タナカ ヨシオ
Tanaka Yoshio
田中 芳夫 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 下部尿路機能に対する各種抗うつ薬の影響の評価─雌性モルモット近位および遠位尿道のノルアドレナリン(NA)誘発収縮に与える影響─ |
会議名 | 第58回日本平滑筋学会総会 |
主催者 | 東北医科薬科大学消化器外科(柴田近教授) |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小原圭将†, 今中智子†, 福原央香†, 宇野準二†, 茅野大介†, 田中芳夫† |
発表年月日 | 2016/08/18 |
開催地 (都市, 国名) |
宮城県仙台市(東北医科薬科大学キャンパス内) |
学会抄録 | 第58回日本平滑筋学会総会プログラム・抄録集 40-40 |
概要 | 【 目的】近年うつ病の患者数は増加しており、抗うつ薬が処方される頻度も高まってきている。一部の抗うつ薬は副作用として排尿障害を引き起こすことが知られており、この障害は、口渇等に比べ報告は少ないが、服薬アドヒアランスを低下させる大きな要因となりうる。その原因としては、一般には、抗うつ薬の有する抗コリン作用に起因する排尿筋の収縮抑制が考えられている。しかし、ノルアドレナリン(NA)再取込み阻害作用を有する抗うつ薬は、尿道括約筋のNAによる収縮反応の増強を介して排尿障害を誘発する可能性が考えられる。本研究では、尿道括約筋のNA による収縮反応に対する各種抗うつ薬の影響を検討し、尿道抵抗の増大に起因する排尿障害を誘発する可能性を検証した。【方法】摘出した雌性モルモット尿道を4 等分し、リング状標本を作製した。このうち、最も膀胱よりの尿道部分(近位尿道)と最も外尿道口よりの尿道部分(遠位尿道)の2 標本を実験に供し、各種抗うつ薬(10 -6 M)のNA の濃度反応曲線に与える影響を評価した。【結果】三環系抗うつ薬のdesipramine、nortriptyline、amoxapine、四環系抗うつ薬のmaprotiline、SSRI のparoxetine、SNRI のmilnacipran、duloxetine は遠位尿道でのNA による収縮反応を増強させた。一方、三環系抗うつ薬のimipramine、clomipramine、trimipramine、amitriptyline、nortriptylineは近位尿道でのNA による収縮反応を抑制した。また、SSRI のfluvoxamine、sertraline、escitalopram、NaSSAのmirtazapine は、近位及び遠位両尿道のいずれにおいても、NA による収縮反応に対して顕著な影響を与えなかった。【考察】本研究結果から、40% 以上の抗うつ薬が、遠位尿道でのNA による収縮反応を増強させることが明らかとなり、抗うつ薬の選択・使用に際しては、排尿筋の収縮抑制に加えて、尿道抵抗の増大に起因する排尿障害の可能性を考慮する必要があることが示された。 |