| タナカ ヨシオ
            Tanaka Yoshio 田中 芳夫 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 教授 | |
| 言語種別 | 日本語 | 
| 発表タイトル | マウス膀胱平滑筋標本のジスチグミンによる基礎張力上昇反応の検討 | 
| 会議名 | 第133回日本薬理学会関東部会 | 
| 主催者 | 岡 淳一郎教授(東京理科大学薬学部) | 
| 学会区分 | 国内学会 | 
| 発表形式 | ポスター掲示 | 
| 講演区分 | 一般 | 
| 発表者・共同発表者 | ◎小原圭将†, 武藤有希子†, 山縣悠美†, 鈴木友華†, 茅野大介†, 田中芳夫† | 
| 発表年月日 | 2015/10/10 | 
| 開催地 (都市, 国名) | 柏の葉カンファレンスセンター (千葉県柏市) | 
| 概要 | 【背景・目的】ジスチグミンは、長時間持続性を示すコリンエステラーゼ(ChE)阻害薬で、神経因性の低活動膀胱に伴う尿排出機能障害の治療薬として使用されている。当研究室ではこれまで、ジスチグミンによる膀胱収縮機能の増強効果の実験的根拠を示す目的でモルモット膀胱平滑筋標本を用いた検討を行い、本ChE阻害薬が基礎張力にはほとんど影響を与えずにアセチルコリン(ACh)による収縮反応を顕著に増強することを見出した。本研究では、マウス膀胱の平滑筋標本を用いて検討したところ、ジスチグミンが基礎張力を上昇させることを見出したのでその機序の解明を目指して薬理学的な検討を行った。 【方法】マウス膀胱より三角部を除去した平滑筋標本を作製し、ジスチグミンによる基礎張力上昇反応に対する各種阻害薬の影響を検討した。 【結果】ジスチグミン(10-6 M)は、マウス膀胱平滑筋標本の基礎張力を持続的に上昇させた。この効果は、アトロピン(10-6 M)および4-DAMPマスタード(M3受容体不活化薬、4×10-8 M)の処置により抑制されたが、メトクトラミン(M2受容体遮断薬、3×10-7 M)では抑制されなかった。また、テトロドトキシン(10-6 M)およびヘキサメトニウム(10-4 M)によっても有意な影響を受けなかったが、ヘミコリニウム-3(コリントランスポーター阻害薬、10-3 M)およびベサミコール(小胞アセチルコリントランスポーター阻害薬、10-4 M)の処置により有意に抑制された。 【考察】マウス膀胱平滑筋標本のジスチグミンによる基礎張力上昇反応は、ジスチグミンの直接作用ではなく、本ChE阻害薬により分解が阻止されたAChがM3受容体を刺激することによりもたらされる間接的なものであると推察した。また、マウス膀胱平滑筋標本の収縮を誘発するAChは神経由来である可能性は低く、化学刺激が加えられていないときでも非神経性に自発的に遊離されている可能性が示唆された。 |