オバラ ケイスケ
Obara Keisuke
小原 圭将 所属 東邦大学 薬学部 薬学科 職種 准教授 |
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論文種別 | 総説 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | アンジオテンシンⅡによる心筋および平滑筋の収縮機能の調節:自律神経の神経伝達物質の遊離調節を介した機序 |
掲載誌名 | 正式名:薬学雑誌 ISSNコード:00316903 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 公益社団法人日本薬学会 |
巻・号・頁 | 139(5),793-805頁 |
著者・共著者 | 八巻史子†, 小原圭将†, 田中芳夫*† |
発行年月 | 2019/05 |
概要 | アンジオテンシンⅡ(AngⅡ)は強力な血管収縮作用を有する内因性ペプチドで、血圧の生理的調節に重要な役割を担っている。AngⅡの昇圧作用には、血管平滑筋および心筋に対する直接作用、アルドステロンを介したナトリウム貯留作用のほか、交感神経終末のAT1受容体刺激を介したノルアドレナリン(NA)遊離の促進作用も関与している。この作用は心臓では心拍数および心収縮力の増加を引き起こし、輸精管などの非血管系平滑筋組織においても収縮力を増強する。一方、著者らは、AngⅡがAT1受容体を刺激して副交感神経終末からのアセチルコリン(ACh)遊離の抑制と迷走神経刺激による徐脈反応を減弱させる可能性を見出した。AngⅡは胃や気道平滑筋組織においても、副交感神経終末からのACh遊離の抑制と収縮機能の抑制をもたらす可能性が報告されている。しかし、副交感神経を介した収縮調節に対しては相反する報告もあり、見解は一致していない。本総説では、AngⅡによる交感神経および副交感神経を介した心筋・平滑筋組織の興奮と収縮の制御に関するこれまでの報告結果をまとめるとともに、今後の展望を述べることにする。 |