医学部 医学科 生理学講座/統合生理学
Department of Physiology
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■ 概要
脳神経系の統合機能を、覚醒・情動・呼吸の面から研究している
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Ⅰ. 坐禅のセロトニン仮説の検証
坐禅の呼吸法を一定時間実施すると、ヒトの皮質脳波に覚醒時でもα波が出現するようになり、それは縫線核のセロトニン神経の活性化による可能性(呼吸法後の血中・尿中のセロトニン濃度が増加する)がある。セロトニン神経は脳の広範な領域に投射し、覚醒状態を演出する機能があり、心の面では、不安やパニックに関係するノルアドレナリン神経を抑制し、平常心を発現させる。セロトニン神経の活性化は、運動ニューロンに対する促通効果や、内因性の鎮痛効果も発現させる。これらの諸現象は、坐禅の呼吸法で体験される効能と一致する。以上の課題を坐禅のセロトニン仮説として検証している。
Ⅱ. 第三の覚醒系の研究
本研究室では第三の覚醒系として、ストレス中枢である室傍核の役割を検討している。室傍核の小細胞領域をグルタミン酸、シアン(脳虚血モデル)、ヒスタミン、NOなどで刺激すると、一過性に皮質を賦活させ得ることを証明してきている。室傍核から皮質への賦活経路として、前脳基底部のMeynert基底核コリン(Ach)作動性神経を経由するもの、青斑核のノルアドレナリン(NA)神経を経由する迂回路、視床非特殊核を経由するものがあるが、それをマイクロダイアリシス法にて各種の神経活性物質の変動を定量することで、神経伝達物質の動態から解析している。
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■ Keywords
呼吸, セロトニン, あくび, しゃっくり, 涙, 座禅
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■ 教授・准教授・講師の学会・研究会の役員
1.
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有田秀穂
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:日本自律神経学会理事・評議員、日本生理学会評議員、日本適応医学会評議員
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2.
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鈴木郁子
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:日本生理学会評議員
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■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和文 | 英文 |
和文 | 英文 |
国内 | 国際 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 |
演 者 | 共 演 | 演 者 | 共 演 |
演 者 | 共 演 |
有田 秀穂
教授
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| 4 | | 1 |
3 | 1 | 1 | |
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1
(1)
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2
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7
(7)
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鈴木 郁子
講師
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| | | 1 |
| 1 | | |
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2
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于 新軍
助教
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| | | 1 |
| | | |
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2
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関 由成
助教
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| | | 1 |
| | | |
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2
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中谷 康司
助教
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| | | |
| | | |
| |
1
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|
2
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計 |
0 | / | 0 | / |
3 | / | 1 | / |
0 | / |
1 (0) | / |
2 (0) | / |
0 (0) | / |
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研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和 文 | 英 文 |
和 文 | 英 文 |
国 内 | 国 際 |
筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 |
演 者 | 演 者
| 演 者 |
有田 秀穂
教授
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| |
3 | 1 |
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|
鈴木 郁子
講師
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|
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|
|
于 新軍
助教
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2
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|
関 由成
助教
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| |
| |
|
|
|
|
中谷 康司
助教
|
| |
| |
|
1
|
|
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計 |
0 | 0 |
3 | 1 |
0 |
1 (0) |
2 (0) |
0 (0) |
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( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
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( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
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■ 刊行論文
原著
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1.
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Ito M†, Yamanashi Y, Toyoda Y, Izumi-Nakaseko H†, Oda S†, Sugiyama A†, Kuroda M† , Suzuki H, Takada T, Adachi-Akahane S*†:
Disruption of Stard10 gene alters the PPARα-mediated bile acid homeostasis.
Biochimica et biophysica acta - Molecular and Cell Biology of Lipids
1831
(2)
:459-468
, 2013
|
2.
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Morimoto S, Ito M†, Oda S†, Sugiyama A†, Kuroda M†, Adachi-Akahane S*†:
Spinal Mechanism Underlying the Antiallodynic Effect of Gabapentin Studied in the Mouse Spinal Nerve Ligation Model.
Journal of pharmacological sciences
118
(4)
:455
-466
, 2012
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総説及び解説
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1.
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有田秀穂:
自殺の神経科学.
BRAIN AND NERVE
64
((8))
:929
--935
, 2012
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2.
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有田 秀穂:
病む時代の脳を救え ドーパミン男子とセロトニン女子 性差が生まれるメカニズム.
歯科医療経済
5
:40
-41
, 2012
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3.
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有田秀穂:
現代医学と呼吸法.
大法輪
7
:66
-70
, 2012
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その他
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1.
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有田秀穂:
巻頭言 心の教育:セロトニン神経と前頭前野の活性化.
教育展望
:2
-3
, 2012
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■ 著書
1.
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有田秀穂:
脳の疲れがとれる生活術
1-200.
PHP,
日本,
2012
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2.
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有田秀穂:
心のバネを強くする
1-175.
ぱる出版,
日本,
2012
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3.
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有田秀穂:
仏教と脳科学
1-322.
サンガ,
日本,
2012
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4.
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鍵谷方子、内田さえ、鈴木郁子、大沢秀雄、大橋敦子:
○×問題でマスター生理学 第3版
1-251.
医歯薬出版,
東京,
2013
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5.
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有田秀穂:
女30代からのストレスを消す方法
1-204.
三笠書房,
Japan,
2012
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6.
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有田秀穂:
脳からストレスを消す技術
1-167.
中信出版,
中国,
2012
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■ 学会発表
国内学会
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1.
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◎伊藤雅方† , 小田哲子†:
脂質転移タンパク質STARD10の分子複合体による脂質代謝調節機構の解明.
第141回東邦医学会例会,
東京,
2013/02
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2.
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有田秀穂:
丹田呼吸法は前部前頭前野とセロトニン神経を活性化する.
第53回 日本神経学会,
Japan,
2012/05
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国際学会
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1.
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Yu X., Fumoto M., Nakatani Y., Sekiyama T., Kikuchi H., Seki Y., Sato-Suzuki I., Arita H.:
Activation of anterior prefrontal cortex and serotonergic system is associated with improvements in mood and EEG changes induced by prolonged voluntary abdominal breathing.
International Conference of Physiological Sciences,
Suzhou, China,
2012/11
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2.
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Yu X., Fumoto M., Nakatani Y., Sekiyama T., Kikuchi H., Seki Y., Sato-Suzuki I., Arita H:
Anterior prefrontal cortex and serotonergic system activation during abdominal breathing exercise induces negative mood improvements and EEG changes.
Symposium on Social & Affective Neuroscience before the Human Brain Mapping Conference,
Beijing, China,
2012/06
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その他
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1.
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有田秀穂:
「セロトニン体操」.
第14回日本統合医療学会北海道支部会,
札幌,
2012/10
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2.
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有田秀穂:
セロトニンとパーキンソン病のかかわり.
第16回関東パーキンソン病勉強会,
東京,
2012/10
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3.
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有田秀穂:
「ハピネスを脳科学で考える」.
船井ヒューマンカレッジ,
東京,
2012/09
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4.
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有田秀穂:
瞑想、呼吸、ストレス(苦):セロトニンと前頭前野の役割.
平成24年度海真言宗教学大会 安居会,
和歌山,
2012/07
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5.
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有田秀穂:
歌とリズム運動で脳が甦る.
(社)西日本新聞健康セミナー特別講座,
福岡,
2012/06
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6.
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有田秀穂:
「セロトニン脳健康法」.
平成24年度海老名市学校保健会講演会,
神奈川,
2012/05
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7.
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有田秀穂:
セロトニン.
(社)日本産業カウンセラー協会特別講座,
Japan,
2012/04
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