オオクマ シンノスケ   Okuma Shinnosuke
  大熊 新之介
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   院内講師
言語種別 日本語
発表タイトル Aortopulmonary windowに対し切離および自己組織再建が施行された連続3例.サージカルフォーラム.
会議名 第118回日本外科学会定期学術集会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小澤司†,片山雄三†,塩野則次†,磯部 将†,矢尾尊英†,保坂達明†,川田幸太†,亀田徹†,布井啓雄†,大熊新之介†,片柳智之,益原大志†,藤井毅郎†,渡邉善則†
発表年月日 2018/04/05
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【背景】Aortopulmonary window (以下APW)は,上行大動脈と主肺動脈幹の間に短絡路を持つ稀な疾患(先天性心疾患の約0.1%)であり,APWの約70%は他の先天性心疾患を合併するといわれる.過大な左右短絡と高度肺高血圧(PH)による心不全,呼吸不全に陥るため早期の手術介入が必要とされる.手術方法には,大動脈切開,あるいは肺動脈切開によりAPW入口部にパッチを縫着する方法もあるが,当施設では一貫してAPWを切離し,自己組織のみで再建を行ってきた.【対象と方法】現行チーム体制となった2004年1月から2017年6月までに施行された先天性心疾患手術724例のうち,同一術者によって施行されたAPW手術連続3例について報告する.[症例1]日齢15の新生児.Mori分類3型total defect typeのAPWで,人工心肺下に大動脈側の組織が多く残るように上行大動脈と主肺動脈幹を切離.大動脈側の開窓部を直接縫合閉鎖し,肺動脈側の開窓部は新鮮自己心膜片を縫着しパッチ再建.術後13年が経過し,合併症なく中学校生活を送っている.[症例2]1歳1か月,男児.ASDを合併したMori分類2型distal type のAPWで,弁性および分岐部の肺動脈狭窄を合併.APWを切離し,肺動脈側の開窓部および分岐部狭窄を新鮮自己心膜片でパッチ拡大.術後3ヵ月が経過し外来通院中.[症例3]日齢12の新生児.Total defect typeのAPWに大動脈弓離断症A型を合併し緊急手術.右腕頭動脈と下行大動脈からの2本送血で人工心肺を確立しAPWを上記2症例と同様に修復後,下行大動脈を上行大動脈遠位部に端側吻合.術後5年が経過し合併症なく外来通院中.【考察・結語】Aortopulmonary windowは,その病型分類と合併疾患により病態は異なるもの,切離および自己組織のみによる再建という基本方針は,遺残短絡や上行大動脈狭窄などの危惧がないため妥当と考えられる.