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 理学部 教養科 経済学教室
 Economic System Analysis Laboratory

准教授:
  山方 竜二
■ 概要
経済学教室講座概要
現代の産業組織論では,取引費用などの観点から,企業間・企業内の組織的取引を,市場メカニズムを補完するシステムと捉え,その分析がすすめられている。当教室ではこれらの取引の背後にあるネットワーク的関係が,相互に依存しながら,いかに形成され発展していくかについて,経済理論の観点から実証的・規範的研究を引き続き進めている。
 具体的なテーマを以下に挙げる。
1.通信・電力・運輸などに存在する相互接続問題と接続料金の規制のあり方について。
2.企業間の取引構造と企業の内部組織構造の相互依存関係について。
3.技術の互換性と競争について。ネットワーク外部性と経済構造について。
4.情報伝達の効率化と個人のインセンティブの関わりという問題意識に立った上での,組織形態決定問題について。
 これらのテーマの研究を進めるにあたって,ゲーム理論等,数理的分析手法の研究も進める必要がある。とくに3番目のテーマについては,最近発展した,二面性をもつ市場(双方向性市場,two-sided market)に関する分析に関心を持っている。二面性を持つ市場とは,市場の両面に位置する参加者同士がプラットフォームを介して相互作用するような市場である。例として, Windows OSをプラットフォームと考えれば,市場の一面にはWindows上で動作するソフトウェアを開発・供給する企業が存在し,もう一面にはそれらのエンドユーザが位置することになる。また,別の例としてクレジットカードをプラットフォームと考えると,市場の一面にはクレジットカードを利用して決済の利便性を享受する最終消費者がおり,もう一面にはクレジットカードを利用可能とすることで,より多くの消費者を引きつけようとする各種販売店が存在する。
 多くの場合,両面の間には,クロス外部性が存在する。Windows OSの例であれば,Windowsのエンドユーザが増えればソフトウェア開発会社からみたWindowsプラットフォームの魅力は高まり,逆に,Windowsに対応したソフトウェアが増えればエンドユーザから見たWindowsプラットフォームの魅力は高まる。市場両面に位置する経済主体同士の直接交渉により外部性を内部化するという,所謂コース流の解決策が採れない場合,市場の両面からプラットフォームへの参加料金・利用料金を徴収する力を持つプラットフォーム企業が,どのような価格体系を市場両面に提示するかということが,ビジネス上,あるいは経済厚生上重大な関心事となる。
 これら経済学の研究と並行して,最近では基礎的な数学の講義を担当していることもあり,数学に関するe-Learning手法についても研究を進めている。学生の基礎的な数学能力が変化する中,専門教育の受講に必要な数理的知識・手法をいかに手当てするかは,多くの大学教員の関心事でもある。当教室では数学教室の協力の下,講義を補完することを主要な目的としたe-Learningシステムを運用し,その成果の分析を行っている。
■ Keywords
ミクロ経済学, 厚生経済学, 公共経済学, ゲーム理論, 産業組織論, 契約理論, 企業組織, 外部性, プラットフォーム, e-Learning
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
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山方 竜二   准教授
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研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
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(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 著書
1. 高遠節夫, 石村隆一, 野田健夫, 前田多恵, 三橋秀生, 安冨慎一, 山方竜二, 山下哲:    理科系の基礎 線形代数  1-158.  培風館,  東京, 2015
  :Corresponding Author
  :本学研究者