シミズ マキ   Shimizu Maki
  清水 真紀
   所属   東邦大学  薬学部 薬学科
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 6年制における卒業研究課題の検討(ラット腸間静脈採血法によるfexofenadineの腸管吸収に対するnaringinの影響
会議名 日本薬学会第129年会
学会区分 国内学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎清水真紀, 萩原仁史, 岩下恵理, 山口奈津美, 山梨美貴, 西垣隆一郎
発表年月日 2009/03
開催地
(都市, 国名)
京都
概要 【目的】学部専門教育としての卒業研究を6年制で実施するにあたり、4年制との大きな違いの一つに、実務実習日程すなわち時間的制約を受けることが予想される。また、実習に出ていない学生を対象とするため、異なるグループにおいて繰り返し実施可能なテーマが必要である。そこで本年度(本校では4年制最後)の卒業研究で、薬物動態学分野の卒業研究課題を検討した。
【方法】実験手技の習得に時間を要しない簡易な実験系として、当研究室でFVB系マウスを用い確立した、薬物消化管吸収の直接評価法を改変した。SD系雄性ラット(5週齢)小腸closed-loopに抗ヒスタミン薬フェキソフェナジンを投与後、腸間静脈から経時的に採血し、血中濃度を蛍光HPLCで測定した。グレープフルーツジュースの成分であるナリンギン共存時の薬物間相互作用を評価した。
【結果】腸間静脈血中濃度―時間曲線から求めたAUC(AUCm)は、ナリンギン併用により28~95%に低下した。実験結果には、実験者間の個人差が認められた。
【考察】ヒト経口投与後のAUCは36%に低下1)、マウスAUCmは71%に低下2)したことから、過去の報告と同様の結果が得られた。指導者1名のもとで2名x2組が同時に行い、計4名の準備~終了まで4時間で可能であり、授業の空き時間で実現することができた。薬物動態学分野の基礎的実験として繁用される、大腿動脈・胆管カニュレーションによる経時的採血・採胆汁実験に比べて所要時間は短く、手技も簡便であるため習得も容易で、実験日の間隔が開いた場合も再現可能であった。臨床で報告があり、現場でのイベント発生頻度も高い薬物間相互作用を、動物実験で確認することができるため、臨床薬学教育上も効果的である。
1) Dresser GK et al., Clin Pharmacol Ther, 71, 11-20 (2001) 2) Shimizu M et al., in press.in house data