オバラ ケイスケ
Obara Keisuke
小原 圭将 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | マウス平滑筋のプロプラノロール(Prop)感受性(typical)β-アドレナリン受容体(β-ADR)の薬理学的性質 |
会議名 | 第55回日本平滑筋学会総会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎茅野大介†, 石川雄也†, 友松拓哉†, 上野明恵†, 椎名俊介†, 宇野準二†, 佐藤恭輔†, 小原圭将†, 田中芳夫† |
発表年月日 | 2013/08/07 |
開催地 (都市, 国名) |
旭川市大雪クリスタルホール(旭川市、北海道) |
概要 | 【目的】気管や血管などの平滑筋のβ-ADRには,Prop感受性β-ADRとProp非感受性β-ADRが存在することが
知られている.このうち,Prop感受性β-ADRについてはすでに多くの薬理学的研究がなされ,気管や血管の 平滑筋の弛緩反応に関与するβ-ADRは,一般には,β1ではなくβ2であると認識されている.本研究では, 遺伝子改変動物として利用されるマウスの気管平滑筋と(胸部)大動脈平滑筋の弛緩反応に関与する主たる β-ADRは,β2ではなくβ1であることを示唆する結果を得たので,以下に報告する. 【方法】雄性ddy系マウスから気管組織と大動脈組織を摘出し,それぞれ,リング標本(幅約2mm),らせん 状標本(幅約1.5mm,長さ約20mm)を作製した.この際,気管上皮と血管内皮は可能な限り機械的に剥離 した.それぞれの平滑筋標本で得られる張力変化は等尺性に記録し,β-ADRを介して誘発される弛緩反応 を薬理学的に解析した. 【結果】[気管]1) Prop非存在下で弛緩を誘発するカテコラミンの効力順位は,β1に対する順位と一致した. 2) イソプレナリン(ISO)の弛緩作用はProp(10-9-10-6M)により競合的に拮抗され,主としてProp感受性 β-ADRの関与が示唆された.3) Atenolol,ICI-118,551を用いた結果から,Prop感受性β-ADRは主としてβ1 であると判断された.[大動脈]4) ISOの弛緩作用に対するPropの抑制結果から,Prop感受性β-ADRとProp 非感受性β-ADRの関与が示唆された.ただし,算出されたPropのpA2値は,これまで報告されているものよ り小さな値であった.5)サブタイプ選択的β-ADR遮断薬を用いた結果の解析から,Prop感受性β-ADRがど ちらかというとβ1タイプであると考えたほうがよいと判断された. 【考察】マウス気管平滑筋,大動脈平滑筋のProp感受性β-ADRは,主としてβ1であると判断された.マウス では,他の動物種と異なり,これらの平滑筋の緊張性制御に交感神経がより重要な役割を担っている可能性 があると考えられた. |