ヒガイ コウジ   Higai Koji
  檜貝 孝慈
   所属   東邦大学  薬学部 薬学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル イソプレナリンによるモルモット結腸縦走筋の弛緩反応にはβ1とβ3-アドレナリン受容体が関与する
会議名 第20回応用薬理シンポジウム
主催者 応用薬理研究会
学会区分 国内学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎鶴岡優里†, 山岸理沙†, 曽根知世†, 山﨑玖美†, 茅野大介, 椎名俊介†, 小原圭将†, 八巻史子†, 檜貝孝慈†, 田中芳夫†
発表年月日 2018/08/03
開催地
(都市, 国名)
東京都, 日本
学会抄録 第20回応用薬理シンポジウム プログラム・学会要旨集 59-59
概要 【背景・目的】β-アドレナリン受容体(β-AR)は3種類(β1、β2、β3)のサブタイプに分類されており、気管支、血管、子宮では主にβ2が、膀胱では主にβ3が平滑筋の弛緩反応に関与すると認識されている。一方、消化管平滑筋におけるβ-ARに関する知見はほとんどなかった。当教室ではこれまでに、モルモット消化管平滑筋におけるβ-ARを介した弛緩反応の薬理学的解析を行い、食道にβ1、盲腸紐にβ2、胃底、十二指腸、回腸、および盲腸紐にβ3サブタイプが存在し、平滑筋の弛緩反応に関与することを報告した。しかしながら、大腸平滑筋におけるβ-ARに関する検討はほとんどなされていない。本研究では、イソプレナリン(ISO)によるモルモット結腸平滑筋の弛緩反応に関与するβ-ARサブタイプを生化学的、薬理学的手法を用い同定することを目指した。
【方法】Hartley系雄性モルモットから上行結腸を摘出し、結腸縦走筋標本を作製した。RT-PCR法を用いて、結腸縦走筋におけるβ-ARサブタイプのmRNA発現の有無を検討した。また、ヒスタミンで収縮させた結腸縦走筋標本において、3種類のカテコラミン(ISO、アドレナリン(AD)およびノルアドレナリン(NA))による弛緩反応の効力順位を求め、弛緩反応に優位に関与するβ-ARサブタイプを検討した。さらに、ISOによる弛緩反応に対するサブタイプ選択的β-AR拮抗薬の影響を検討した。
【結果】1) モルモット結腸縦走筋において、3種類のβ-ARサブタイプのmRNAを検出した。2) 3種類のカテコラミンによる弛緩反応の効力順位は、プロプラノロール非存在下ではISO > NA ≒ AD、プロプラノロール(3×10-7 M)存在下ではISO > NA > ADの順であった。3) ISOによる弛緩反応は、アテノロール(3×10-7–10-6 M)により競合的に拮抗され、pA2値は6.49(95%信頼区間:6.34–6.83)と算出された。4) ISOによる弛緩反応は、ICI-118,551(10-9–10-8 M)により影響を受けなかったが、ICI-118,551(10-7–3×10-7 M)により競合的に拮抗され、pA2値は7.41(95%信頼区間:7.18–8.02)と算出された。5) プロプラノロール(3×10-7 M)存在下、ISOによる弛緩反応はブプラノロール(10-6–3×10-6 M)により競合的に拮抗され、pA2値は5.90(95%信頼区間:5.73–6.35)と算出された。
【結論】モルモット結腸縦走筋におけるISOによる弛緩反応には、β1とβ3サブタイプが関与することが示された。