オバラ ケイスケ   Obara Keisuke
  小原 圭将
   所属   東邦大学  薬学部 薬学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル プロスタノイド受容体を介した消化管・膀胱平滑筋の収縮とn-3系多価不飽和脂肪酸による抑制について
会議名 第15回東邦大学5学部合同学術集会
主催者 東邦大学
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎欧光瀚†, 徐可悦†, 金子千尋†, 小林加奈美†, 八巻史子†, 小原圭将†, 田中芳夫†
発表年月日 2019/03/09
開催地
(都市, 国名)
東邦大学習志野キャンパス(船橋市, 千葉県)
学会抄録 第15回東邦大学5学部合同学術集会抄録集 48-48
概要 n-3 系多価不飽和脂肪酸は魚油に豊富に含有される脂肪酸であり、その代表例としてド
コサヘキサエン酸(DHA)が挙げられる。当教室ではラット血管平滑筋において、DHA
がアドレナリン α-受容体の刺激による収縮や脱分極性収縮に比べて、プロスタノイド TP
及び FP 受容体の刺激による収縮を非常に強力に抑制する性質を見出した。さらに、モル
モット気管平滑筋においても DHA が TP 及び FP 受容体の刺激による収縮を強力に抑制す
ることを見出した。本研究では、TP 及び FP 受容体を介した収縮反応に対する DHA の選
択的な抑制効果が平滑筋組織に普遍的に成立する可能性を想定し、プロスタグランジン
(PG)類に対して高い感受性を示す胃底平滑筋を用いて、各種受容体刺激薬による持続性
収縮または一過性収縮に対する DHA の収縮抑制効果を検討した。また、PG 類と病態(過
活動膀胱)との関連性が指摘されている膀胱平滑筋を用いて、各種 PG 類の基礎張力上昇
作用及び自発収縮増加作用に対する DHA の効果を検討するとともに、経壁電気刺激
(EFS)に対する影響も検討した。モルモット胃底平滑筋では、DHA(3 × 10−5 M)は、
U46619(3 × 10−6 M)や PGF2α(10−6 M)による収縮反応を抑制した。これに加えて、
PGA2(3 × 10−6 M)、PGD2(3 × 10−6 M)、PGE2(10−7 M)、PGI2(10−6 M)による収縮
反応も抑制した。ただし、carbachol(3 × 10−7 M)による収縮反応も抑制した。モルモッ
ト膀胱平滑筋では、DHA(3 × 10−5 M)は、PGF2α(10−6 M)や PGE2(10−8 M)と比較
して、U46619(3 × 10−8 M)による基礎張力の上昇及び自発活動の増加をより強力に抑制
した。また、DHA(3 × 10−5 M)は、EFS 誘発性収縮の U46619(3 × 10−8 M)による増
強効果を強力に抑制した。したがって、プロスタノイド受容体を介した収縮反応に対する
DHA の抑制効果は、血管、気管平滑筋だけでなく幅広く平滑筋で成立する可能性が示唆
された。