ミズノ フヅキ
Mizuno Fuzuki
水野 文月 所属 東邦大学 医学部 医学科 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 劣化DNA試料から得られる低カバレジNGSデータへの配列構築のアプローチ |
会議名 | 第101次日本法医学会学術全国集会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎水野文月, 熊谷真彦, 植田信太郎, 王瀝, 林美千子, 杉山三郎,長谷川智華, 山田孝, 黒崎久仁彦 |
発表年月日 | 2017/06/08 |
開催地 (都市, 国名) |
岐阜 |
概要 | 従来のPCR法をベースとした分析では困難な法医試料におけるDNA分析を可能にすることを目的として、昨年、当学会において、次世代シーケンサをもちいた新たな実験手法を報告した。しかしながらDNAの保存状態が極めて悪い劣化試料では、核ゲノムは言うまでもなく、細胞内に多数のコピーをもつミトコンドリアゲノムですらも、領域を均一にカバーし十分なリード数を得るのは困難である。そこで今回は、ミトコンドリアゲノムの欠けている領域を統計的に尤もらしい塩基で補完する配列情報処理を報告する。
データベースから多数の配列をダウンロードして複数種類のパネル(配列の集合体)を用意した。完全長ミトコンドリアゲノムの塩基をランダムにNと置き換えて虫食い状態にした後、各パネルをもちいて、どの程度、元の配列を再構築できるか検証した。カバー率(穴埋めできた割合)と正確性(元の塩基で正しく穴埋めされた割合)から評価した結果、蓋然性の高い配列を再構築するためには参照するパネルが重要であることが示された。次に、実際の劣化DNA試料から得られた低カバレジNGSデータに適用したところ、完全長のミトコンドリアゲノムを構築することができた。我々の方法を応用することで、NGS分析でも困難な劣化試料から有効なデータが得られることが示唆された。 |