オバラ ケイスケ
Obara Keisuke
小原 圭将 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ジスチグミンを中心とした各種副交感神経系作用薬の膀胱収縮機能に対する影響 |
会議名 | 第126回日本薬理学会関東部会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小原圭将†, 小林由里菜†, 佐藤恭輔†, 茅野大介†, 田中芳夫† |
発表年月日 | 2012/07/14 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都(北里大学) |
学会抄録 | 第126回日本薬理学会関東部会 プログラム・要旨集 52 |
概要 | 【背景・目的】当教室では、これまで、低活動膀胱に伴う尿排出機能障害に対して適応される可逆的ChE阻害薬であるdistigmine(Dis)の膀胱標本における薬理作用を検討し、Disによる改善効果の機序の一端を明らかにしてきた。本研究では、Disの作用機序や膀胱収縮機能に対する作用の特徴をさらに明らかにすることを目的として、in vivoならびにin vitro評価系を用いて、膀胱内圧や摘出排尿筋標本の収縮性に対する影響を検討した。
【方法】モルモットから摘出した膀胱の排尿筋標本を作製し、経壁電気刺激またはacetylcholine(ACh)による収縮反応を記録した。また、シストメトリー法により、麻酔下モルモットの膀胱内圧変動を記録した。 【結果】① Dis(10-6 M)は、経壁電気刺激により誘発され、α,β-mATP非感受性の性質を示す排尿筋標本の収縮成分を顕著に増大させたが、atropine(Atr)非感受性の収縮成分は増加させなかった。② Dis(0.03 mg/kg)は、Atr(0.3 mg/kg)によって抑制された排尿時の最大膀胱内圧(IVPmax)を有意に増大させた。合成コリンエステルであるbethanechol(Bet)(3.0 mg/kg)は、排尿反射を多発させ、蓄尿時の膀胱運動も亢進させた。③ Dis(0.03 mg/kg)は、imipramine(30 mg/kg)によって抑制された排尿時のIVPmaxを有意に増大させた。Bet(0.1 mg/kg)では、IVPmaxの回復効果は明確ではなく、投与直後の排尿間隔は短縮された。④ Dis(10-6 M) は、wash out後12時間にわたり、ACh(3×10-6 M)による収縮を増大させた。 【考察】Disによる膀胱収縮機能の増強効果ならびに抑制された膀胱収縮機能の改善効果は、ChE阻害作用に基づく副交感神経-排尿平滑筋シナプス間隙のACh濃度上昇とその後のムスカリン受容体の刺激を介したものであり、ATPによるプリン受容体を介した収縮の増強によるものではないことが示された。また、Disの効果が長時間に亘ることも考慮すると、Disは、抗コリン作用を有する薬物によってもたらされる尿排出機能障害に対しても有効な治療効果を発揮する可能性も示唆された。 |