2008年度
 看護学部 看護学科 基礎看護学研究室
 Department of Fundamental Nursing Science

教授:
  遠藤 英子
  竹内 千惠子
  野崎 真奈美
准教授:
  中原 るり子
■ 概要
1.看護技術のエビデンスの探求
基礎看護学研究は看護学の導入として各看護学領域の基盤を作りを担当し、根拠をもって看護技術を提供できるように看護技術の効果や判断基準の作成を行なっている。具体的には高齢者の効果的な寝返りのアセスメントツールを人間工学の視点から開発している。
2.看護実践能力の育成に関する研究
基礎看護学における教育の在り方を探求するために、実習評価尺度の開発など基礎看護学における教育方法・評価に関する研究を行なっている。また、いつでもどこでも学習できるe-ラーニングシステムの開発や看護技術のビデオ学習のための多様なコンテンツの開発を行い、その効果を検証している。他領域との共同では、卒業前に技術トレーニングを実施し、その効果を検討している。
3.感染対策の効果の検討
研究フィールドは学内にとどまらず、東邦大学医療センター関連病院などと連携しながら、臨床での研究も行なっている。病院の感染対策委員会との共同で教育の在り方、看護援助における感染対策、手指衛生のコンプライアンス向上に関する研究を行なっている。また感染看護領域における倫理に関する研究も行なっている。
4.人材育成に向けた研究
東邦大学医療センター大森病院や日本医科大学と共同して、人材育成の観点から継続教育の在り方を検討し、コーチング研修が個人のコミュニケーション能力をいかに高めるかについて検討している。
5.リスクマネジメントの効果の検討
学生の危険予知訓練の開発やその効果の検討を眼球運動の分析を踏まえて行っている。また臨床研究では東邦大学医療センターなどと連携しながら、安全対策の効果の検討を実施したり、与薬事故を未然に防ぐ簡易版FMEAの開発検討も行なっている。
■ Keywords
フィジカルアセスメント,寝返り動作,アセスメントツール,実践能力,教育方法,教育評価,感染防止策,感染防止教育,リスクマネジメント,人的資源管理
■ 当該年度の研究費受入状況
1.  20年度日本学術振興会(基盤C)
 研究課題:マネージメントシステムを導入した包括健診・保健指導体制の確立  (研究分担者:野崎真奈美)
 研究補助金:100000円  (分担)
2.  平成20年度日本学術振興会(基盤研究C)  (研究課題番号:18592336)
 研究課題:薬物事故を予測する簡便なリスク・アセスメント手法の開発  (研究代表者:中原るり子)
 研究補助金:1400000円  (代表)
3.  平成20年度日本学術振興会(挑戦的萌芽研究)  (研究課題番号:20659332)
 研究課題:危険予知トレーニングが新卒看護師の確認行動に与える影響の検証  (連携研究者:中原るり子)
 研究補助金:700000円  (連携)
4.  平成20年度日本学術振興会(基盤研究C)
 研究課題:臨床におけるプラシーボ使用の現状と社会的合意形成  (研究分担者:田中美穂)
 研究補助金:250000円  (分担)
■ 教授・准教授・講師の学会・研究会の役員
1.  遠藤英子 :日本環境感染学会・評議委員, 東邦看護研究会・幹事
2.  中原るり子 :東邦看護研究会・庶務
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















遠藤 英子   教授
保健学博士
 1             1
 4
 
 
 
 
竹内 千惠子   教授
保健学博士
            1  1
 1
 
 
 
 
野崎 真奈美   教授
博士(人間科学)
  3         3 1  1
 5
(1)
 
 
 
 
中原 るり子   准教授
博士(ヒューマンケア科学)
 1          4   3
(1)
 5
 
 
 
 
鈴木 美穂   助教
看護学修士
 1          1   1
(1)
 
 
 
 
 
安岡 砂織   助教
看護学修士
              2
 5
 
 
 
 
菊地 由美   助教
看護学修士
              
 1
 
 
 
 
広田 幸子   助教
              
 
 
 
 
 
 3 0  0 0  8  9
(2)
 0
(0)
 0
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














遠藤 英子   教授
保健学博士
 1        1
 
 
竹内 千惠子   教授
保健学博士
         1
 
 
野崎 真奈美   教授
博士(人間科学)
       3  1
 
 
中原 るり子   准教授
博士(ヒューマンケア科学)
 1      4  3
(1)
 
 
鈴木 美穂   助教
看護学修士
 1      1  1
(1)
 
 
安岡 砂織   助教
看護学修士
         2
 
 
菊地 由美   助教
看護学修士
         
 
 
広田 幸子   助教
         
 
 
 3 0  0 0  8  9
(2)
 0
(0)
 0
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. 田中美穂, 小松 明:  ある中規模総合病院におけるプラシーボ使用の現状と看護師.  生命倫理  18 (1) :149-157 , 2008
2. 田中美穂:  入院・治療中の超高齢者が求める看護-体験世界の記述と解釈-.  日本看護研究学会雑誌  31 (2) :37-46 , 2008
総説及び解説
1. 中原るり子:  エラー管理訓練の動向と課題.  医療の質・安全学会誌  3 (1) :23-28 , 2008
2. 遠藤英子:  SSI防止のための看護師の役割.  東邦医学会雑誌  55 (5) :395-397 , 2008
3. 山内桂子・中原るり子・村上紀美子:  チームワークトレーニング-疑問があるときにどう伝えるか-.  医療安全  6 (1) :82-85 , 2009
症例報告
1. 水戸優子, 小山眞理子, 片平伸子, 山口由子, 川守田千秋, 植村由美子, 朝倉美奈, 野崎真奈美, 鶴田惠子, 手島恵:  看護基礎教育卒業時の看護技術の到達目標に関する教育者と看護実践者の意見の相違の分析―デルファイ第1回調査の結果から.  神奈川県立保健福祉大学誌  5 (1) :117-125 , 2008
2. 角田牧子, 野崎真奈美:  高齢患者における足浴・マッサージによる浮腫軽減の効果について.  日本看護人間工学研究会誌  9 :43-48 , 2009
その他
1. 野崎真奈美:  看護のコトバー第7回罨法.  クリニカルスタディ  29 (11) :74-75 , 2008
2. 野崎真奈美:  看護のコトバー第1回臥位.  クリニカルスタディ  29 (4) :74-75 , 2008
3. 田中美穂:  看護のコトバ-第2回 噯気.  クリニカルスタディ  29 (5) :74-75 , 2008
4. 野崎真奈美:  看護のコトバー第4回解熱.  クリニカルスタディ  29 (8) :74-75 , 2008
5. 野崎真奈美:  看護のコトバー第10回清拭.  クリニカルスタディ  30 (1) :74-75 , 2009
6. 中原るり子:  e-ラーニングは医療安全に有効か.  医療安全  5 (2) :80-84 , 2008
7. 中原るり子, 竹内千恵子:  基礎と臨床をつなぐ医療安全教育-看護基礎教育カリキュラム改正をにらんで.  医療安全  5 (3) :7-15 , 2008
8. 中原るり子:  どう育むいのちを守るコミュニケーション.  医療安全  5 (4) :80-85 , 2008
9. 中原るり子:  チームワークトレーニング-疑問があるときにどう伝えるか-.  医療安全  6 (1) :82-85 , 2009
10. 山内桂子・中原るり子・村上紀美子:  チームワークトレーニング-疑問があるときにどう伝えるか-.  医療安全  6 (1) :82-85 , 2009
11. Xiao Xue Ma, Teruyo Ito. Yoko Kondo, Moe Cho Yukio Yoshizawa, Jun Kaneko, Atsuo Katai , Masato Higashiide, Shanshuang Li and Keiichi Hiramatsu:  Two Different Panton-Valentine Leukocidin Phage Lineages Predominate in Japan.  Journal of Clinical Microbiology Diagnostic Microbiology and  Infection Disease  46 (10) :p3246-3258 , 2008
12. 田中美穂:  看護のコトバ-第8回 愁訴.  クリニカルスタディ  29 (12) :74-75 , 2008
13. 田中美穂:  看護のコトバ-第5回 嗄声.  クリニカルスタディ  29 (9) :74-75 , 2008
14. 田中美穂:  看護のコトバ-第11回 眩暈.  クリニカルスタディ  30 (2) :74-75 , 2009
■ 学会発表
国内学会
1. ◎野呂影勇, 山田俊治, 佐々木孝之, 賀来大輔, 野崎真奈美: 仰臥の体圧分布の領域化分析.  第17回日本人間工学システム大会,  平塚,  2009/03
2. ◎安岡砂織, 山田美穂, 野澤裕美, 他3名, 遠藤英子: 閉鎖式透析用カテーテル管理に関する感染予防について
―看護師と臨床工学技士に焦点をあててー.  第24回環境感染学会,  横浜、 日本,  2009/02
3. ◎荒木弥生, 橋谷順子, 安岡砂織, 遠藤英子: NICUにおけるMRSA陽性の超低出生体重児(ELBW)と看護業務量との関連.  第24回環境感染学会,  横浜、日本,  2009/02
4. ◎廣川恵美, 安岡砂織, 遠藤英子: 術後創部感染におけるシャワー浴の効果と細菌学的検討.  第24回環境感染学会,  横浜、日本,  2009/02
5. 荒木弥生, 安岡砂織, 遠藤英子: NICUにおけるMRSA陽性の超低出生体重児(ELBW)と看護業務量との関連.  環境感染学会,  横浜,  2009/02
6. 安岡砂織, 遠藤英子: 閉鎖式透析用カテーテル管理に関する感染予防についての検討‐看護師と臨床工学技士に焦点をあてて‐.  日本環境感染学会,  横浜,  2009/02
7. 廣川恵美, 安岡砂織, 遠藤英子: 術後創部管理におけるシャワー浴の効果と細菌学的検索.  日本環境感染学会,  横浜,  2009/02
8. ◎ 尾崎章子, 安武綾, 中原るり子, 中尾八重子,木全真理, 上野桂子, 川村佐和子: 児童・生徒を対象とした在宅療養に関する学習教材の開発と評価(第1報)―学習教材の開発過程―.  第28回日本看護科学学会学術集会,  福岡,  2008/12
9. ◎水戸優子, 間瀬由記, 小山眞理子, 野崎真奈美, 屋宜譜美子, 牧野美幸, 大石朋子, 蜂ヶ埼令子, 三浦由紀子: DVD、状況設定、模擬患者を併用した看護技術教育プログラムの評価:その2 想定外の状況による学び.  第28回日本看護科学学会学術集会,  福岡,  2008/12
10. ◎大石朋子, 小山眞理子, 間瀬由記, 水戸優子, 野崎真奈美, 屋宜譜美, 牧野美幸, 蜂ヶ崎令子, 三浦由紀子: DVD、状況設定、模擬患者を併用した看護技術教育プログラムの評価:その1 学生の評価.  第28回日本看護科学学会学術集会,  福岡,  2008/12
11. ◎田中美穂, 小松 明: 看護師の自律とジレンマ -プラシーボ治療に関する看護師の意識-.  日本生命倫理学会,  福岡県,  2008/11
12. ◎中原るり子: いのちを守るコミュニケーション -医療チームが最大の力を発揮するために-.  第3回 医療の質・安全学会,  東京,  2008/11
13. ◎伊東未代・小堂弘子・兼子あゆみ・中原るり子・竹内千恵子: 新卒看護師の内服与薬忘れ防止キャンペーンの効果.  第3回医療の質・安全学会,  東京,  2008/11
14. ◎座波なぎさ・木村友美・割石由佳・根上牧子・恒松亜紀・中原るり子: 循環器病棟における誤薬を予防する与薬手順の検討
-FMEAを用いて.  第3回医療の質・安全学会,  東京,  2008/11
15. ◎山内桂子,庄子由美,高山詩穂,二瓶洋子,福田紀子,河野龍太郎,稲葉一人,中原るり子: 患者・家族と医療者の視点から医療事故後の適切な対応を考える(1)
―患者・家族と医療者の認識のずれの要因を探る方法の検討―.  第3回医療の質・安全学会,  東京,  2008/11
16. ◎杉山優果・中原るり子: 新卒看護師のインシデントの経験-グループインタビュー法を用いて-.  第3回医療の質・安全学会,  東京,  2008/11
17. ◎中原るり子, 山内桂子, 佐々木久美子, 田口智恵美, 杉本こずえ, 河合桃代: 患者・家族と医療者の視点から医療事故後の適切な対応を考える(2)
―消毒薬誤注入事故事例の分析―.  第3回医療の質・安全学会,  東京,  2008/11
18. ◎田中美穂,小松 明: プラシーボ治療に関する 看護師の意識.  日本生命倫理学会 第20回年次大会,  福岡,  2008/11
19. ◎金井信一郎、高山陽子、 荘司貴代、 近藤陽子、 菊池賢、 堀賢、 久田研、 平松啓一: 新生児室におけるMRSAのAerosol伝播の調査.  日本感染症学会,  島根県,  2008/09
20. ◎屋宜譜美子, 野崎真奈美, 小山眞理子, 水戸優子, 間瀬由記, 大石朋子, 牧野美幸, 三浦由紀子, 蜂ヶ崎令子: 看護技術教育における模擬患者活用の長所と課題.  第18回日本看護学教育学会学術集会,  つくば,  2008/08
21. ◎牧野美幸, 小山眞理子, 野崎真奈美, 屋宜譜美子, 蜂ヶ崎令子, 間瀬由記, 水戸優子, 大石朋子, 三浦由紀子: 3年課程の養成所・短期大学6校における学内での看護技術教育の取り組みと課題.  第18回日本看護学教育学会学術集会,  つくば,  2008/08
22. ◎野崎真奈美, 屋宜譜美子, 小山眞理子, 水戸優子, 大石朋子, 牧野美幸, 三浦由紀子, 蜂ヶ崎令子: 患者状況のイメージ化を図るビデオ教材の作成と評価.  第18回日本看護学教育学会学術集会,  つくば,  2008/08
23. ◎竹内千恵子, 中原るり子, 菊地由美, 小野眞史: コーチング演習が看護系大学院生のコミュニケーションに及ぼす影響-ソーシャルスキルと自己効力感の変化に焦点を当てて-.  第12回日本看護管理学会,  東京,  2008/08
24. ◎中原るり子: エラー管理訓練の研究の動向と課題.  第12回日本看護管理学会,  東京,  2008/08
25. 中川仁美, 安岡砂織, 遠藤英子: クリティカル領域における手洗い行動の決定要因分析
―一般性セルフ・エフェカシー尺度(GSES)を使用してー.  日本環境感染学会,  横浜,  2009/02
  :Corresponding Author
  :本学研究者