ナカセコ(イズミ) ヒロコ
Izumi-Nakaseko Hiroko
中瀬古(泉) 寛子 所属 東邦大学 医学部 医学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 正常犬と正常ブタ間でのdipyridamole負荷後の心電図変化の差異:側副血行路がcoronary stealの原因か? |
会議名 | 第41回比較心電図研究会 |
主催者 | 比較心電図研究会 |
学会区分 | 国内学会 |
招聘 | 招聘 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
発表者・共同発表者 | ◎安東賢太郎†, 中村裕二†, 星合清隆†, 岸江拓也†, 柏木克彦†, 曹新†, 小原浩†, 中瀬古(泉)寛子†, 高原章†, 赤坂喜清†, 杉山篤† |
発表年月日 | 2014/09/06 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
概要 | Dipyridamoleはadenosineの再取り込み阻害を介した内因性adenosineの増強作用によって冠動脈を拡張させる。Dipyridamoleは健常な冠動脈における血流を増加させるが,狭窄より遠位の動脈では増加させないために狭窄した動脈からの“steal(盗血)”現象を生じさせると言われている。Steal現象により虚血が誘発されるために,心電図ではST低下が観察される。また、症状としては胸痛が認められることがある。同様の作用はadenosineを投与することでも認められる。Dipyridamoleやadenosineによるこうした薬理作用を利用して、狭心症の誘発が可能である。
正常ビーグル犬に臨床薬効用量の1/10量の0.056mg/kgおよび臨床薬効用量のその10倍量のdipyridamoleを静脈内投与したところ、高用量において血圧低下作用とともにST低下が認められた。一方、近年、開発された超小型ミニブタであるマイクロミニピッグに同様にdipyridamoleを静脈内投与したところ、0.056mg/kgから血圧低下が認められたが、ST segmentは高用量投与後でも変化を認めなかった。これら動物の血圧低下作用はdipyridamoleによる血管拡張作用によると推察できるが、ST segmentの変化がビーグル犬とマイクロミニピッグではなぜ異なるのだろうか。 一般的にイヌは心臓における側副血行路が発達しているが、ブタでは乏しいことが知られている(Paterson RE and Kirk ES, Am.J.Physiol. 244 H23-H31, 1983)。本発表ではdipyridamoleによるsteal現象に側副血行路の発達の相違が関与しているのか、もし、関与しているとすればsteal現象がどの様な機序で起きるのかを考察する。 |