オバラ ケイスケ
Obara Keisuke
小原 圭将 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ラット輸精管標本の交感神経電気刺激(EFS)誘発性収縮に対するクロニジンの抑制作用の回復効果を指標とした各種抗うつ薬のα2-アドレナリン受容体(α2-AR)拮抗作用の評価 |
会議名 | 第60回日本平滑筋学会総会 |
主催者 | 中田浩二教授(東京慈恵会医科大学臨床検査医学) |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎田中芳夫†, 道野真優美†, 伊藤政義†, 敖琳†, 澤田彩乃†, 八巻史子†, 小原圭将† |
発表年月日 | 2018/08/17 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都港区(東京慈恵会医科大学) |
学会抄録 | 第60回日本平滑筋学会総会プログラム・抄録集 79-79 |
概要 | 【目的】抗うつ薬のなかには、副作用として排尿障害を引き起こすものがあることが知られており、抗コリン作用はその一因となる。実際、現在臨床使用されていて入手可能な抗うつ薬を対象としてモルモット膀胱平滑筋のACh誘発性収縮に対する影響を検討したところ、三環系薬などに加え、NaSSAのミルタザピンが抗コリン作用に起因する膀胱平滑筋の収縮抑制と排尿障害を引き起こす可能性が示された。排尿障害の要因としては膀胱平滑筋の収縮力低下のほかに尿道抵抗の増大も考慮する必要があり、そのひとつにNAによる尿道平滑筋の収縮力の増強を挙げることができる。そこで、モルモット尿道標本のNA誘発性収縮に対する影響を検討したところ、三環系薬の一部やSNRI、SSRIのパロキセチンがNA誘発性収縮の増強作用に起因する排尿障害を引き起こす可能性が明らかとなった。本研究では、尿道平滑筋のNAによる収縮反応を増強させる要因としてα2-AR拮抗作用による交感神経終末からのNAの遊離増加の可能性を考え、EFS誘発性収縮に対するクロニジンの抑制作用の回復効果を指標として、α2-AR拮抗作用の評価を試みた。【方法】Wistar系雄性ラットの輸精管標本を用い、クロニジンのEFS誘発性収縮抑制作用に対する18種類の抗うつ薬(10−8–10−5 M)の回復効果を検討した。【結果・考察】三環系薬のアミトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン、四環系薬のミアンセリン、SSRIのセルトラリン、NaSSAのミルタザピン、セロトニン5-HT2A受容体拮抗薬のトラゾドン、ドパミンD2受容体拮抗薬のスルピリドにα2-AR拮抗作用によると推察されるクロニジンにより抑制された収縮反応の回復効果を見出した。しかし、臨床で到達しうる血中濃度から判断すると、尿道抵抗の増大とそれに伴う排尿障害の誘発にα2-AR拮抗作用に起因するNAの遊離増加の可能性を考慮すべき抗うつ薬は、アミトリプチリン、ミルタザピン、トラゾドンの3つに限定してよいと思われた。 |