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 薬学部 衛生化学教室
 Department of Hygienic Chemistry

教授:
  井手 速雄
講師:
  金木 弘之
助教:
  桐生 道明
助教:
  水落 茂樹
■ 概要
メラトニンの骨形成促進作用に関与する細胞内情報伝達機構
ヒト膝関節由来初代培養骨芽細胞を用いて、メラトニンが、その受容体MT2/Giタンパク質/ホスホリパーゼC経路を介して骨形成能を促進することを明らかにした。また、このシグナルがMT2の発現を上昇させることも明らかにした。
骨芽細胞分化に必須の転写因子Runx2を分解するユビキチンリガーゼ Smurf1の発現機構
ヒト膝関節由来初代培養骨芽細胞を用いて、腫瘍壊死因子TNF-αがPGE2の産生促進/EP2受容体/Gsタンパク質/アデニル酸シクラーゼ/プロテインキナーゼA経路を介してユビキチンリガーゼ Smurf1の発現を上昇させることを明らかにした。
TNF-αによる骨形成抑制因子gremlinの発現誘導
マウス培養骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞を、炎症性サイトカインTNF-αで刺激したところ、gremlin発現量はTNF-αに関して、濃度依存的、時間依存的に上昇した。この発現上昇は、MAP-kinase 経路のp38を介していることが示唆された。また、ゲノム上の転写調節領域の探索し、その候補を見い出した。
骨芽細胞機能に及ぼすケルセチンの影響
ヒトおよびマウス由来初代培養骨芽細胞を用いて、フラボノイドの一つであるケルセチンが、骨芽細胞骨形成能を促進すること、破骨細胞促進因子RANKLの発現を抑制することなどを明らかにした。
破骨細胞分化に及ぼすフラボノールの構造活性相関について
フラボノールによる破骨細胞の分化抑制は、B環における水酸基の置換数に依存することを明らかにした。
ヘスペレチンの破骨細胞分化に及ぼす影響について
フラボノイドのヘスペレチンは、破骨細胞形成を著しく阻害することが分かった。その阻害機構として、破骨細胞分化に必須の転写因子NFATc1の発現抑制を介する経路を明らかにした。
■ Keywords
骨代謝, 関節リウマチ, 骨粗鬆症, 骨芽細胞, 破骨細胞, ユビキチンリガーゼ, メラトニン, gremlin, ケルセチン
■ 教授・准教授・講師の公的役職
1.  井手速雄 :薬学教育協議会衛生薬学担当委員会議委員長, 日本中央競馬会禁止薬物再検査委員
2.  金木弘之 :日本中央競馬会禁止薬物再検査委員
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















井手 速雄   教授
薬学博士
              
 12
 
 
 
 
金木 弘之   講師
博士(薬学)
              2
 9
 
 
 
 
桐生 道明   助教
薬学修士
              1
 1
 
 
 
 
水落 茂樹   助教
博士(薬学)
              1
 1
 
 
 
 
 0 0  0 0  0  4
(0)
 0
(0)
 0
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














井手 速雄   教授
薬学博士
         
 
 
金木 弘之   講師
博士(薬学)
         2
 
 
桐生 道明   助教
薬学修士
         1
 
 
水落 茂樹   助教
博士(薬学)
         1
 
 
 0 0  0 0  0  4
(0)
 0
(0)
 0
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 学会発表
国内学会
1. ◎桐生道明, 井手速雄: ラット骨髄細胞においてケルセチンによる破骨細胞分化に及ぼす影響は細胞のpopulationにより異なる.  日本薬学会,  静岡,  2011/03
2. ◎角田美岬, 中島のぞみ, 森泉詩保子, 金木弘之, 井手速雄: TNFによるSmurf1 発現誘導の加齢変化.  日本薬学会第131年会,  静岡,  2011/03
3. ◎金木弘之, 池田勧, 小倉宏之, 山賀亮祐, 井手速雄: メラトニンの骨形成促進作用に関与する細胞内情報伝達機構.  日本薬学会第131年会,  静岡,  2011/03
4. ◎森泉詩保子, 角田美岬, 中島のぞみ, 金木弘之, 井手速雄: 骨芽細胞分化の加齢変化に関する検討.  日本薬学会第131年会,  静岡,  2011/03
5. ◎水落茂樹, 泉雄介, 金木弘之, 井手速雄: TNF-αによる骨形成抑制因子のシグナル伝達経路.  日本薬学会第131年会,  静岡,  2011/03
6. ◎中島のぞみ, 森泉詩保子, 角田美岬, 金木弘之, 井手速雄: 骨芽細胞分化に必須の転写因子Runx2を分解するユビキチンリガーゼ Smurf1の発現機構.  日本薬学会第131年会,  静岡,  2011/03
7. ◎Izumi Y, Mizuochi S, Kaneki H, Ide H: Study of TNF-α induced expression of bone morphogenetic protein antagonist via MAP kinase pathway.  日本生化学会,  神戸,  2010/12
8. ◎井上由紀子, 金木弘之, 桐生 道明, 井手速雄: 骨芽細胞機能に及ぼすケルセチンの影響.  第54回日本薬学会関東支部大会,  東京,  2010/10
9. ◎池田勧, 金木弘之, 井上由紀子, 山賀亮祐, 小倉宏之, 井手速雄: メラトニンはヒト膝関節に由来する骨芽細胞の機能を促進す.  フォーラム2010 衛生薬学・環境トキシコロジ,  東京,  2010/09
10. ◎金木弘之, 角田美岬, 中島のぞみ, 森泉詩保子, 井手速雄: 関節リウマチにおけるユビキチンリガーゼの発現上昇につい.  フォーラム2010 衛生薬学・環境トキシコロジー,  東京,  2010/09
11. ◎山賀亮祐, 金木弘之, 小倉宏之, 池田勧, 井上由紀子, 井手速雄: 骨芽細胞におけるメラトニン受容体の発現に及ぼす加齢の影響.  フォーラム2010 衛生薬学・環境トキシコロジー,  東京,  2010/09
12. ◎小倉宏之, 金木弘之, 山賀亮祐, 池田勧, 井上由紀子, 井手速雄: 骨芽細胞におけるメラトニン受容体の発現に及ぼすフラボノールの影響.  フォーラム2010 衛生薬学・環境トキシコロジー,  東京,  2010/09
  :Corresponding Author
  :本学研究者