タナカ ヨシオ
Tanaka Yoshio
田中 芳夫 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ジスチグミンの膀胱収縮機能に対する増強効果の検討-神経電気刺激による収縮反応に対する影響と薬剤誘発性排尿障害に対する改善効果- |
会議名 | 第53回日本平滑筋学会総会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小原 圭将†, 小林 由里菜†, 茅野 大介†, 田中 芳夫† |
発表年月日 | 2011/08/03 |
開催地 (都市, 国名) |
東京(ゆうぽうと) |
学会抄録 | 日本平滑筋学会雑誌 15(1),J-24 2011 |
概要 | 【背景・目的】当教室では、これまで、低活動膀胱に伴う尿排出機能障害に対して適応される可逆的ChE阻害薬distigmine(Dis)の膀胱標本における薬理作用を検討し、Disによる改善効果の機序の一端を明らかにしてきた。本研究では、Disの作用機序や膀胱収縮機能に対する作用の特徴をさらに明らかにすることを目的として、神経電気刺激により誘発される膀胱標本の収縮反応に対する影響とatropine(Atr)で障害される排尿運動に対する改善効果を検討した。
【方法】モルモットならびにマウスから摘出した膀胱の排尿筋標本を作製し、経壁電気刺激による収縮反応を記録した。また、シストメトリー法により、麻酔下モルモットの膀胱内圧変動を記録した。 【結果】① Dis(3×10-7-10-6 M)は、モルモットとマウスのいずれにおいても、経壁電気刺激により誘発され、α,β-mATP非感受性の性質を示す排尿筋標本の収縮成分を顕著に増大させたが、Atr非感受性の収縮成分は増加させなかった。② Dis(0.03 mg/kg)は、Atr(0.3 mg/kg)によって抑制された排尿時の最大膀胱内圧(IVPmax)を有意に増大させた。これに対して、合成コリンエステルであるbethanechol(Bet)は、1.0 mg/kgでは排尿運動のいずれのパラメータにも顕著な影響を与えなかったが、3.0 mg/kgの用量で、排尿反射を多発させ、蓄尿時の膀胱運動も亢進させた。 【考察】Disによる膀胱収縮機能の増強効果は、ChE阻害作用に基づく副交感神経-排尿平滑筋シナプス間隙のアセチルコリン濃度上昇とその後のムスカリン受容体の刺激を介したものであり、ATPによるプリン受容体を介した収縮の増強によるものではないことが示された。また、Disが、抗コリン作用による尿排出機能障害に対しても有効な治療効果をもたらす可能性も示された。 |