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 薬学部 医療薬学教育センター/臨床病態学研究室
 Department of Clinical Sciences

教授:
  定本 清美
講師:
  高橋 瑞穂
■ 概要
研究概要
(服薬に関するトータルサポート)
 医療において薬物治療は全ての年齢で治療の中核を担っている。薬物治療の多様化により薬剤の形体、服薬方法、保存や携帯方法も多様化している。このような状況下で、あらゆる年齢において適切な服薬を実現することは、医療チームの中で薬剤師の大きな責務である。今までの研究において小児や高齢者の場合は、剤形や味・香りが服薬できるかできないかにかかわり、コンプライアンスに大きく影響していることを検証し、対応法についても提唱してきた。
また、服薬に関わる要因として薬剤包装は最初の関門であり、その開封性の可否は患者さんの障害(関節リウマチ、片麻痺など)や認知度によって変化し、服薬における重要な要因であることを調査確認した。そして、開封しやすい包装の条件について実験的・臨床的に検証してきた。
今後は高齢化社会において多くの比率を占める高齢者の服薬コンプライアンスと剤形・包装との関連に関しても調査を進め、小児から高齢者まで全ての人に服用しやすいバリアフリー製剤、開封しやすいユニバーサルデザインをコンセプトに、服薬に関するトータルサポートについて、検討する予定である。
現在の研究の実際的テーマとしては、企業との新剤形の共同開発、PTP包装の問題検討と標準化、注射剤の使用における機能性・安全性評価などに取り組んでいる。

(社会から求められている薬剤師活動の実践)
  薬学教育は2006年度より6年制に移行し、医療のなかで実践的に活躍できる薬剤師の育成が責務となっている。しかし、薬学教育関係者以外は、この変革の詳細を知っている者は多いとは言い難い。医療現場においても、他の医療職が今後実習や学外活動を理解し協力してくれるように言及していくとともに、薬剤師自らが資質や専門を生かして、どんな役割を担うことができるかを示していき、職域を広げていくことが期待される。薬剤師からみた臨床活動から発展し、医療の中での臨床薬剤師の活動について、医師と協力して臨床活動や臨床研究を行い、その活動を臨床薬学の基礎研究へと結びつけることを実践している。具体的には現在、てんかん治療における臨床薬剤師活動、緩和ケア医療における薬物治療、川崎病の病態と薬物治療などについて研究し、他の医療職からも評価を得ている。
■ Keywords
(服薬に関するトータルサポート)剤形、薬剤包装、バリアフリー製剤、ユニバーサルデザイン(社会から求められている薬剤師活動の実践)臨床薬剤師、臨床薬学研究、てんかん、緩和医療、川崎病)
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















定本 清美   教授
医学博士
       1       4
(1)
 8
 
 1
 1
 
高橋 瑞穂   講師
薬学修士
              1
 9
 1
 
 
 
 0 0  0 0  0  5
(1)
 1
(0)
 1
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














定本 清美   教授
医学博士
         4
(1)
 
 1
高橋 瑞穂   講師
薬学修士
         1
 1
 
 0 0  0 0  0  5
(1)
 1
(0)
 1
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 著書
1. 定本清美、板東浩、他多数:  地域で薬物療法の質を向上させるコツ.  熟練医から「日常診療のさまざまなコツ」を伝授  226-227.  南山堂,  日本, 2009
■ 学会発表
国内学会
1. ◎草本枝里子、加賀公、真坂瓦、安斎洋次郎、加藤文男、定本清美: 自動アルコール噴霧機能付きパスボックスの機能評価及び適切な運用.  第129回日本薬学会年会,  京都,  2009/03
2. ◎定本清美 高橋瑞穂 神川美江 佐伯剛: 注射剤容器の使用に関する評価.  第129回日本薬学会年会,  京都,  2009/03
3. ◎倭文啓恵 草本枝里子 津田識史 丸山明乃 石井照恵 彦田絵美 佐伯剛 高橋瑞穂 定本清美: 医薬品包装開封性の評価と検討 -手指機能障害のない高齢者に必要な条件の検討-.  第129回日本薬学会年会,  京都,  2009/03
4. ◎伊勢馬場美香, 高橋瑞穂, 定本清美: 緩和医療に対する薬学生の意識調査.  第2回日本緩和医療薬学会,  横浜,  2008/10
5. ◎横山祐希 高橋瑞穂 定本清美: 乳幼児の服薬についての親の考え方.  第18回日本医療薬学会年会,  札幌,  2008/09
6. ◎高橋瑞穂 定本清美: 地域における薬剤師の活動 -他の医療従事者(看護師・介護士)からの評価-.  第18回日本医療薬学会年会,  札幌,  2008/09
7. ◎草本枝里子 高橋瑞穂 定本清美: 注射剤無菌調製における薬剤師の適切な取り組みについて.  第18回日本医療薬学会年会,  札幌,  2008/09
8. ◎津田識史 高橋瑞穂 定本清美: 老人福祉施設における薬剤師の必要性に関する調査.  第18回日本医療薬学会年会,  札幌,  2008/09
9. ◎定本清美 高橋瑞穂 彦田絵美: 高齢者における散剤開封の実態と包装への要望.  第18回日本医療薬学会年会,  札幌,  2008/09
10. ◎倭文啓恵、石井照恵、佐伯剛、高橋瑞穂 定本清美: 医薬品開封性の評価と検討 -手指機能障害のない高齢者に必要な条件の検討-.  第18回日本医療薬学会年会,  札幌,  2008/09
11. ◎定本清美、斉藤栄造: リウマチ患者における睡眠剤・安定剤の服用と疾患活動性.  第52回日本リウマチ学会総会・国際シンポジウム,  日本,  2008/06
12. ◎定本清美 高橋瑞穂: リウマチ患者における睡眠剤・安定剤の服用と疾患活動性.  第31回日本プライマリ・ケア学会 学術会議2008岡山,  岡山,  2008/06
13. ◎高橋瑞穂 定本清美: 地域医療における薬剤師の活動 -現状と将来-.  第31回日本プライマリ・ケア学会 学術会議2008岡山,  岡山,  2008/06
国際学会
1. M. Takahashi, C. Ishikawa, Y. Akimoto, C. Yanagawa, K. Sadamoto: The role of the community pharmacists in Japan : The Current status and the future development.  FIP 2008,  Basel, Switzerland,  2008/09
  :Corresponding Author
  :本学研究者