オクニシ カツヒデ
Okunishi Katsuhide
奥西 勝秀 所属 東邦大学 医学部 医学科 職種 教授 |
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研究期間 | 2020/04/01~2023/03/31 |
研究課題 | Rab27によるアレルギー反応制御の分子基盤の解明 |
実施形態 | |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(C) |
研究機関 | 群馬大学 |
研究者・共同研究者 | 奥西 勝秀 |
概要 | 本年度は、これまでの検討から、樹状細胞(dendritic cells: DC)におけるその欠損がTh2応答を増強させる可能性が示唆されたRab27関連分子に焦点を当てて、解析を進めていった。まず、当該遺伝子欠損マウス由来DCでは、野生型マウス由来DCと比較して、Th1誘導性サイトカインIL-12の産生・分泌が低下していた。次に、DCのTh分化誘導能を評価する為、野生型マウス、当該遺伝子欠損マウス、各マウスから脾臓のCD11c+ DCを単離し、MHC-class IIのハプロタイプが異なるマウスの脾臓から単離したナイーブTh細胞と共培養(allogenic MLR)した際に、上清中に分泌されるTh1サイトカインIFN-gamma及びTh2サイトカインIL-4の濃度を検討した。そして、野生型マウス由来DCと共培養された群と比べ、当該遺伝子欠損マウス由来DCと共培養されていた群では、IFN-gammaの産生が低下する一方で、IL-4の産生が増強する傾向を認めた。更に、OVA/alumで感作した野生型マウスにOVA抗原を取り込ませたDCを移入する系で、当該遺伝子欠損マウス由来DCで、アレルギー性気道炎症が増悪することを見出した。 近年、喘息と肥満・糖尿病との因果関係が注目されている。そこで、高脂肪食負荷時の表現型を、骨髄キメラマウスを用いて評価した。そして、当該遺伝子欠損マウス由来骨髄を移入されたマウスで、脂肪織炎症の増悪、インスリン感受性・耐糖能の悪化を認めた。さらに、DC移入の系で、野生型マウス由来DCを移入されたマウスと比べて、当該遺伝子欠損マウス由来DCを移入されたマウスで、インスリン抵抗性が有意に亢進した。 以上の結果から、当該遺伝子の欠損により、樹状細胞機能が変化し、アレルギー性気道炎症や脂肪織慢性炎症・インスリン抵抗性が増悪することが示唆された。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K08796 |