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 医学部 医学科 化学研究室
 Department of Chemistry

教授:
  中村 幹夫
准教授:
  加藤 尚之 
  大胡 惠樹
  
講師:
  池崎 章
■ 概要
1. ポルフィリン金属錯体を用いたヘム蛋白質の機能解明
ヘム蛋白質の作用機構を明らかにするため、種々のヘムモデル錯体を合成し、NMR. EPR, Mössbauer, SQUID, X線結晶構造解析などの手法を駆使して研究を進めている. 
i) ポルフィリン鉄錯体の電子状態に関する研究(本学理学部化学科高橋 正教授との共同研究):軸配位子の配位子場、ポルフィリン環の非平面化、環周辺置換基の電子的効果、溶媒との水素結合などを利用し、新規な電子状態を示すヘムモデル錯体の合成を試みている。昨年度報告したdxy軌道にスピンを持つ新規な中間スピン錯体について、「鉄の電子配置と錯体の物性」との関係を明らかにするための研究を進ている。
ii) クロリン鉄錯体の電子状態に関する研究 (フランス、レンヌ大学、Simonneaux 博士との共同研究):クロリン鉄錯体はグリーンヘムとよばれる一群の蛋白質の活性中心に存在し、自然界における多様な反応に深く関わっているが、その作用機構については不明な点が多い. そこでクロリン錯体合成研究の先駆者の一人であるSimonneaux博士 (フランス、CNRS)らと共同して、クロリン鉄錯体の電子状態を明らかにするための研究を進めている. 
iii) ポルフィリン異性体の電子状態に関する研究(千葉大学薬学部根矢教授との共同研究):環状テトラピロールに
は自然界に存在するポルフィリンの他に、ポルフィセンなど自然界には存在しない異性体がある. 環構造の変化が錯体の電子状態や反応性にどのような影響を与えるかを明らかにするため、根矢教授(千葉大学)と共同で研究を進めている.
iv)ヘム蛋白質の活性中心に関する研究(千葉大学、根矢三郎教授グループとの共同研究):ポルフィリンmeso-炭素を13C(98%)で標識したヘムで再構成したヘムタンパク質を合成し,meso-炭素の化学シフトや緩和時間から活性部位における鉄-タンパク質間の相互作用を詳細に検討している。現在,ミオグロビンのデオキシ体、オキシ体、アジド付加体などの測定に成功している。今後この手法をヘモグロビンやヘムオキシゲナーゼに適用し,これらのヘム蛋白質の作用機構を詳細に検討する予定である。
v)シトクロームc’モデル錯体の合成と性質(本学理学部化学科高橋 正教授との共同研究):シトクロームc’はヒスチジンを軸配位子として持つ5配位錯体であり、鉄(III)のスピン状態がpH、温度、水素結合などにより容易に変化する興味深い蛋白質であるが、そのモデルとなる軸位にイミダゾールを持つ5-配位ポルフィリン鉄錯体の単離は極めて困難であった。今回、サドル型に変形したポルフィリン鉄錯体を用いることにより、いくつかのモノイミダゾール錯体の合成に成功した。NMR. EPR, Mössbauer, X線結晶構造解析の結果、この錯体のスピン状態は温度変化に伴い中間スピン(S=3/2)から高スピンおよび低スピンに変化する極めて特異な性質を持つことが明らかになった。現在、構造とスピン状態の関連性を本学理学部化学科高橋正教授らと共同で詳細に検討している。
vi) ポルフィリン鉄(III)ラジカルカチオンの合成と性質(ノルウエー、トロムソ大学、A. Ghosh教授らとの共同研究):ポルフィリンラジカルカチオンはシトクロームP450,カタラーゼ、ペルオキシダーゼなどの酸化酵素における活性中間体と関わる重要な分子種である。ポルフィリン環上のラジカルは中心の鉄イオンと相互作用し、様々な電子状態を示す錯体を形成する。軸配位子の性質を利用することにより、常磁性(S=1)と反磁性(S=0)を示す二種類のラジカルカチオンの合成に初めて成功した。反磁性錯体については、ヘム理論研究の第一人者であるGhosh教授(ノルウエー)らと共同で、詳細に電子状態の検討を行っている。
2. 新規機能性材料を目指したポルフィリン金属錯体の合成と物性:
本研究グループは、サドル型に変形したポルフィリン鉄(III)錯体の中にスピン状態が温度で変化するものが存在することを初めて見いだした. このようなスピンクロスオーバー錯体では分子構造, 磁性, 色、誘電率などが温度変化するため, 新しい多機能有機材料となり得る. 平成17年度に立ち上がった東邦大学ハイテクリサーチセンター(複合物性研究センター)の研究テーマの一つとして、スピンクロスオーバー現象を示すポルフィリン鉄(III)錯体の合成と物性に関する研究を開始した.
3. 精密X線結晶構造解析を用いた生体ヘム蛋白質の機能発現のメカニズムに関する研究
世界最大の大型放射光施設である高輝度光科学研究センター(SPring-8)の装置を用い、ヘム蛋白質の機能発現メカニズムを明らかにする研究を行っている. 特にヘム蛋白質の機能を調節しているポルフィリン-鉄のpπ-dπ相互作用を、実験的電子密度分布解析により直接“見る”ことを目的とし理研、橋爪博士と共同で研究を進めている。
4. ポルフィリン金属錯体を用いた「スピン制御触媒」の構築:
酸化触媒として広く用いられているポルフィリン-マンガンおよび鉄錯体を合成し、その酸化触媒能がマンガンや鉄の電子配置により異なることを示すための研究を行っている. もしこのような錯体が合成されれば、「スピン制御触媒」という、これまでには無い新たな研究分野に発展し得る.
5. パルサー法による温泉水中のレジオネラ属菌の検出に対する検討
温泉に生息するLegionella の研究を微生物・感染症学教室と共同で行っている。温泉水中のレジオネラ属菌の検出では,一般にWYOα寒天平板を用いた培養法が用いられている.しかし,この方法は,確実に生きていて増殖能を持っているレジオネラ属菌は検出できるが,培地に他の共存する細菌の生育を抑制する成分を添加するため,自身もその成分により多少ダメージを受け,実際の菌数よりも検出菌数は減少する.また検出には8〜10日を要するために現状を把握するのには必ずしも適していない.そこでこれまでの遺伝学的な方法と異なり,生菌のみが短時間で検出できるパルサー法(PALSAR: probe alternation link self-assembly reaction)に着目し,様々な泉質を有する温泉水中に生息するレジオネラ属菌の検出に応用できるかどうか明らかにするために,温泉水を用いて基礎的実験を行い,パルサー法,Realtime-PCR法,培養法およびATP法によるレジオネラ属菌の検出結果について比較検討を行い,パルサー法の有効性について評価を行なっている.
6. 温泉水中のLegionella Pneumophilaの生存条件に関する基礎的研究
温泉に生息するLegionella の研究を微生物・感染症学教室と共同で行っている。これまでに温泉の泉温およびpH とL.pneumophila のVNC 移行性への関係,温泉への環境中からの汚染経路の解明として,特に温泉周辺土壌におけるL.pneumophila との関係,さらに,循環式温泉を導入している施設での新たな殺菌剤として銀に着目し,温泉水中に生息するL. pneumophila とその宿主であるAcanthamoeba に対する銀殺菌の効果について明らかにするために研究を行ってきた。本年度は,引き続き銀殺菌について検討を行うとともに,新たな殺菌剤として銅に着目し,L. pneumophila とその宿主であるAcanthamoeba に対する銅殺菌の効果についても実験室的に検討を行っている。
■ Keywords
ポルフィリン, ヘム, 電子状態, スピン状態, 高原子価鉄錯体, 精密X線結晶構造解析, NMR, EPR, Mossbauer, レジオネラ属菌, 温泉, 殺菌作用, アメーバ
■ 当該年度の研究費受入状況
1.  文部科学省科学研究費  (研究課題番号:22550157)
 研究課題:電子配置制御による高原子価鉄ポルフィリン錯体の反応性の調整  (研究代表者:中村幹夫)
 研究補助金:2400000円  (代表)
2.  文部科学省科学研究費 挑戦的萌芽研究  (研究課題番号:21651015)
 研究課題:パルサー法による温泉水中のレジオネラ属菌の検出に対する検討  (研究代表者:加藤尚之)
 研究補助金:1200000円  (代表)
3.  科学研究費 基盤研究(C)  (研究課題番号:20550068)
 研究課題:生体内のナノサ イズスイッチの先端計測手 法による機構解明  (研究代表者:大胡惠樹)
 研究補助金:1300000円  (代表)
4.  文部科学省科学研究費 若手研究(B)  (研究課題番号:21750175)
 研究課題:特異な軌道間相互作用を利用したスピン制御触媒の構築  (研究代表者:池崎 章)
 研究補助金:700000円  (代表)
5.  文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 ハイテクリサーチセンター補助金
 研究課題:分子レベルでの酵素反応機構解明による新規治療技術の創製  (研究代表者:大胡惠樹)
 研究補助金:1900000円  (代表)
その他
1.  平成22年度東邦大学医学部プロジェクト研究  (研究課題番号:22-7)
 研究課題:ヘムタンパク質の新規活性中間体を解明するモデル研究  (研究代表者:池崎 章)
 研究補助金:500000円  (代表)
■ 教授・准教授・講師の公的役職
1.  加藤尚之 :財団法人 中央温泉研究所 評議員
2.  大胡惠樹 :SPring-8利用推進協議会 有機粉末結晶構造研究会アドバイザー、J-PARC MLF中性子実験課題審査委員、SPring-8利用研究課題審査委員
■ 教授・准教授・講師の学会・研究会の役員
1.  中村幹夫 :International Advisary Board, International Conference on Coordination and Bioinorganic Chemistry
2.  中村幹夫 :International Advisary Committee, International Symposium on Applied Bioinorganic Chemistry
3.  中村幹夫 :Editorial Board, The Open Inorganic Chemistry Journal
4.  中村幹夫 :Editorial Board, Global Journal of Inorganic Chemistry
5.  中村幹夫 :Associate Editor, Open Journal of Inorganic Chemistry
6.  加藤尚之 :日本温泉科学会 評議員・将来委員会委員
7.  大胡惠樹 :日本結晶学会 広報委員
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















中村 幹夫   教授
理学博士
   1 6    1    1  
 10
 1
(1)
 12
 1
(1)
 9
大胡 惠樹   准教授
博士(理学)
    1     1     7
(5)
 2
 3
(2)
 4
(1)
 1
 
加藤 尚之   准教授
医学博士
 2             3
 
 1
 
 
 
池﨑 章   講師
博士(理学)
   1 5     1     3
 4
 6
 3
 3
 5
 2 2  0 1  0  13
(5)
 11
(3)
 5
(1)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














中村 幹夫   教授
理学博士
  1   1    
 1
(1)
 1
(1)
大胡 惠樹   准教授
博士(理学)
         7
(5)
 3
(2)
 1
加藤 尚之   准教授
医学博士
 2        3
 1
 
池﨑 章   講師
博士(理学)
  1       3
 6
 3
 2 2  0 1  0  13
(5)
 11
(3)
 5
(1)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. 加藤尚之, 大野章, 齋藤宏治, 山口惠三:  温泉施設に分布するLegionella pneumophilaの侵入経路の解明に関する研究.  温泉科学  60 (4) :434-444 , 2011
2. Neya S, Suzuki M, Hoshino T, Ode H, Imai K, Komatsu T, Ikezaki A, Nakamura M, Furutani Y, Kandori, H:  Molecular Insight into Intrinsic Heme Distortion in Ligand Binding in Hemoprotein.  Biochemistry  49 :5642-5650 , 2010
3. Ikezaki A, Nakamura M:  Formation and characterization of a six-coordinate iron(III) complex with the most ruffled porphyrin ring.  Dalton Transactions  40 :3455-3458 , 2011
4. Tozuka A, Ohgo Y, Ikezaki A, Taniguchi M, Nakamura M:  Electronic Structure of Highly Ruffled Low-Spin Iron(III) Porphyrinates with Electron Withdrawing Heptafluoropropyl Groups at the meso Positions.  Inorganic Chemistry  49 :10400-10408 , 2010
5. Ikeue T, Handa M, Chamberlin A C, Ghosh A, Ongayi O, Vicente M G H, Ikezaki A, Nakamura M:  Benzoannelation Stabilizes the dxy1 State of Low-Spin Iron(III) Porphyrinates.  Inorganic Chemistry  50 :3567-3581 , 2011
6. Kouno S, Ikezaki A, Ikeue T, Nakamura M:  Spin-spin interactions in iron(III) porphyrin radical cations with ruffled and saddled structure.  Journal of Inorganic Biochemistry  105 :718-721 , 2011
7. Chamberlin AC, Ikezaki A, Nakamura M, Ghosh A:  Iron Porphyrin Dications with Neutral Axial Ligands: DFT Calculations Delineate Similarities with Heme Protein Compound II Intermediates.  Journal of Physical Chemistry B  115 :3642-3647 , 2011
■ 著書
1. Nakamura M, Takahashi M:  Spin state of highly deformed iron(III) porphyrin complexes studied by 57Fe Moessbauer spectroscopy.  Moessbauer Spectroscopy and Transition Metal Chemistry  CD-ROM(9 Power Point images).  Springer-Verlag,  Berlin, Germany, 2011
2. Nakamura M, Ohgo Y, Ikezaki A:  Electronic and Magnetic Structures of Iron Porphyrin Complexes.  Handbook of Porphyrin Science  pp 1-146.  World Scientific,  Hackensack, NJ, USA, 2010
■ 学会発表
国内学会
1. ◎池崎 章・小野順平・中村幹夫: 最も純粋なdxy型低スピンテトラアルキルクロリン鉄(III)錯体.  日本化学会第91春季年会,  横浜,  2011/03
2. ◎大胡惠樹, 橋爪大輔, 高橋一志, 森 初果, 高橋正,速水真也, 藤原基靖, 根矢三郎, 生天目由紀子, 中村幹夫: 配位子場と外部刺激に基づくヘムの電子状態のチューニング.  第12回メウバウアー分光研究会シンポジウム,  東京,日本,  2011/03
3. ◎戸塚瑛・池崎章・中村幹夫: メソ位にヘプタフルオロプロピル基を持つ低スピン‐ポルフィリン鉄(Ⅲ)およびコバルト(Ⅲ)錯体における軸配位子の回転挙動.  日本化学会第91春季年会,  横浜,  2011/03
4. ◎新堀有香・池崎 章・中村幹夫: 低スピン-ポルフィリン鉄(III)錯体におけるラジカル的性質を持つ炭素の化学シフト決定法.  日本化学会第91春季年会,  横浜,  2011/03
5. ◎大胡惠樹, 橋爪大輔, 高橋一志, 森 初果, 速水真也, 藤原基靖, 根矢三郎, 生天目由紀子, 中村幹夫: ヘムモデルの異常な外部刺激応答性.  第4回東北大学G-COE研究会「金属錯体の固体物性科学最前線−錯体化学と固体物性物理と生物物性の連携新領域創成を目指して−」,  仙台,日本,  2010/12
6. ◎大胡惠樹, 橋爪大輔, 高橋一志, 森 初果, 速水真也, 根矢三郎, 中村幹夫: ヘム錯体の外部刺激応答性.  平成22年度 日本結晶学会年会,  大阪,日本,  2010/12
7. ◎池崎 章: ヘムタンパク質の機能解明を目指した新規反応活性中間体のモデル研究.  第64回東邦医学会総会,  東京,  2010/11
8. ◎池上崇久,倉橋悟志,中村幹夫,高橋正,杉森保,御厨正博,半田真: オクタキス(4-t-ブチルフェニル)コロラジンの鉄錯体の合成と性質.  2010年日本化学会西日本大会(熊本),  熊本,  2010/11
9. ◎池崎 章, 中村 幹夫: 1電子酸化ポルフィリン鉄錯体における新規な電子構造.  第60回錯体化学討論会,  大阪,  2010/09
10. ◎加藤尚之, 齋藤宏治, 大野章: 温泉でのLegionella pneumophilaに対する塩素・銀及び銅イオンによる殺菌効果の検討.  日本防菌防黴学会第37回年次大会,  東京,  2010/09
11. ◎河野壮平, 大胡惠樹, 池崎章, 中村幹夫: ポルフィリン鉄(III)ラジカルカチオンにおける軌道間相互作用.  第60回錯体化学討論会,  大阪,  2010/09
12. ◎戸塚瑛, 大胡惠樹, 池崎章, 谷口美代子, 中村幹夫: Meso-位に嵩高い電子求引基を持つラッフル変形した低スピン鉄(III)ポルフィリン錯体の電子構造.  第60回錯体化学討論会,  大阪,  2010/09
13. ◎加藤尚之, 大野章, 望月久司, 齋藤宏治, 大河内正一: 温泉のレジオネラに対する殺菌効果の検討.  日本温泉科学会第63回大会,  長野県・野沢温泉,  2010/09
14. ◎加藤尚之, 大野章, 齋藤宏治, 田中敏之, 森下岳晴, 山口惠三: レジオネラの回収方法の検討について.  日本温泉科学会第63回大会,  長野県・野沢温泉,  2010/09
15. ◎加藤尚之, 齋藤宏治: 医学部テュートリアル早期学習における学生屋根瓦システムについて.  理学部FDワークショップ,  船橋市,  2010/09
16. ◎大胡惠樹: ヘムの電子状態と外部刺激応答性.  第一回 碧き山の会 "新しい分子科学と放射光I",  相模原,日本,  2010/09
17. ◎大胡惠樹: 生体ヘムを模倣した外部刺激応答型機能性物質の創成.  第22回超分子創製セミナー,  草津,日本,  2010/06
18. ◎大胡惠樹: ヘムの電子状態の探索, 模倣と応用.  第11回生体分子科学コロキウム,  東海, 日本,  2010/05
19. ◎大胡惠樹: ポルフィリン類縁体モデルを用いたヘムの電子状態の解明.  第4回生物物質科学フォーラム,  東京,日本,  2010/05
国際学会
1. ◎Chamberlin A.C., Ikezaki A, Nakamura M, Ghosh A.: Low-lying spin states of iron porphyrin dication with neutral ligands: Toward a broader context for peroxidase Compound II.  241st American Chemical Society National Meeting,  Anaheim, USA,  2011/03
2. ◎Ikezaki A, Nakamura M: Control of electronic structures of one-electron oxidized products of iron(III) porphyrin complexes by means of axial ligands and deformation mode of porphyrin ring.  Pacifichem 2010,  Honolulu, USA,  2010/12
3. ◎Ikezaki A, Ono J, Ohgo Y, Nakamura M: Seeking the low-spin iron(III) porphyrinoids with the purest
(dxz, dyz)4(dxy)1 ground state.  Pacifichem 2010,  Honolulu, USA,  2010/12
4. ◎Tozuka A, Taniguchi M, Kouno S, Ikezaki A, Ohgo Y, Nakamura M: Electronic structure of highly ruffled low-spin iron(III) porphyrinates with electron withdrawing heptafluoropropyl groups at the meso positions.  Pacifichem 2010,  Honolulu, USA,  2010/12
5. ◎Ohgo Y, Hashizume D, Harada Y, Nakamura M: Approaches toward the heme electronic structure.  Pacifichem 2010,  Honolulu, USA,  2010/12
6. ◎Kato N, Ohno A, Tanaka T, Morishita T, and Yamaguchi K: Detection of Legionella in hot spring waters using PALSAR method.  The international Chemical Congress of Pacific Basin Societies 2011,  Hawaii, USA,  2010/12
7. ◎Ikezaki A, Nakamura M: Novel Electronic Structures of One-electron Oxidized Products of Iron(III) Porphyrin Complexes.  AsBIC-V (The 5th Asian Biological Inorganic Chemistry Conference,  高雄、台湾,  2010/11
8. ◎Ikezaki A, Nakamura M: Novel Electronic Structures of One-electron Oxidized Products of Iron(III) Porphyrin Complexes.  AsBIC-V (The 5th Asian Biological Inorganic Chemistry Conference),  高雄、台湾,  2010/11
9. ◎Ohgo Y, Hashizume D., Takahashi K., Mori H., Hayami S., Neya S., Nakamura M: Exploration and Utilization of Heme Electronic Structure.  60th Anniversary Conference on Coordination Chemistry,  Osaka, Japan,  2010/09
10. Ikeue T, ◎Kurahashi S, Sugimori S, Nakamura M, Mikuriya M, Handa M: Synthesis and Properties of Iron(III) Complexes with Octakis(4-t-butylphenyl)porphyrazines.  60th Anniversary Conference on Coordination Chemistry in Osaka,  Osaka, Japan,  2010/09
11. ◎Ikezaki A, Ono J, Ohgo Y, Nakamura M: Synthesis and Electronic Structure of Low-Spin Iron(III) meso-Tetraalkylchlorin Complexes.  6th International Conference on Porphyrin and Phthalocyanines,  Santa Ana Pueblo,  2010/07
12. ◎Nakamura M, Ikezaki A, Ohgo Y, Takahashi M: Observation of an Extremely Labile Spin State in Mono(Imidazole) and Related Complexes of Iron(III) Porphyrinates.  6th International Conference on Porphyrins and Phthalocyanines(Keynote Lecture),  Santa Ana Pueblo, USA,  2010/07
13. ◎Ikezaki A, Nakamura M: Novel electronic states of one-electron oxidized products of iron(III) porphyrin complexes.  6th International Conference on Porphyrins and Phthalocyanines,  Santa Ana Pueblo, USA,  2010/07
14. ◎Ohgo Y, Hashizume D, Takahashi K, Mori H, Hayami S, Neya S, Nakamura M: Response of the dπ-pπ Interaction to the Environmental Stimuli in Iron(III) Heme.  6th International Conference on Porphyrins and Phthalocyanines,  Santa Ana Pueblo, USA,  2010/07
その他
1. ◎大胡惠樹, 橋爪大輔, 高橋一志, 森 初果, 速水真也, 藤原基靖, 根矢三郎, 生天目由紀子, 中村幹夫: 外部刺激応答型の新規機能性へム.  感染症・免疫難病の先進 医療開発 平成22年度  事業報告会,  東京,日本,  2011/03
2. ◎Tozuka A, Ohgo Y, Ikezaki A, Taniguchi M, Nakamura M: Electronic structure of highly ruffled low-spin iron(III) porphyrinates with electron withdrawing heptafluoropropyl groups at the meso positions
.  7th Joint Academic Meeting of the three Faculties of Toho University,  Funabashi, Japan,  2010/10
3. ◎Kouno S, Ikezaki A, Nakamura M: Orbital interactions in radical cations with deformed ferric porphyrinates.  The 4th High-Tech Research Center Symposium,  Funabashi, Japan,  2010/11
4. ◎Niibori Y, Ikezaki A, Nakamura M: Methodology to determine the NMR chemical shifts of carbon atoms with radical character.  The 4th High-Tech Research Center Symposium,  Funabashi, Japan,  2010/11
5. ◎Tozuka A, Ikezaki A, Ohgo Y, Nakamura M: Electronic structure of highly ruffled low-spin iron (III) porphyrinates with electron withdrawing heptafluoropropyl groups at the meso positions.  The 4th High-Tech Research Center Symposium,  Funabashi, Japan,  2010/11
6. ◎Ikezaki A, Nakamura M: Electronic Structures of Highly Ruffled Iron(III) Tetraisopropylporphyrinates.  The 4th High-Tech Research Center Symposium ,  Funabashi, Japan,  2010/11
7. ◎Ikezaki A, Nakamura M: Novel Electronic Structures of One-electron Oxidized Products of Iron(III) Porphyrinates.  The 4th High-Tech Research Center Symposium ,  Funabashi, Japan,  2010/11
8. ◎Ikezaki A, Takahashi M, Nakamura M: Novel Electronic Structures of Monoimidazole Complexes of Deformed Iron(III) Porphyrinates.  The 4th High-Tech Research Center Symposium ,  Funabashi, Japan,  2010/11
9. ◎Kouno S, Ikezaki A, Ohgo Y, Nakamura M
: Spin-spin interactions in iron(III) porphyrin radical cations with
ruffled and saddled structure.  7th Joint Academic Meeting of the three Facalties of Toho University ,  Funabashi, Japan,  2010/10
10. ◎Nakamura M, Ohgo Y, Ikezaki A, Takahashi M: Heme Electronic Structure as Studied by NMR, EPR, and Mossbauer Spectroscopy.  7th Joint Academic Meeting of the three Faculties of Toho University,  Funabashi, Japan,  2010/10
  :Corresponding Author
  :本学研究者