オオクマ シンノスケ
Okuma Shinnosuke
大熊 新之介 所属 東邦大学 医学部 医学科(大森病院) 職種 院内講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 小児先天性心臓外科の医療経済的評価 |
会議名 | 第71回日本胸部外科学会定期学術集会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小澤司†,片山雄三†,塩野則次†,吉川翼†,磯部 将†,矢尾尊英†,保坂達明†,川田幸太†,亀田徹†,布井啓雄†,大熊新之介†,片柳智之†,原真範†,益原大志†,藤井毅郎†,渡邉善則† |
発表年月日 | 2018/10/06 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
概要 | 【背景】新専門医制度と働き方改革が推進される昨今,本邦では産科,小児科をはじめとする特定診療科の医師不足,すなわち医師の偏在化が問題となっている.また大学病院の心臓血管外科においても領域別の偏在化は顕著であり,小児・先天性心臓外科を専門とする医師の数は一般的に少ない.先天性心臓外科領域は,卒前教育の面から見れば医学部には必須の存在であるが,一部のハイボリュームセンターを除けば,1施設での年間症例数は限られ,卒後臨床研修や専門医教育で幅広い臨床経験を積むことに難渋している.また,実地医療の面では,厳重な周術期管理を要する症例が多く,複数診療科に跨がる人的動員と過重労働,リスクの諸点から,小児専門施設や小児心臓専門施設に集約して医療を行う必要性や,地域での小児医療連携の構築も模索する必要性がある.
【目的】心臓血管外科手術全領域を扱う当大学病院1診療科における先天性心臓外科領域を医療経済的な面より評価する. 【方法】2013年1月から2017年12月までの5年間における当大学病院心臓血管外科の入院患者を医事会計システムから抽出し,診療報酬点数表Kコードから後天性心臓外科(後天心),血管外科(血管),先天性心臓外科(先天心)の3領域に分類し,各領域の5年累計収入および薬剤・材料を除いた収入(=手術手技料+入院費)を算出した. 【結果】入院患者数は後天心:438,血管:565,先天心:246人で,薬剤・材料を含む3領域の5年累計収入は後天心:1,871,637,171円,血管:2,063,695,964円,先天心:1,191,851,797円で先天心が最も低かった.一方,薬剤・材料を除いた累計収入は,後天心:1,273,521,996円,血管:1,289,220,838円,先天心:1,006,657,962円であり,手術入院患者1人あたりの薬剤・材料を除いた収入は後天心:2,907,584円,血管:2,281,807円,先天心:4,092,106円で先天心が最も高かった. 【考察・結論】小児先天性心臓外科領域の入院患者数,総収入は他領域に比べて低いが,薬剤・材料を除いた収入は他領域に匹敵し,患者1人あたりの収入は最も高かった.その主たる要因は高額な手術手技料であった.大学病院1診療科において小児先天性心臓外科領域は,手術手技料によって収益に貢献し,病院経済的側面において存在価値は充分ある. |