シラガ ノブユキ   Shiraga Nobuyuki
  白神 伸之
   所属   東邦大学  医学部 医学科
   職種   特任教授
言語種別 日本語
発表タイトル 乳腺ソナゾイド造影超音波検査による良・悪性病変の鑑別
会議名 第109回日本外科学会学術集会
学会区分 国内学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎金澤真作†, 緒方秀昭†, 馬越俊輔†, 齊藤芙美†, 羽鳥努†, 密田亜希†, 大久保陽一郎†, 三塚幸夫†, 丸山憲一†, 八鍬恒芳†, 工藤岳秀†, 安部信行†, 白神伸之†, 澁谷和俊†, 金子弘真†
発表年月日 2009/04/04
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 【目的】ソナゾイドを用いた乳腺造影超音波検査で乳腺病変の良・悪性鑑別の可能性を検討した。
【方法】ソナゾイドは懸濁液として推奨投与量( 0.015ml/kg )の半量を静脈内投与した。超音波診断装置はaplio XG(東芝メディカルシステムズ社製)、探触子はリニアプローブ( PLT-805AT )を用いた。
【対象】ソナゾイド造影超音波検査を施行した症例のうち、術前化学療法経過観察群、極端な多発病変、超音波上T2を越える腫瘍径などを除き、手術や針生検などで組織の確定した18症例、22病変を対象に検討を行った。
内訳は良性7病変、悪性では非浸潤性乳管癌( DCIS )4病変、浸潤性乳管癌( IDC )11病変であった。
【結果】被膜をもつ腫瘍は、良・悪性病変のいずれにおいても著明な造影効果を示した。時間輝度曲線( TIC )は良・悪性ともに急峻な立ち上がりを示した。しかし、立ち上がる角度に明らかな違いを認めなかった。ピークに達したTICは、比較的緩やかに低下するが、低下までの時間やTICに囲まれる面積は病変により様々で良・悪性とは明らかな関連を示さなかった。
ソナゾイド投与からTICの立ち上がるまで時間を比較すると、DCIS、IDCのいずれでも、線維腺腫( FA )などと比較して明らかに遅いタイミングで立ち上がる傾向が確認できた。この傾向は、両側の乳房にエコー上類似性のある病変を認め、一方は乳癌で他方は良性であった症例でも認めた。さらに、この傾向は検査後のTICなどで検討するまでもなく、検査中に肉眼的に確認出来た。
【まとめ】これまで、術前化学療法経過観察などでのソナゾイド造影超音波の有用性を報告してきた。今回の検討では、病変の良・悪性の鑑別にも有用な可能性が考えられた。さらなる解析項目の検討や症例の集積を続けていく必要性があると思われる。