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 医学部 医学科 皮膚科学講座(佐倉)
 Department of Dermatology (Sakura)

教 授:
  樋口 哲也
助 教:
  木村 雅明
助 教:
  三津山信治
助 教:
  安部 文人
■ 概要
2018年度当初の当教室の常勤医師は教授1名、助教3名、レジデント4名で計8名でのスタートとなった。7月にレジデント1名が産休となり、1名減となったが診療体制は同様に継続した。佐倉病院皮膚科ではアトピー性皮膚炎や薬疹などのアレルギー性皮膚疾患、乾癬・水疱症・膠原病・血管炎などの自己免疫性皮膚疾患、皮膚腫瘍の早期診断と皮膚外科などを重点的に取り組んできた。特に乾癬については研究成果を臨床的治療に応用することによって、地域医療における拠点病院となっている。新たな診療機器として高周波数プローブを搭載した皮膚エコーを導入し、皮膚疾患の診断と治療の質が向上してきた。大学病院の皮膚科として診療・教育ができる体制にあり、研究に関しては教授と三津山助教を中心に研究活動を行っている。現在の研究課題として、乾癬とメタボリック症候群との関連、薬剤アレルギー患者の実験室内診断法、膠原病皮膚病変の発症機序の解析、プロテオミクス解析による食物アレルギーのアレルゲン解析などを行っている。今後も高いレベルの診療を目指しつつ、教育・研究も進めていきたい。
1.アレルギー性皮膚疾患の診断・治療2012年10月から日本アレルギー学会認定教育施設の認定を取得した。薬疹、接触皮膚炎、金属アレルギーなどの検査として、パッチテスト、各種プリックテストを実施しているほか、症例に応じて入院でのアレルゲン負荷テストを行い、アレルゲンの特定に努めている。小麦アレルギーなどの食物アレルギー、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーの検査等も行っている。難治性のアトピー性皮膚炎に対する入院療法や全身照射紫外線装置を用いた全身ナローバンド-UVB療法も導入している。
2. 皮膚腫瘍の早期診断と皮膚外科皮膚腫瘍の早期診断・治療を目的として、ダーモスコープを用いた診断を系統的に行い、早期病変に対しては切除治療だけでなく外用治療など他の治療法も選択できるようにしている。手術が必要な患者には、切除術や植皮術、および皮弁形成も組み合わせて行っている。
3.膠原病・水疱症などの自己免疫疾患に対する診断・治療膠原病や血管炎の皮膚症状について、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、強皮症などの膠原病皮膚病変の診断・治療積極的に行っている。重症天疱瘡・水疱性類天疱瘡に対しての入院治療、免疫グロブリン点滴療法も行っている。最重症例に対しては血漿交換療法も行えるようになった。
4. 乾癬の治療と研究日本皮膚科学会の生物学的製剤承認施設であり、軽症から重症度の高い症例まで、外用療法、紫外線療法、内服療法、生物学的製剤などを組み合わせた集学的に治療を行っている。乾癬とメタボリック症候群との関与について臨床研究を行い、院内他科とも連携した治療を行っている。2016年度に新規に導入したターゲット型エキシマ光線療法装置により、乾癬のみならず多くの難治性皮膚疾患の治療に対応できるようになった。
5.帯状疱疹・蜂窩織炎などの皮膚感染症の入院治療早期治療を目的として、帯状疱疹や丹毒・蜂窩織炎などの皮膚細菌感染症の重症例に対して入院加療を行っている。
6. 皮膚エコーを用いた皮膚疾患の診断治療2018年度から新たな高周波数プローブを搭載した皮膚エコーを導入し、皮膚腫瘍や関節病変など、視診での診断と同時にエコー検査が出来るようになり、診断の質が向上するとともに患者満足度の高い診療が出来るようになった。
■ Keywords
皮膚アレルギー, アトピー性皮膚炎, 乾癬, 薬疹, 膠原病, 血管炎, 水疱症, ダーモスコープ, 皮膚エコー, 皮膚外科, 皮膚潰瘍, ヘルペス感染症, 細菌性皮膚感染症
■ 教授・准教授・講師の公的役職
1.  樋口哲也 :日本研究皮膚科学会 評議員
2.  樋口哲也 :千葉県皮膚科医会 幹事
3.  樋口哲也 :千葉県生物学的製剤乾癬治療研究会 世話人
4.  樋口哲也 :千葉県アレルギー疾患医療連絡協議会委員
■ 当該年度の主催学会・研究会
1.  皮膚科超音波セミナー  (座長:樋口哲也 : GEヘルスケア・ジャパン株式会社 )  ,佐倉  2018/06
2.  佐倉ざそう勉強会  (座長:樋口哲也 : マルホ株式会社 )  ,佐倉  2018/06
3.  乾癬バイオ治療を考える会  (座長:樋口哲也 : 鳥居薬品株式会社, 日本イーライリリー株式会社 )  ,柏  2018/09
4.  第14回千葉生物学的製剤乾癬治療研究会  (座長:樋口哲也 : 千葉生物学的製剤乾癬治療研究会, 協和発酵キリン株式会社 )  ,千葉  2018/10
5.  第82回日本皮膚科学会 東京支部学術大会  (座長:樋口哲也  )  ,東京  2018/12
6.  佐倉スキンケア勉強会  (座長:樋口哲也 : マルホ株式会社 )  ,佐倉  2019/01
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















樋口 哲也   教授
  3    2        2
(2)
 5
 
 
 9
(5)
 3
安部 文人   助教
  1            1
 3
 
 
 1
(1)
 1
木村 雅明   助教
  1            
 4
 
 
 
 1
三津山 信治   助教
 2             1
 4
 
 
 2
(1)
 1
 2 0  2 0  0  4
(2)
 0
(0)
 12
(7)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














樋口 哲也   教授
    2     2
(2)
 
 9
(5)
安部 文人   助教
         1
 
 1
(1)
木村 雅明   助教
         
 
 
三津山 信治   助教
 2        1
 
 2
(1)
 2 0  2 0  0  4
(2)
 0
(0)
 12
(7)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. 三津山信治, 樋口哲也:  当院の乾癬患者におけるカルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル配合外用薬の使用状況について.  日本臨床皮膚科医会雑誌  35 (3) :482 -487 , 2018
2. 三津山信治, 安部文人, 木村雅明, 樋口哲也, 小野大輔, 山口哲央:  糖尿病に合併した巨大癰の2症例.  皮膚病診療  40 (7) :679 -682 , 2018
■ 著書
1. 樋口哲也:  IBD患者にみられる皮膚症状.  IBD Research  254-261.  株式会社先端医学社,  東京, 2018
2. 樋口哲也:  内分泌・代謝疾患と皮膚症状 糖尿病⑩-インスリンボール.  皮膚症状110症例でみる内科疾患  108-109.  日本医事新報社,  東京, 2018
■ 学会発表
国内学会
1. ◎長尾映里, 豊田智宏, 安部文人, 三津山信治, 木村雅明, 樋口哲也: 外陰部に生じた有茎性バルトリン腺囊胞の1例.  日本皮膚科学会第882回東京地方会,  東京,  2019/01
2. ◎樋口哲也: エキシマライト導入による皮膚診療の拡大.  第82回日本皮膚科学会東京支部学術大会,  東京,  2018/12
3. ◎豊田智宏, 長尾映里, 布井春佳, 安部文人, 三津山信治, 木村雅明, 樋口哲也: フルニエ壊疽の2例.  第69回日本皮膚科学会中部支部学術大会,  大阪,  2018/10
4. ◎安部文人, 三津山信治, 木村雅明, 樋口哲也: 2種類の生物学的製剤によりアトピー性皮膚炎様皮疹が誘発された乾癬性関節炎の1例.  第33回日本乾癬学会学術大会,  松山,  2018/09
5. ◎樋口哲也: 消化器疾患のデルマドローム.  第117回日本皮膚科学会総会,  広島,  2018/06
6. ◎三津山信治, 樋口哲也: 陰茎に生じた脂腺癌の1例.  第117回日本皮膚科学会総会,  広島,  2018/06
7. ◎豊田智宏, 長尾映里, 布井春佳, 安部文人, 三津山信治, 木村雅明, 樋口哲也: トニックウォーターによる固定疹の1例.  第117回日本皮膚科学会総会,  広島,  2018/06
その他
1. ◎樋口哲也: 乾癬の病態と治療について.  医療スタッフ対象 乾癬治療Web,  東京,  2018/12
2. ◎樋口哲也: 日常診療で乾癬はどのように治療すべきか.  乾癬web講演会in千葉,  東京,  2018/12
3. ◎樋口哲也: 乾癬の病態と治療について.  乾癬治療Up to Date,  佐倉,  2018/11
4. ◎樋口哲也: 乾癬概要治療における配合剤のポジショニング.  ドボベットゲル発売記念講演会,  柏市,  2018/11
5. ◎豊田智宏, 樋口哲也: 経過中にフルニエ壊疽を発症しブロダルマブを継続投与した尋常性乾癬の使用経験.  第14回千葉生物学的製剤乾癬治療研究会,  千葉,  2018/10
6. ◎三津山信治: 重度の尋常性乾癬に対してIL-17A阻害薬開始後、乾癬の改善と共に代謝マーカーの変動がみられた1例.  乾癬バイオ治療を考える会,  柏,  2018/09
7. ◎安部文人: 夏休みに気をつける虫・動物・海洋生物による皮膚炎.  東邦大学医療センター佐倉病院 2018年 公開講座,  佐倉,  2018/07
8. ◎三津山信治: 紫外線と皮膚の病気.  東邦大学医療センター佐倉病院 2018年 公開講座,  佐倉,  2018/07
9. ◎樋口哲也: 夏のしっしん・じんましん・みずむし対策.  東邦大学医療センター佐倉病院 2018年 公開講座,  佐倉,  2018/07
10. ◎樋口哲也: 内臓新患のデルマドローム.  第190回 練馬区医師会学術部 消化器懇話会,  東京,  2018/07
11. ◎豊田智宏, 樋口哲也: フルニエ壊疽の2例.  第60回 湯島皮膚科談話会,  東京,  2018/06
12. ◎樋口哲也: 皮膚疾患の最新治療.  第8回 東邦佐倉会,  佐倉市,  2018/05
13. ◎樋口哲也: 患者の背景に合わせた乾癬治療.  御茶ノ水乾癬勉強会,  東京都,  2018/05
14. ◎樋口哲也: 皮膚科臨床から研究も.  Allergy Symposium in Fukushima,  福島市,  2018/04
15. ◎豊田智宏, 長尾映里, 布井春佳, 安部文人, 三津山信治, 木村雅明, 樋口哲也: トニックフォーターによる固定疹の1例.  千葉県皮膚科医会・日本臨床皮膚科医会千葉県支部 学術講演会,  千葉,  2018/04
  :Corresponding Author
  :本学研究者