2008年度
 医学部 医学科 整形外科学講座(佐倉)
 Department of Orthopedic Surgery (Sakura)
■ 概要
アキレス腱皮下断裂に対する保存的装具療法
われわれは過去26年間新鮮例全例に保存的装具療法を採択している 。受診時のCR所見は受傷当日例では断裂部の細小化が認められ,受傷後2〜3日例では既に凝血等の外傷性変化の関与が認められた。治療方法は自然下垂位よりやや底屈を強めた姿位で裂隙の消失を確認して,装具の採型を行った。その後ギプスシャーレを1週間装用し,この間に底屈運動を指示し,入浴は許可した。装具は下腿前面と足背部に分けて軟性ポリプロピレン樹脂で作成し,足関節部で足継ぎ手付き装具として作成した。足関節底屈20゜とし背屈を制限し,足部にはゴム帯を用いて底屈は可能とした。ダイヤルロックの一目盛りは約7゜となり,経過中の角度調整を可能にしている。歩行時には踵部に取り外し可能な楔状パッドを靴内に設置した。受傷後1週から底屈自動運動と部分荷重を開始させた。受傷後2〜3週では修復部位の前後径が増し,底屈位での腱増大率も安定化傾向を示しCR所見からも陥凹の消失が確認できる。Thompson testの陰性化は受傷後平均2.7週で認められ,陥凹の消失は平均3週で,断裂腱背側部の連続性を確認して背屈自動運動を開始した。受傷後6週で腱断裂部の陰影はほぼ均一となり,背屈は平均-11゜まで可能となった。受傷後6.5週で装具の角度及びパット調整を行い,足底装具もパッドを1枚除去し,この時点で装具を夜間除去としている。受傷後平均10.5週で機能撮影時の収縮性が正常範囲となることを確認して装具を除去した。
■ Keywords
アキレス腱, 骨折の治療,人工関節
■ 教授・准教授・講師の公的役職
1.  古府照男 :Pan-Pacific Surgical Association Japan Chapter 評議員 日本整形外科スポーツ医学会 評議員 日本足の外科学会 幹事 東日本整形災害外科学会 評議員98-6 日本整形外科学会 代議員平成21.4-23.3
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















古府 照男   教授
医学博士
              
 1
 
 
 
 
上野 悟   助教
              
 1
 
 
 
 
小田部 荘一郎   助教
              
 1
 
 
 
 
柴田 孝史   助教
              
 1
 
 
 
 
藤野 真歩   助教
              1
 
 
 
 
 
上山裕史
              
 1
 
 
 
 
 0 0  0 0  0  1
(0)
 0
(0)
 0
(0)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














古府 照男   教授
医学博士
         
 
 
上野 悟   助教
         
 
 
小田部 荘一郎   助教
         
 
 
柴田 孝史   助教
         
 
 
藤野 真歩   助教
         1
 
 
上山裕史
         
 
 
 0 0  0 0  0  1
(0)
 0
(0)
 0
(0)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. Ogasawara A, Nakajima A, Nakajima F, Goto K, Yamazaki M:  Molecular basis for affected cartilage formation and bone union in fracture healing of the streptozotocin-induced diabetic rat.  Bone  43 :832-839 , 2008
■ 学会発表
国内学会
1. ◎中島新: 関節リウマチにおける骨破壊のメカニズム~破骨細胞と免疫系のクロストーク~.  田辺三菱製薬 社内研修会,  千葉,  2009/03
2. ◎国府田正雄, 村上正純, 六角智之, 渡辺仁司, 中島 新, 山田俊之: ガンマネイル抜去後に大腿骨頸部内側骨折をきたした1例.  関東整形災害外科学会,  東京,  2009/03
3. ◎中島新, 渡辺仁司: Elmslie-Trillat法が有効であったTKA後膝蓋骨脱臼の一例.  第39回日本人工関節学会,  東京,  2009/02
4. ◎藤野真歩,上野悟,小田部荘一郎,柴田孝史,上山裕史,古府照男: 人工骨頭再置換術後に生じた大腿骨骨幹部骨折の2例.  644回整形外科集談会東京地方会,  東京,  2008/06
5. ◎寺島史明, 筒井俊行, 井上泰裕, 園部正人, 鳥畑ひでこ, 井形 聡, 宮崎芳安, 徳永祥一郎, 土谷一晃, 勝呂 徹: 大腿骨頚部骨折術後歩行能の獲得時期.  第34回日本骨折治療学会,  福岡,  2008/06
6. ◎和田明人, 梅田嘉明, 青木秀之, 高橋 寛, 香取 勧, 飯田泰明, 柴田孝史, 原 学, 勝呂 徹,: 腰椎変性疾患に対する低侵襲TLIFの手術成績.  第81回日本整形外科学会学術集会,  札幌,  2008/05
7. ◎櫻井達郎, 中村秀紀, 長谷川和寿, 渡邉行彦, 田辺文理, 吉野 孝, 上野 悟, 奥秋 保, 園部正人, 勝呂 徹: 大腿骨頭壊死症に対する骨頭温存手術の検討-術式間の比較-.  第81回日本整形外科学会学術集会,  札幌,  2008/05
8. ◎中島 新: 人工膝関節置換に至った特発性膝関節骨壊死の病理学的検討.  第52回日本リウマチ学会,  札幌,  2008/04
国際学会
1. ◎Nakajima A, Yamazaki M: Orthopaedic Session: Asian Perspective, ‘Fracture Healing Research’.  International Osteoporosis Foundation (IOF) World Congress on Osteoporosis,  Bangkok, Thailand,  2008/12
  :Corresponding Author
  :本学研究者