ムラカミ ヨシタカ
Murakami Yoshitaka
村上 義孝 所属 東邦大学 医学部 医学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 川崎市リアルタイムサーベイランスを用いた感染症疫学研究(第1報) |
会議名 | 第76回日本公衆衛生学会総会学術集会 |
主催者 | 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科健康科学専攻人間環境学講座疫学予防医学分野 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | 中村 孝裕, 眞明 圭太, 丸山 絢, 三﨑 貴子, 岡部 信彦, 橋爪 真弘, 村上 義孝, 西脇 祐司 |
発表年月日 | 2017/11/01 |
開催地 (都市, 国名) |
鹿児島 |
学会抄録 | 日本公衆衛生雑誌 |
概要 | 【目的】
インフルエンザは感染症発生動向調査(感染症サーベイランス)の定点把握対象疾患であり、小児科および内科の医療機関から毎週罹患者数が報告される。川崎市では本調査に加えて2014年3月から市内全医療機関を対象にインフルエンザに対してリアルタイムサーベイランスを実施している。これはA型およびB型インフルエンザと診断された患者数を各医療機関が毎日入力し川崎市感染症情報発信システムを通じて公開するものである。リアルタイムサーベイランスでは日単位の患者を把握できるものの、流行指標の性質については明らかではない。本研究は二つのサーベイランスの比較と医療機関当たりの患者報告数について比較検討を行った。 【方法】 川崎市感染症情報発信システムの感染症発生動向調査とリアルタイムサーベイランスを使用した。前者は定点医療機関の週単位データであり後者は全医療機関が日単位のインフルエンザA型またはB型と診断された型別患者数の報告である。それらには男女別、年齢階級別および地域別患者報告数と報告医療機関数が含まれる。対象期間はリアルタイムサーベイランスが開始された2014年3月から2017年4月までとした。 【結果及び考察】 川崎市では2014年3月から2017年4月までに2014/2015、2015/2016、2016/2017の3シーズンのインフルエンザ流行があった。感染症発生動向調査では市内7区を対象とし定点医療機関数は平均55.3(±4.9)であった。定点医療機関当たりのインフルエンザ週患者数は最大48.7で、週患者数が10と30を超えた週は34週、9週あった。リアルタイムサーベイランスでは市内7区をそれぞれ3地区に分け全21地区を対象とし医療機関数は平均66(±27.9)であった。インフルエンザA型およびB型患者がみられた日数はそれぞれ793日と628日、医療機関当たりの日患者数はそれぞれ最大11.6と3.6、中央値0.19と0.21であった。 【結論】リアルタイムサーベイランスは日単位での患者数でありインフルエンザ流行の早期把握につながる可能性があるが流行指標となる医療機関あたりの患者数については今後さらなる検討が必要と考えた。またインフルエンザの流行伝播について今後地理的疫学的解析を行う予定である。 |