オバラ ケイスケ   Obara Keisuke
  小原 圭将
   所属   東邦大学  薬学部 薬学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル ドコサヘキサエン酸(DHA)の血管収縮抑制効果に対するシトクロムP450依存性エポキシゲナーゼ代謝産物ならびにBKチャネルの関与の可能性
会議名 第54回日本平滑筋学会総会
学会区分 国内学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎青木美歌†, 佐藤恭輔†, 小原圭将†, 茅野大介†, 田中芳夫†
発表年月日 2012/08/02
開催地
(都市, 国名)
東京慈恵会医科大学(港区、東京)
学会抄録 日本平滑筋学会雑誌 16(1),J-41 2012
概要 【目的】当研究室では、モルモットとラット胸部大動脈を用いた実験で、DHAがTXA2受容体(TP受容体)を介した持続性収縮を特異的かつ著明に抑制することを見出し、その機序の一つとしてBKチャネルの活性化が関与することを報告してきた。一方、DHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸は、シトクロムP450(CYP)依存性エポキシゲナーゼ(EOX)の基質となることが知られており、近年、その代謝産物が種々の生理反応を引き起こすことが示されている。そこで、今回は、DHAの血管収縮抑制効果に対するCYP依存性EOX代謝産物の関与の可能性とBKチャネルの役割について検討した。【方法】実験にはwistar系雄性ラットの胸部大動脈内皮剥離標本を供し、張力変化を等尺性に記録した。今回は、CYP依存性EOX阻害作用を有するSKF525Aを用い、その非存在下または存在下で、U-46619(TXA2安定誘導体)をはじめとする各種血管収縮薬によりもたらされる持続性収縮に対するDHAの抑制効果を比較した。また、2 mM TEA存在下でも同様の検討を行い、DHAとそのCYP依存性EOX代謝産物の血管収縮抑制作用に対するBKチャネルの寄与を評価した。【結果】1) DHAは、SKF525Aの有無に因らずU-46619による持続性収縮を特異的かつ著明に抑制した。2) SKF525A非存在下でのDHAの収縮抑制効果は2 mM TEAにより消失したが、SKF525A存在下でのDHAの収縮抑制効果はTEAにより影響を受けなかった。【考察】TP受容体を介した血管収縮に対するDHAによる抑制効果は、CYP依存性EOX代謝産物を介した成分とEOX代謝産物を介さない成分からなり、BKチャネルの活性化はCYP依存性EOX代謝産物によりもたらされる可能性が示唆された。