カタヤマ ユウゾウ
Katayama Yuzo
片山 雄三 所属 東邦大学 医学部 医学科(大森病院) 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 新生児および早期乳児に対する大動脈再建術の検討 |
会議名 | 第52回日本小児外科学会学術集会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小澤司†、片山雄三†、塩野則次†、吉原克則†、黒岩実†、酒井正人†、与田仁志†、渡邉善則† |
発表年月日 | 2015/05/30 |
開催地 (都市, 国名) |
神戸 |
概要 | 【目的】小児の大動脈再建は高度な生体侵襲を伴い,患児の予後を大きく左右する可能性がある.今回,新生児,早期乳児に対する大動脈再建術の手術成績を検討した.
【方法】対象は2004年1月から2014年12月までに施行された小児・先天性心疾患手術485例のうち、新生児および生後3か月未満の早期乳児に対して単一術者により大動脈への手術介入を要した連続26例(新生児19例,早期乳児7例)とした.術式の内訳は,大動脈縮窄・大動脈弓離断複合に対する大動脈再建術12例,完全大血管転位症に対するJatene手術7例,左心低形成症候群に対するNorwood手術3例,その他4例であった.生存分析はKaplan-Meier法を用い群間の検定にはLog-rank testを行った。 【結果】手術介入のタイミングは,中央値で生後20日(0~80日),観察期間は592日(13~3946日)であった.手術死亡が1例(3.8%)に認められ,大動脈弓離断に大動脈弁下狭窄と心室中隔欠損を合併した生後5日の新生児に対し一期的な大動脈再建と心内修復を行った症例で術後13日目にsepsisで失った.また病院死亡が1例(3.8%),他病死による遠隔死亡が4例(15.4%)に認められた.Jatene手術およびNorwood手術に手術死亡はなく,術式別の累積生存率に有意差を認めなかった.但し正中開胸・人工心肺下で大動脈再建および心内修復を行った群(M群)と側方開胸・非人工心肺下で大動脈再建および姑息術(肺動脈絞扼術)を施行した群(L群)では,有意にM群の累積生存率が高かった(p=0.046). 【結語】新生児・早期乳児に対する大動脈再建の手術成績はほぼ許容範囲内であった.また正中開胸・人工心肺下での良視野における大動脈再建・心内修復は,側方開胸下での再建・姑息術に比較し術後の血行動態が優れていたことが今回の結果に影響したと推察される. |