コクラ ケンジ
Kokura Kenji
古倉 健嗣 所属 東邦大学 理学部 生物分子科学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | EMTをモニターするレポーター細胞株の樹立 |
会議名 | 第46回分子生物学会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | 戸邉理佳, 川島美楓, 福元凛, 奈良井節, 中山祐二, 岸本利彦, 古倉健嗣 |
発表年月日 | 2023/12/06 |
開催地 (都市, 国名) |
神戸 |
開催期間 | 2023/12/06~2023/12/08 |
概要 | EMT(上皮間葉転換)は、炎症やサイトカイン等の外部刺激を受けることで上皮系細 胞が間葉系細胞へと性質を変える生命現象のことである。上皮系細胞ではE-カド ヘリン、間葉系細胞ではN-カドヘリンが顕著に発現しており、それぞれ上皮系と 間葉系のマーカーとして用いられることが多い。EMTはがんの浸潤や転移に関与 していることが知られており、がんの転移が完了するためにはEMTだけではな く、逆反応のMET(間葉上皮転換)も必要とされる。そのため、一連の過程を経時的
に観察できる実験系の確立が望まれる。EMT/METの進行は、細胞接着や細胞周期 に影響を受けることが知られており、細胞の集団内でEMTの段階にバラつきがみ られてしまう。また、EMTの遺伝子発現レベルでの変化を確認するために細胞回 収を行うと、それ以降の細胞変化を追跡できなくなる。本研究ではこれらの問題 を解決するために、E-カドヘリンとN-カドヘリンの発現を蛍光タンパク質で可視 化することで、EMT/METの進行を一細胞レベルの生細胞で観察することを目的と する。今回レポーター細胞の作製には、CRISPR-Cas9システムを用いた。また、 オフターゲット効果低減のためにダブルニッカーゼ法を用い、さらに我々が独自 に開発した方法でノックイン効率の低い培養細胞に対して非常に高効率なノック インを行うことを可能にしている。現在、ヒト肺がん細胞であるA549細胞を用い て、E-カドヘリン遺伝子座とN-カドヘリン遺伝子座、ビメンチン遺伝子座のC末端 にそれぞれEGFP(緑色蛍光タンパク質)をノックインした蛍光レポーター細胞は作 製済みである。しかし、ノックインされたEGFPの蛍光強度は微弱であり目視で観 察するにはやや困難であることが課題であった。この問題を解決するために、 EGFPよりも蛍光の強い蛍光タンパク質がノックインされるようなコンストラク ションを設計した。また、今までは薬剤耐性遺伝子を外在性プロモーターで発現 させていたが、T2Aをノックインベクターに組み込むことで、ゲノムDNAに影響が 少ない設計を行うなどの改良を行なっている。 |