シラガ ノブユキ   Shiraga Nobuyuki
  白神 伸之
   所属   東邦大学  医学部 医学科
   職種   特任教授
言語種別 日本語
発表タイトル 乳腺領域における造影超音波の現状
会議名 第82回日本超音波医学会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎金澤真作†, 緒方秀昭†, 三塚幸夫†, 密田亜希†, 羽鳥努†, 馬越俊輔†, 白神伸之†, 渋谷和俊†, 金子弘真†
発表年月日 2009/05/23
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【背景】
第二世代超音波造影剤ペルフルブタン(ソナゾイドTM)は、肝疾患の診断や治療においてその有効性が知られている。 当科では、病院倫理委員会の承認のもと文書による説明と同意を前提にして乳腺疾患に対してソナゾイドTMを用いた造影超音波検査を施行しその有用性を検討している。
【目的および対象】
 乳腺疾患に対するBモード超音波検査は、乳管内進展や組織型の推定において高い有用性が知られている。非侵襲的な超音波検査に侵襲的な造影での検査を施行するにあたり、既に知られている超音波検査の精度の向上をのみを目的とせず、生体内での血管走行や血流状態を観察することから病変に対する理解を深めることを最終的な目的においている。そのために悪性疾患の診断や術前治療の経過観察や効果判定のみでなく、良性疾患に対する精査や経過観察目的の超音波検査も対象としている。
【装置および方法】
超音波診断装置はaplio XG(東芝メディカルシステムズ社製)、探触子はリニアプローブ(PLT-805AT)を用いている。ソナゾイドTMは懸濁液として肝疾患での推奨投与量(0.015ml/kg)の半量とし、必要に応じて数回の静脈内投与をした。今回の検討では、生理食塩水5mlを約3秒間かけてフラッシュし、フラッシュ終了時を0秒として時間計測を行った。
【結果】
 診断装置による条件の違いや測定方法の設定が結果の判断を左右すると考えられ、手技を含め一定のコンセンサスが必要であると考えられた。
実際の症例では、乳腺実質が高エコーレベルを示すのに対して低エコーレベルを示す領域や腫瘍でソナゾイドTMは概ね良好な造影効果を示した。腫瘍性病変では、その組織型あるいは良・悪性の違いにより造影パターンに一定の傾向がある可能性が示唆され、今後は多施設での症例の蓄積と検討が必要性であると思われた。