オバラ ケイスケ
Obara Keisuke
小原 圭将 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 向精神薬の膀胱収縮機能に与える影響-抗うつ薬を中心として- |
会議名 | 第131回薬理学会関東部会 |
主催者 | 五嶋良郎(横浜市立大学医学部薬理学教室) |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小原圭将†, 宮谷理美†, 鈴木寛子†, 川端由香†, 辻香澄†, 野村恵子†, 宇野準二†, 茅野大介†, 吉尾隆†, 田中芳夫† |
発表年月日 | 2014/10/11 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市立大学福浦キャンパス(横浜市金沢区福浦、神奈川県) |
学会抄録 | 第131回薬理学会関東部会プログラム・要旨集 58-58 |
概要 | 【背景・目的】近年、精神疾患による患者数は増加しており、特にうつ病の患者数は著しく増加している。うつ病に対しては、新規抗うつ薬(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬、SNRI:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、NaSSA:ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)が数多く登場したことにより、患者の症状により適した治療薬の選択が可能となりつつある。また、SSRIやSNRIは、三環系・四環抗うつ薬と比較すると、抗コリン作用が軽減されているといわれている。しかしながら、抗コリン作用に起因すると考えられる排尿障害という視点からみた場合、現在臨床応用されている抗うつ薬がどの程度この排尿障害を誘発しうる可能性があるかについては、薬物横断的な吟味が必ずしも十分とはいえない。本研究では、モルモット膀胱機能に与える抗うつ薬の影響を検討することで、この疑問点の解明を試みた。
【方法】モルモット排尿筋標本のacetylcholine (ACh) の濃度反応曲線に対する各種抗うつ薬の影響を検討した。また、シストメトリー法による排尿運動に対する影響も検討した。 【結果】三環系抗うつ薬であるimipramine、clomipramine、trimipramine、amitriptyline、nortriptylineおよびNaSSAのmirtazapine(3×10-7 - 10-5 M)は、AChに競合的に拮抗した。また、その他の三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRIの一部も高濃度領域において、AChによる収縮反応を抑制した。一方、trazodone、sulpiride、aripiprazole、SSRIのfluvoxamine、escitalopramおよびSNRIのmilnacipran(3×10-7 - 10-5 M)は、AChの濃度反応曲線に対して顕著な影響を与えなかった。また、imipramine、maprotiline、mirtazapineは排尿時最大膀胱内圧の低下を伴う排尿障害を誘発した。 【考察】他の抗うつ薬に比べて、三環系抗うつ薬やNaSSAは、抗コリン作用に起因する排尿障害を引き起こす可能性が高く、trazodone、sulpiride、aripiprazole、fluvoxamine、escitalopram、milnacipranはその可能性が少ないことが示唆された。 |