ハマサキ ユウコ   Hamasaki Yuko
  濱崎 祐子
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 小児献腎移植登録症例の転帰に関する検討
会議名 第53回日本小児腎臓病学会学術集会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎高橋雄介, 濱崎祐子, 橋本淳也, 久保田舞, 増田俊樹, 村松真樹, 酒井謙, 宍戸清一郎
発表年月日 2018/06/30
開催地
(都市, 国名)
福島県福島市
概要 【目的】
本邦の20歳未満小児における献腎移植の割合は約15%であり、平均待機期間は約4年である。16歳未満の小児には優先ポイントがあるものの、いまだ移植までに長期間の待機を要する。
当科で献腎移植登録した小児腎臓病(CKD)患者の転帰に関し検討する。
【対象・方法】
2012年6月から2017年2月までに当科で献腎移植登録した16歳未満の小児CKD患者22例、23登録に関し、2017年12月末時点での登録時の状況・成立状況・転帰などを検討した。
【結果】
男女比は9/13で、登録時平均年齢は7.7±4.6歳であった。原疾患はCAKUTが8例(36%)で最多であった。23登録中献腎移植成立は7件(30%)で、脳死下が6件、心停止下が1件であった。ドナーは全例男性で、平均年齢は45.4±9.2歳であった。献腎移植後に3件が腹膜透析を要したが、全例離脱できた。退院時平均eGFRは60.7±24.4ml/min/1.73m2であった。
献腎移植症例以外の転帰は、生体腎移植への変更9件(39%)、待機中6件、待機中の死亡1件(待機日数1216日)であった。待機中の6件及び死亡1件を除く、16件の移植成立までの平均期間は558.0±348.4日であった。
献腎移植7件中、graft lossが1件あり、移植後2年で透析再導入及び献腎移植に再登録したが、登録後603日で生体腎移植に変更した。
献腎移植(CD:n=7)と生体腎移植(LD:n=9)の比較では、登録時平均年齢がCD 8.1±4.4歳 vs LD 8.0±4.9歳(p=0.952)、移植時平均年齢がCD 9.4±4.9歳 vs LD 9.2±4.8歳(p=0.934)、待機期間がCD 537.9±421.7日 vs LD 548.2±291.9日(p=0.954)といずれも有意差を認めなかった。
【考察】
当科で献腎移植登録後、移植成立した症例は平均1.5年の待機期間であったが、約30%しか成立しておらず、日本の献腎ドナーの少なさを物語っている。また、約30%の症例は献腎移植登録後平均1.6年で生体腎移植に変更しており、献腎移植を希望するが、長くは待ちたくないという意向の保護者も多いと考えられる。