サカイ ケン   Sakai Ken
  酒井 謙
   所属   東邦大学  医学部 医学科(大森病院)
   職種   教授
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 再生・移植医療の最前線:Rituximabを投与し脾摘を回避したABO血液型不適合生体腎移植
掲載誌名 正式名:東邦医学会雑誌
ISSNコード:00408670
巻・号・頁 56(5),381-385頁
著者・共著者 河村 毅†, 相川 厚†, 宍戸清一郎†, 高須二郎†, 青木裕次郎†, 二瓶 大†, 米倉尚志†, 中川 健, 関真奈美, 中野浩之, 波多野智巳, 大橋 靖†, 酒井 謙†, 水入苑生†
発行年月 2009/09
概要 Abstract:臓器移植のおかれた厳しい現状を背景に、ドナーソースの拡大のため、ABO式血液型不適合腎移植(ABO-incompatible kidney transplantation:ABO-IC KTx)が全国的に行われるようになった。ABO-IC KTxでは、既存抗体が関与した拒絶反応を予防するため、脾臓の摘出(脾摘)が行われてきたが、脾摘は出血や腸管・膵臓の損傷、イレウスといった合併症が潜在しており、レシピエントにとっては大きな負担である。今回、われわれは2006年8月10日より2009年5月14日に当科で行ったABO-IC KTx症例15例にリツキシマブ(RXm)を併用し、脾摘を施行しない、ABO-IC KTxのプロトコールを導入した。移植後3ヵ月以内に15例中6例(40.0%)に急性拒絶反応を認め、肺炎を1例に認めたが、その他、重篤な感染症の合併は認めなかった。15例中、1例で移植後9ヵ月目に液性因子も関与したと思われる拒絶反応が発症し、各種治療を行うも、移植後18ヵ月目に透析再導入され、平均観察期間19.83ヵ月にて、生存率は100%であったが、3年生着率は90%であった。移植後の拒絶反応の頻度は高く、今後もプロトコールの再検討が必要であると考えられたが、本プロトコールにて脾摘を行わずに安全にABO-IC KTxを行うことができた。(著者抄録)