉 雅章   助教
医学博士
         
 
 
松澤 康雄   助教
 1        
 
 
 1 0  0 0  0  2
(1)
 0
(0)
 1
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. Kurosawa T, Nakamura N, Yamaura E, Fujino H, Matsuzawa Y, Kawashima T, Murayama T:  Cytotoxicity induced by inhibition of thioredoxin reductases via multiple signaling pathways: Role of cytosolic phospholipase A2-dependent and -independent release of arachidonic acid.  Journal of Cellular Physiology  219 (3) :606-616 , 2009
2. Orido T, Fujino H, Hasegawa Y, Toyomura K, Kawashima T, Murayama T:  Indomethacin Decreases Arachidonic Acid Uptake in HCA-7 Human Colon Cancer Cells.  Journal of Pharmacological Sciences  108 (3) :389-392 , 2008
総説及び解説
1. 松澤康雄, 川島辰男, 鈴木康夫, 白井厚治:  抗酸化療法 最近のトピックス】 SOD/消化器疾患/肺疾患.  炎症と免疫  16 (5) :525-530 , 2008
■ 学会発表
国内学会
1. ◎若林徹, 岡田倫明, 黒田敏久, 川島さやか, 田邊雅章, 川嶋健吾, 松澤康雄, 川島辰男, 白井厚治, 加藤良二, 長島誠, 蛭田啓之, 亀田典章: 掌蹠膿胞症加療中に増大する多発空洞病変にステロイドが奏功した一例.  第48回日本呼吸器学会学術講演会,  神戸,  2008/06
2. ◎川島辰男,若林徹,岡田倫明,黒田敏久,川島さやか,川嶋健吾,田邉雅章,後藤束,松澤康雄,白井厚治: 高齢者進行非小細胞肺癌に対する,2剤併用化学療法とBset supportive careの比較.  第48回日本呼吸器学会学術講演会,  神戸,  2008/06
3. ◎川島辰男、若林徹、岡田倫明、黒田敏久、川島さやか、川嶋健吾、田邉雅章、後藤束、松澤康雄、白井厚治: l高齢者進行非小細胞肺癌に対する2剤併用化学療法とBest supportive careの比較.  第48回日本呼吸器学会学術講演会,  神戸市,  2008/06
4. 正田稔子,松澤康雄,若林徹,岡田倫明,川嶋健吾,川島さやか,田邊雅章,川島辰男: 輸血関連急性肺障害(TRALI)の1例.  第48回日本呼吸器学会学術講演会,  神戸,  2008/06
5. 川島辰男,黒田敏久,若林徹,岡田倫明,横須賀恭子,川島さやか,西由美子,川嶋健吾,田邊雅章,松澤康雄,白井厚治: ステロイド抵抗性間質性肺炎に対するレシチン化SOD投与例の検討.  第48回日本呼吸器学会学術講演会,  神戸,  2008/06
6. ◎笹井大督, 有本昇平, 上條聖子, 徳留隆博, 蛭田啓之, 亀田典章, 佐々木健, 小寺順一, 岡田倫明, 川島辰男, 寺田一志: 本態性血小板血症を伴った慢性血栓塞栓性肺高血圧症の1剖検例.  第97回日本病理学会総会,  金沢,  2008/05
その他
1. ◎正田稔子, 粕谷秀輔, 岩佐亮太, 山口崇,川名秀俊, 青木博, 遠藤渓, 細江伸央, 松澤康雄, 岡住慎一: めまいを主訴とした症例の検討.  第6回東邦大学医療センター佐倉病院内科例会,  佐倉,  2008/12
2. ◎岩佐亮太, 川島辰男, 蛭田啓之, 亀田典章: 器質化肺炎を呈した肺結核症の1例.  第41回千葉呼吸器感染症研究会,  千葉,  2008/07
3. ◎川島辰男、若林徹、岡田倫明、黒田敏久、横須賀恭子、川島さやか、西由美子、川嶋健吾、田邉雅章、松澤康雄、白井厚治: ステロイド抵抗性間質性肺炎に対するレシチン化SOD投与例の検討.  第48回日本呼吸器学会学術講演会,  神戸市,  2008/06
4. 川島辰男、◎正田稔子、若林徹、岡田倫明、、川島さやか、川嶋健吾、田邉雅章、松澤康雄: 輸血関連急性肺障害(TRALI)の1例.  第48回日本呼吸器学会学術講演会,  神戸市,  2008/06
  :Corresponding Author
  :本学研究者