理学部 生物分子科学科 分子生理学部門 佐藤研究室(植物分子生理学)(〜28/3)
Laboratory of Plant Molecular Physiology
|
■ 概要
1. 水溶性クロロフィルタンパク質の構造と機能に関する研究
|
水溶性クロロフィルタンパク質は1963年に東邦大学で発見された機能未知のクロロフィル結合タンパク質であり、世界的にも本学において先端的に研究されて来た。当講座ではこの研究を引き継ぎ、水溶性クロロフィルタンパク質の構造と機能について、分子生物学、分子生理学的なアプローチを行っている。植物におけるクロロフィル代謝系は未だ不明な点が多く、このタンパク質の研究を通して、クロロフィルの合成系、輸送系、分解系などに関する新しい知見が得られると考えられる。
|
2. 緑藻オオハネモの海洋元素の高度生物濃縮能に関する研究
|
オオハネモは囊状多核単細胞の大型海産藻類であり、海水中の様々な元素を高度に生物濃縮する。特に周期表代2族、第7族、第17族元素を大量に蓄積し、それらの中でもストロンチウムはおよそ20g/kg(dry)もの量を蓄積している。我々はオオハネモが持つ海洋元素濃縮機構を生理生化学的・分子生物学的な手法によって解明する事を目的とし、膜上のトランスポータタンパク質および細胞内キャリア分子やその代謝系路の同定を行っている。
|
3. 高等植物の花弁におけるカロテノイド系色素の発現制御に関する研究
|
陸上植物には極めて多彩な花色を呈する種が多数存在する。花弁で生合成されて花色の発現に関係する色素群のなかでも、フラボノイド系色素の研究に比較してカロテノイド系色素の代謝に関わる遺伝子群の発現機構やその人工的な修飾に関する研究は少ない。本研究では、花弁におけるカロテノイド系色素の合成・分解に関与する一連の酵素遺伝子群の発現様式やその人工的な改変を試みる事によって、花色の改変へ向けた研究を行う。
|
|
■ Keywords
水溶性クロロフィルタンパク質, 環境金属元素の生物濃縮, カロテノイド系色素の合成系・分解系
|
|
■ 当該年度の研究費受入状況
その他
|
1.
|
新技術開発財団 第22回植物研究助成
(研究課題番号:22-23)
研究課題:環境中のストロンチウムを驚異的に濃縮する緑藻の元素濃縮機構の解析
(研究代表者:佐藤浩之)
研究補助金:1300000円 (代表)
|
|
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和文 | 英文 |
和文 | 英文 |
国内 | 国際 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 | 筆 頭 | 共 著 |
筆 頭 | 共 著 |
演 者 | 共 演 | 演 者 | 共 演 |
演 者 | 共 演 |
佐藤 浩之
教授
|
1 | | | 5 |
| | | 1 |
| |
2
(1)
|
8
|
|
|
|
|
計 |
1 | / | 0 | / |
0 | / | 0 | / |
0 | / |
2 (1) | / |
0 (0) | / |
0 (0) | / |
|
研究者名 |
刊行論文 |
著書 |
その他 |
学会発表 |
その他 発表 |
和 文 | 英 文 |
和 文 | 英 文 |
国 内 | 国 際 |
筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 | 筆 頭
| 筆 頭 |
演 者 | 演 者
| 演 者 |
佐藤 浩之
教授
|
1 | |
| |
|
2
(1)
|
|
|
計 |
1 | 0 |
0 | 0 |
0 |
2 (1) |
0 (0) |
0 (0) |
|
( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
|
( ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
|
|
■ 刊行論文
原著
|
1.
|
Imai A, Takahashi S, Nakayama K, Satoh H:
A promoter of carotenoid cleavage dioxygenase 4a-5 gene of Chrysanthemum morifolium (CmCCD4a-5) drives a petal-specific transcription of conjugated gene in the developing flower.
Journal of plant physiology
170
(14)
:1295
-1299
, 2013
|
2.
|
Takahashi S, Yoshikawa M, Kamada A, Ohtsuki T, Uchida A, Nakayama K, Satoh H:
The photoconvertible water-soluble chlorophyll-binding protein of Chenopodium album is a member of DUF538, a superfamily that distributes in land plants.
Journal of plant physiology
170
(17)
:1549
-1552
, 2013
|
3.
|
Takahashi S, Yanai H, Oka-Takayama Y, Zanma-Sohtome A, Fujiyama K, Uchida A, Nakayama K, Satoh H:
Molecular cloning, characterization and analysis of the intracellular localization of a water-soluble chlorophyll-binding protein (WSCP) from Virginia pepperweed (Lepidium virginicum), a unique WSCP that preferentially binds chlorophyll b in vitro.
Planta
238
(6)
:1065
-1080
, 2013
|
4.
|
Takahashi, S., Yanai, H., Oka-Takayama, Y., Zanma-Sohtome, A., Fujiyama, K., Uchida, A., Nakayama, K., and Satoh, H.:
Molecular cloning, characterization and analysis of the intracellular localization of a water-soluble chlorophyll-binding protein (WSCP) from Virginia pepperweed (Lepidium virginicum), a unique WSCP that preferentially binds chlorophyll b in vitro.
Planta
238
:1065
-1080
, 2013
|
5.
|
Takahashi S, Uchida A, Nakayama K, Satoh H:
The C-terminal extension peptide of non-photoconvertible water-soluble chlorophyll-binding proteins (Class II WSCPs) affects their solubility and stability: comparative analyses of the biochemical and chlorophyll-binding properties of recombinant Brassica, Raphanus and Lepidium WSCPs with or without their C-terminal extension peptides.
The protein journal
33
:75
-84
, 2014
|
その他
|
1.
|
佐藤浩之*†、高橋重一†:
高校生を対象とした遺伝子多型分析実験の試み.
理科教室
56
(5)
:55
-59
, 2013
|
|
■ 著書
1.
|
Takahashi S, Satoh H:
Mini-review on molecular properties and physiological functions of non-photoconvertible water-soluble chlorophyll-binding proteins (WSCPs) in Brassicaceae plants.
Brassicaceae: Characterization, Functional Genomics and Health Benefits
111-120.
Nova Science Publisher,
New York, USA,
2013
|
|
■ 学会発表
国内学会
|
1.
|
◎高橋重一†, 柳内春奈†, 内田朗†, 中山克己†, 佐藤浩之†:
非光変換型水溶性クロロフィル結合タンパク質(Class II WSCP)のクロロフィル結合およびクロロフィル識別の分子機構の解明.
第55回日本植物生理学会年会,
富山,
2014/03
|
2.
|
◎佐藤浩之†, 高橋重一†, 中村早希†, 中山克己†:
オオハネモによる海洋元素の生物濃縮に関する研究.
日本藻類学会第38回大会,
船橋,
2014/03
|
3.
|
◎竹内英司†, 石川淳, 板垣正, 高橋重一†, 中山克己†, 佐藤浩之†:
緑藻オオハネモ葉緑体ゲノム全塩基配列決定と遺伝子クラスター解析.
日本藻類学会第38回大会,
船橋,
2014/03
|
4.
|
西口慶一、望月裕太、圷沙織、高橋重一、久保田宗一郎、佐藤 浩之、内田朗、
大島範子、阿部 文快、三輪哲也、加藤 千明、佐藤孝子、佐藤圭一、伊藤展枝、
五郎丸美智子、岡田光正:
下等脊椎動物ヌタウナギ科乳酸脱水素酵素 (LD) からヒトのLD疾患を考える.
第24回 生物試料分析科学会年次学術集会,
三重,
2014/03
|
5.
|
◎高橋重一†, 内田朗†, 中山克己†, 佐藤浩之†:
非光変換型水溶性クロロフィル結合タンパク質におけるクロロフィルa高親和性型とクロロフィルb高親和性型の比較解析.
第36回日本分子生物学会年会,
神戸,
2013/12
|
6.
|
◎相澤今日子†, 今井彩乃†,高橋重一†,中山克己†,佐藤浩之†:
GUSレポーターアッセイによるイエギクカロテノイド酸化開裂酵素4a遺伝子の花弁特異的発現調節機構の解析.
第36回日本分子生物学会年会,
神戸,
2013/12
|
7.
|
望月裕太、圷沙織、高橋重一、西口慶一、久保田宗一郎、佐藤 浩之、内田朗、
大島範子、阿部 文快、三輪哲也、加藤 千明、佐藤孝子、佐藤圭一、伊藤展枝、
五郎丸美智子、岡田光正:
ムラサキヌタウナギ乳酸脱水素酵素―Bの耐圧性・耐熱性.
第14回 極限環境生物学会,
東京,
2013/10
|
8.
|
望月裕太、高橋重一、西口慶一、久保田宗一郎、佐藤 浩之、内田朗、
大島範子、阿部 文快、三輪哲也、加藤 千明、佐藤孝子、伊藤展枝、
五郎丸美智子、岡田光正:
ヌタウナギ科乳酸脱水素酵素の耐圧性・耐熱性.
第18回生物関連高圧研究会シンポジウム,
岐阜,
2013/09
|
9.
|
◎Sato H†、 Suzuki T†、Yuzawa H†、Abe A†、Fukunaga S†、 Fujino T†、 Kobayashi K†、 Okano Y†、 Ikeda T†:
Modulation of Autonomic Nerves Immediately after Catheter Ablation Procedure to Paroxysmal Atrial FibrillationAssessment Using Frequency-Domain Heart Rate Variability Analysis.
第28回日本不整脈学会,
東京,
2013/07
|
10.
|
◎高橋重一†, 内田朗†, 中山克己†, 佐藤浩之†:
多様な光質を用いたシロザ水溶性クロロフィル結合タンパク質(WSCP)の光変換解析.
第4回日本光合成学会年会,
名古屋,
2013/05
|
|