ハマサキ ユウコ   Hamasaki Yuko
  濱崎 祐子
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 生体腎移植を施行された後部尿道弁合併慢性腎臓病小児における、移植腎へのVURおよび移植後膀胱機能に関する検討
会議名 第27回日本小児泌尿器科学会総会・学術集会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎高橋雄介, 濱崎祐子, 増田俊樹, 久保田舞, 橋本淳也, 水谷年秀, 桜林啓, 兵頭洋二, 村松真樹, 酒井謙, 宍戸清一郎
発表年月日 2018/06/27
開催地
(都市, 国名)
石川県金沢市
概要 【背景】
後部尿道弁(PUV)を合併した小児慢性腎臓病(CKD)患者における、移植後移植腎へのVUR発生頻度および移植後尿路感染症の頻度、移植後膀胱機能に関し後方視的に検討した。
【対象・方法】
2009年から2016年までに当科で腎移植を施行された18歳以下の小児CKD患者で、移植前後にVCUGを施行した76例を対象とし、PUVの有無、移植前精査でVURの有無、移植後移植腎へのVURの有無、PUVの有無と移植腎へのVURの頻度・移植後尿路感染の頻度との関連を検討した。また、PUV症例に関しては移植前後の膀胱機能に関し評価した。
【結果】
76例の平均年齢は8.3±4.3歳、男女比は48/28であった。PUVは11例(41%)に認めた。PUVのある群(n=11)とない群(n=65)の2群において、移植前のVURの頻度(9/11 vs 19/65、p=0.001)、移植後移植腎へのVURの頻度(4/11 vs 3/65、p=0.007)はPUVのある群で有意に高かった。また、移植後尿路感染の頻度は2群で有意差を認めなかった(3/11 vs 6/65、p=0.117)。
PUV11例のうち、移植後4例で導尿管理を要したものの、そのうち3例は二段排尿・定時排尿などの排尿管理を併用することで導尿管理を離脱することが可能であった。移植腎予後に関しては、1例で移植腎機能廃絶したが、拒絶反応やBKウイルス感染に起因するもので、尿路感染などはなかった。
【考察】
PUVを合併する小児CKD症例においては、膀胱機能異常が潜在するため、移植後も移植腎へのVURのリスクが高いが、導尿や定時排尿・二段排尿などの排尿管理を加えることで、尿路感染の頻度を上げることなく移植腎予後も良好に保つことができる。