サイトウ ケイコ   Saito Keiko
  斉藤 敬子
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 先天性表皮水泡症の6例の臨床的検討
会議名 第58回日本周産期・新生児医学会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎飯坂建太†, 森谷菜央†, 荒井裕香†, 石嶺里枝†, 田中章太†, 平林将明†, 緒方公平†, 豊田理奈†, 日根幸太郎†, 斉藤敬子†, 水書教雄†, 荒井博子†, 増本健一†, 与田仁志†
発表年月日 2022/07/11
開催地
(都市, 国名)
横浜
開催期間 2022/07/10~2022/07/12
学会抄録 日本周産期・新生児医学会雑誌 58,323 
概要 【緒言】先天性表皮水疱症は,軽微な外力で全身の皮膚,粘膜に水疱
やびらんを形成する遺伝性水疱性皮膚疾患群であり,稀な疾患であ
る.その病型は様々であり,出生後早期から重篤な皮膚症状や合併
症を呈するため,慎重な皮膚ケア及び全身管理を要することがある.
今回,当院で過去に経験した6例をまとめたため,報告する.
【方法】2010年から2021年の12年間に当院NICUに入院した先天性表
皮水疱症6例を対象とし,病型診断及びその臨床経過について後方
視的に検討した.
【結果】6例の病型は,単純型が1例,接合部型が1例,栄養障害型が
4例であった.栄養障害型の1例は出生時より下肢の皮膚欠損を伴っ
たことからBart症候群と診断された.全例が皮膚生検を施行し組織
学的に診断された.全例で明らかな家族歴はなく,遺伝子診断は6
例中3例で施行していた.全例が生存退院したが,入院期間は全例
で1か月以上を要した.生命予後は,6例中5例が現在まで生存し入
院及び外来加療を継続しており,Herlitz接合部型の1例は乳児期で
死亡した.
【結語】新生児期の臨床的特徴から先天性表皮水疱症の病型診断は
困難であり,組織学的診断が重要であった.対症療法が管理の基本
であり,疼痛および感染管理と共に,適切な皮膚管理を習得するた
めの患者家族教育が肝要となる.看護師を含めた医療チームや基幹
病院となり得る施設と医療連携を取りながら,家族と共に生涯に渡
る患者サポートを行っていくことが重要である.