ミツダ アキ   Mitsuda Aki
  密田 亜希
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 乳癌術前化学療法効果判定におけるソナゾイド造影超音波の有用性
会議名 第34回 日本超音波検査学会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎三塚幸夫†, 金澤真作†, 丸山憲一†, 八鍬恒芳†, 工藤岳秀†, 緒方秀昭†, 馬越俊輔†, 密田亜希†, 羽鳥努†, 澁谷和俊†, 金子弘真†
発表年月日 2009/06/28
開催地
(都市, 国名)
鹿児島市
学会抄録 第34回日本超音波検査学会―学会プログラム・講演抄録集― 233-233
概要 当院では倫理委員会承認のもと、乳癌術前化学療法(NAC)の効果判定にソナゾイド造影超音波 (CEUS)を併用し、有用性を検討している。今回、特にCEUSの特徴的な効果が認められた3症例を提示する。
方法:ソナゾイドは懸濁液として推奨投与量(0.015ml/kg)の半量を静脈内投与。装置はaplioXG(東芝メディカルシステムズ社製)、探触子は高周波リニアプローブ(PLT-805AT)を用い、Pulse Subtraction low MI modeで観察。CEUSはNAC前後とNAC中2回の計4回施行。
症例:(1)46歳、女性。左乳房12時に42×41×29mmの腫瘤像を認めた。針生検にて充実腺管癌と診断。NAC前のCEUSでは腫瘤内に強い染影を認めた。その後腫瘤の縮小にあわせて内部の染影が弱くなり、NAC後では13×11×5mmと縮小した腫瘤像を認めるものの染影は減弱。術後pCRが確認された。(2)49歳、女性。右乳房9時に26×16×12mmの腫瘤像を認めた。針生検にて硬癌と診断。NAC前のCEUSでは腫瘤辺縁に染影を認めた。NAC後腫瘤は16×11×7mmに縮小するも染影は残存。術後病理にて腫瘍の残存が確認された。(3)48歳、女性。左乳房2時に43×38×28mmの腫瘤像を認めた。針生検にて充実腺管癌と診断。NAC前のCEUSでは腫瘤内に強い染影と一部に染影の弱い部分を認めた。NAC中サイズは増大し、内部の染影も認めていたが、染影の弱い部分が増大していく様子が確認された。NAC後61×59×38mmと増大していたが、手術直前に45×43×23mmと縮小した。術後病理にて染影の弱い部分が出血、壊死であることが確認された。
まとめ:pCRとなった症例(1)はサイズの縮小とあわせて内部の強い染影が認められなくなり、腫瘍の残存していた症例(2)では腫瘍が縮小するも内部の染影が残存していた。症例(3)ではNACにより腫瘤内部が変性していく様子が確認できた。以上の事から、CEUSを併用する事によりB画像だけでは確認できない治療効果や変性の様子が確認でき、NAC効果判定の一助となる可能性が示唆された。