タナカ ヨシオ
Tanaka Yoshio
田中 芳夫 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ラット胸部大動脈のβ-アドレナリン受容体(β-ADR)を介した弛緩反応に関するK+チャネル分子種の薬理学的同定 |
会議名 | 日本薬学会第136年会 |
主催者 | 伊藤智夫教授 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎椎名俊介†, 橋本瑛里†, 小原圭将†, 茅野大介†, 田中芳夫† |
発表年月日 | 2016/03/29 |
開催地 (都市, 国名) |
パシフィコ横浜(横浜市, 神奈川) |
概要 | 【目的】当教室ではこれまで、ラット胸部大動脈のβ-ADRを介した弛緩反応には、β2、β3サブタイプが関与していることを報告してきた。また、胸部大動脈のβ-ADRを介した弛緩反応には、消化管平滑筋や気管平滑筋のβ-ADRを介した弛緩反応と同様に、K+チャネルの活性化が重要な役割を果たしている可能性を示してきた。本研究では、胸部大動脈のβ2、β3-ADRを介した弛緩反応に関わるK+チャネル分子種の薬理学的同定を試みた。
【方法】Wistar系雄性ラットの胸部大動脈の内皮除去標本(らせん標本)を用い、β-ADR遮断薬(propranolol)非存在下および存在下で、β-ADR刺激薬(isoprenaline (Iso)、salbutamol (Sal)、CGP-12177A)の弛緩作用に対する各種K+チャネル抑制薬の影響を検討した。 【結果】各種β受容体刺激薬の弛緩作用は、propranolol(Prop、10-7 M)非存在下、存在下いずれの場合もTEA(2×10-3 M、BKチャネル抑制薬)、glibenclamide(10-5 M、KATPチャネル抑制薬)により、抑制されなかったが、4-aminopyridine(3×10-3 M、Kvチャネル抑制薬)、Ba2+(10-3 M、Kirチャネル抑制薬)により顕著に抑制された。Prop非存在下でのIsoの弛緩作用は、ML133(5×10-6 M、Kir2ファミリー抑制薬)により有意に抑制されたが、Prop存在下でのIsoの弛緩作用は顕著な影響を受けなかった。 【考察】ラット胸部大動脈でのβ2-ADR及びβ3-ADRを介した弛緩反応には、BKチャネルやKATPチャネルが関与する可能性は小さいことが明らかとなった。一方、Kvチャネル、Kirチャネルが関与する可能性が示され、特に、β2-ADRを介した弛緩反応にKir2サブファミリーが関与する可能性が示唆された。 |