ミツダ アキ   Mitsuda Aki
  密田 亜希
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 4D乳腺造影超音波の経験
会議名 第24回日本乳腺甲状腺超音波診断会議
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎金澤真作†, 緒方秀昭†, 馬越俊輔†, 三塚幸夫†, 密田亜希†, 羽鳥努†, 白神伸之†, 渋谷和俊†, 金子弘真†
発表年月日 2010/04/17
開催地
(都市, 国名)
仙台
学会抄録 Proceedings of The 24th Meeting of Japan Association of Breast and Thyroid Sonology 162
概要 背景:
我々は、院内委員会の承認のもと被験者へ文書によるインフォームドコンセントを行ったうえで、乳腺疾患に対しソナゾイドを用いた造影超音波検査(CEUS)を行っている。ソナゾイドを用いたCEUSでは、腫瘍の微細な血管の走行が観察可能であることが判ってきた。現在では、血管走行を観察することによる腫瘍の良・悪性鑑別の可能性なども検討されている。今回、造影で表在の観察が可能な4Dプローブを用いて乳腺疾患を観察する機会を得たので得られた所見を報告する。
目的:
4Dプローブで観察された腫瘍の立体的な血管走行と病理組織像を比較することで、立体的な血管走行を確認する意義を検討した。
方法:ソナゾイドは、2Dで肝疾患での推奨量の半量を、4Dでは全量を複数回静脈内投与した。超音波診断装置はaplio XG、探触子は高周波リニアプローブPLT-805ATと4Dプローブを使用した。検討は、手術にて組織型の確認された良性葉状腫瘍と充実腺管癌の2症例で行った。
結果:
葉状腫瘍症例:Bモードでは一部に嚢胞成分を伴う不正な多結節性な腫瘍として観察され、CEUSでは多中心性の造影効果を示した。4D-CEUSでは、疎な血流の間質に囲まれた血流豊富な腫瘍が集簇している様子が観察された。これは、病理組織で確認された腫瘍の血管分布を反映していた。
充実腺管癌症例:Bモードでやや不整形で内部均一な腫瘍、ドプラでは分枝した明瞭な流入血管を認めた。CEUSでは拍動性に造影される流入血管から腫瘍が不均一に造影された。4D-CEUSでは、流入血管から腫瘍全体が不整な血管で不均一に造影されている様子が観察された。
まとめ:
4D-CEUSは、腫瘍内の微細な血管走行まで立体的に描出することが可能であった。これら血管走行を検討することは、2D以上に腫瘍形態を理解する上で有用なものになり得ると考えられた。診断装置、プローブなどのハードウエア、ソフトウエア両面でのさらなる進歩が期待される。