タナカ ヨシオ
Tanaka Yoshio
田中 芳夫 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ラット腸間膜動脈のβ-アドレナリン受容体を介した弛緩反応に与える交感神経除神経の影響 |
会議名 | 日本薬学会第131年会 |
学会区分 | 国内学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
発表者・共同発表者 | ◎重松舞衣†, 飯干祐里†, 佐野慶行†, 茅野大介†, 田中芳夫† |
発表年月日 | 2011/03/30 |
開催地 (都市, 国名) |
静岡市 |
概要 | 【目的】平滑筋のα-アドレナリン受容体(α-ADR)は、交感神経の除神経によりその感受性が亢進する(denervation supersensitivity)ことがよく知られているが、β-ADRに対する交感神経の除神経効果についてはあまり知見がない。本研究では、ラット腸間膜動脈平滑筋の弛緩反応に関与する2つのβ-ADR(β1-ADR、β3-ADR)に対する交感神経除神経効果について検討した。
【方法】交感神経除神経処置は、6-hydroxydopamine(6-OHDA)を雄性wistar系ラットに腹腔内投与することにより行った。その後、生理食塩水もしくは6-OHDA処置ラットから腸間膜動脈を摘出し、内皮を除去して作成したらせん標本を用いて得られたβ-ADRを介した弛緩反応を薬理学的に解析した。 【結果】6-OHDA処置ラットでの結果は以下の通りであった。①神経電気刺激誘発性の収縮反応は消失した。また、フェニレフリンによるα1-ADRを介した収縮反応のpD2値と最大値は、いずれも顕著に亢進していた。②イソプレナリン(ISO)の濃度反応曲線は、プロプラノロール (10-7 M)の存在に関らず、最大値が減少した。また、ノルアドレナリンによるアテノロール感受性弛緩成分も、有意に抑制された。③β3-ADR刺激作用を有するCGP-12177Aの濃度反応曲線は、顕著な影響を受けなかった。④アミノフィリンの濃度反応曲線も、顕著な影響を受けなかった。 【考察】ラット腸間膜動脈において、β1-ADR、β3-ADRを介したいずれの反応も、交感神経の除神経処置により減弱することが示され、その機能が交感神経支配により促進的に制御されている可能性が示された。また、CGP-12177Aによる反応が除神経処置により影響されなかったことから、β3-ADRが、交感神経支配の制御を受けやすいものと受けにくいものに分類される可能性も示唆された。 |