サイトウ ケイコ   Saito Keiko
  斉藤 敬子
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 機能的肺動脈閉鎖を合併した双胎間輸血症候群受血児の生命予後と神経学的予後
会議名 第58回日本周産期・新生児医学会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎斉藤敬子†, 日根幸太郎†, 村井裕香†, 石嶺里枝†, 田中章太†, 森谷菜央†, 平林将明†, 緒方公平†, 豊田理奈†, 水書教雄†, 荒井博子†, 増本健一†, 長崎澄人†, 中田雅彦†, 与田仁志†
発表年月日 2022/07/12
開催地
(都市, 国名)
横浜
開催期間 2022/07/10~2022/07/12
学会抄録 日本周産期・新生児医学会雑誌 58,326 
概要 【目的】双胎間輸血症候群(TTTS)の胎児鏡下レーザー凝固術(FLP)
前の受血児における機能性肺動脈閉鎖(fPA)の割合とその出生前後
の転帰を評価する.
【方法】2016年2月~2021年1月にTTTS Stage3/4と診断され,当院
でFLPを行った症例を後方視的に検討した.fPAがある受血児の転
帰と生存児の1歳6ヵ月時の発達予後を評価した.
【結果】TTTSの診断で151件にFLPが行われた.Stage3/4は54件で,
fPAは受血児の5/151例(3.3%)に認めた.fPA受血児のFLP実施週
数は23w5d(中央値)で,FLP後にfPA受血児は2/5例(40%)が死亡し
た.fPA受血児のうち,生存児は全例FLP術後7日以内に肺動脈の順
行性血流がみられたが,胎児死亡例ではFLP後も改善は認めなかっ
た.生存児の分娩週数は35w5d,出生体重は2047gであった(中央
値).全例において退院時の頭部MRI異常はなく,1歳6ヵ月時の脳
性麻痺はみられなかった.新版K式発達検査は当院フォローアップ
の1例で施行され,全領域DQ89と発達遅滞は認めなかった.残り2
名は当院及び他院総合周産期センターでフォローされ,明らかな発
達遅滞はないと判断された.
【結論】fPAは受血児の3.3%にみられた.fPA受血児は胎児死亡率
が高いが,FLP術後7日以内に肺動脈血流が改善した児は生存し,全
例で発達障害はみられなかった.fPAを合併したTTTS受血児にお
いて,FLPによる積極的治療で児の予後改善が期待できる.