<<< 前 2012年度 | 2013年度 | 2014年度
 医学部 医学科 病理学講座
 Department of Pathology

教授:
  赤坂 喜清
  三上 哲夫
講師:
  深澤 由里
助教:
  井内 亜美
■ 概要
病理解剖、病院の病理診断を日常業務として行いながら、そこで生じた疑問を臨床病理学、組織病理学、分子生物学などの手法を用いて解決していくよう努めています。日常業務の訓練により疾病を形態的に捉えられるようになりますが、形態学に留まらず、遺伝子・蛋白レベルの異常を捉え、病気・病変が発生するメカニズムを解明していくことを目指しています。現在、主に以下のテーマについて、将来の臨床応用も視野に入れつつ研究を行っています。

1 ヒトがんの発育・進展に関わる因子の解明
 消化器癌、肺癌を主な対象として、発育と進展に関わる因子を追及しています。癌では遺伝子異常のみならず、RNA・蛋白発現、蛋白翻訳後修飾などに異常が起きています。このような遺伝子・蛋白レベルの異常を捕らえ、浸潤や転移の起こるメカニズムを解明していくことを目指しています。

2 虚血性心疾患の発生に関わる冠状動脈病変の解析
当講座では、心筋架橋を構成する心筋の容量が大きいと、内科的に対応可能な諸種の危険因子とは独立した解剖学的な危険因子となることを、内外に先駆けて提唱してきました。冠状動脈の周囲に存在する心筋という先天的な解剖学的環境が、実は、心筋梗塞の発生に大きく関係していることを実際に提示し得たことにより、今後は現在、臨床で導入されているMDCT画像の解釈や、更には、ステント装着部位の選択にも及ぶ広範な研究分野を提供することになります。

3 ヒトがんの分子標的治療に関わる因子について
乳癌を対象として、分子標的治療薬の効果を予測する因子を解明することを目指しています。
■ Keywords
癌, 浸潤, 創傷治癒, 線維化, 冠状動脈, 心筋架橋
■ 当該年度の研究費受入状況
その他
1.  受託研究費
 研究課題:トリプルネガティブ乳がん用体外診断薬の実用化  (研究代表者:三上哲夫)
 研究補助金:1000000円  (代表)
■ 教授・准教授・講師の公的役職
1.  赤坂 喜清 :日本創傷治癒学会 理事・学術評議員、日本病理学会 学術評議員
■ 教授・准教授・講師の学会・研究会の役員
1.  三上 哲夫 :日本病理学会 学術評議員
2.  深澤 由里 :日本病理学会 学術評議員
■ 当該年度研究業績数一覧表
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
















赤坂 喜清   教授
  2  1          
 7
(4)
 
 2
 
 
三上 哲夫   教授
  2 1 1          
 9
(2)
 
 1
 2
(2)
 
深澤 由里   講師
              
 1
 
 1
 
 
井内 亜美   助教
              
 2
 
 
 
 
 0 1  0 0  0  0
(0)
 0
(0)
 2
(2)
研究者名 刊行論文 著書 その他 学会発表 その他
発表














赤坂 喜清   教授
         
 
 
三上 哲夫   教授
  1       
 
 2
(2)
深澤 由里   講師
         
 
 
井内 亜美   助教
         
 
 
 0 1  0 0  0  0
(0)
 0
(0)
 2
(2)
(  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会 (  ):発表数中の特別講演、招請講演、宿題報告、会長講演、基調講演、受賞講演、教育講演(セミナー、レクチャーを含む)、シンポジウム、パネル(ラウンドテーブル)ディスカッション、ワークショップ、公開講座、講習会
■ 刊行論文
原著
1. 久場樹, 山下和也, 町田大輔, 横澤正志, 三上哲夫, 吉田功, 三枝信:  病理臓器検体における新たな患者認証法(バノックガン患者認証法).  医学検査  63 (6) :753 -757 , 2014
2. Ishii T, Ishikawa Y, Akasaka Y:  Myocardial bridge as a structure of double-edged sword for the coronary artery.  Annal of vascular disease  7 (2) :99 -108 , 2014
3. Honma N, Horii R, Iwase T, Saji S, Younes M, Ito Y, Akiyama F.:  Ki-67 evaluation at the hottest spot predicts clinical outcome of patients with hormone receptor-positive/HER2-negative breast cancer treated with adjuvant tamoxifen monotherapy.  Breast Cancer  22 (1) :71 -78 , 2015
4. Araki I, Hosoda K, Yamashita K, Katada N, Sakuramoto S, Moriya H, Mieno H, Ema A, Kikuchi S, Mikami T, Watanabe M:  Prognostic impact of venous invasion in Stage IB node-negative gastric cancer.  Gastric Cancer  :Epub , 2014
症例報告
1. 浅井芳人、眞鍋維志、梅澤晄太郎、川田 博、赤坂喜清、黒田造章:  大量胸水を契機に診断された関節リウマチ合併ホジキンリンパ腫の1例.  日本胸部臨床  73 (9) :1123 -1128 , 2014
その他
1. 安東賢太郎, 中村裕二, 星合清隆, 岸江拓也, 柏木克彦, 曹新, 小原浩, 中瀬古(泉)寛子, 高原章, 赤坂喜清, 杉山篤:  正常犬と正常ブタ間でのジピリダモール負荷後の心電図変化の差異―側副血行路が冠盗流(coronary steal)の原因か?―.  心電図  35 (Suppl.1) :79 -80 , 2015
2. Mikami T:  Microscopic gastrointestinal stromal tumors in the gastric antrum - reply.  Human pathology  45 (8) :1793 -1794 , 2014
■ 学会発表
国内学会
1. 中道美保、赤坂喜清、今泉りさ、岡田恵美、三上哲夫、大西 清: 創傷治癒期の血管増殖因子による血管新生メカニズムと骨髄間葉系前駆細胞の関与.  第44回日本創傷治癒学会,  仙台,  2014/12
2. ◎吉田公彦, 久保田喜久, 白鳥史明, 木村和孝, 前田徹也, 片桐敏雄, 石井 淳, 土屋 勝, 田村 晃, 大塚由一郎, 金子弘真, 石渡誉郎, 大久保陽一郎, 渋谷和俊: Stage4慢性腎不全を伴った肝細胞癌、原発性肺癌に対し肝肺同時切除を行った1例.  第76回日本臨床外科学会総会,  郡山市,  2014/11
3. ◎本田善子, 梶原庸司, 白鳥史明, 吉田公彦, 皆川輝彦, 島田英昭, 金子弘真, 瓜田純久, 三上哲夫, 渋谷和俊, 島田長人: 悪性リンパ腫の診断で治療開始直前に小腸穿孔をきたした1例.  第76回日本臨床外科学会総会,  郡山市,  2014/11
4. ◎岡根谷哲哉、岡田恵美、荻野晶弘、今泉りさ、中道美保、大西 清、赤坂喜清: カリフラワー様形態を呈した頭蓋骨骨腫の1例.  第32回日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会,  大阪,  2014/11
5. ◎横井佑一郎、杉野圭史、鏑木教平、菊池 直、石田文昭、佐藤敬太、佐野 剛、磯部和順、坂本 晋、高井雄二郎、三上哲夫、本間 栄: ミチグリニドカルシウム水和物(グルフアスト)による薬剤誘起性好酸球性肺炎の1例.  第212回日本呼吸器学会関東地方会,  横浜,  2014/11
6. ◎吉原 彩, 廣井直樹, 松浦賢太郎, 久保田伊哉, 緒方秀昭, 若山 恵, 栃木直文, 赤坂喜清, 坪井久美子, 弘世貴久: 正中頚嚢胞として経過観察されていた好酸性細胞型濾胞癌の一例.  第24回臨床内分泌代謝Update,  さいたま,  2014/11
7. ◎小此木信一, 野本 淳, 寺園 明, 内野 圭, 野手康宏, 安藤俊平, 福島大輔, 桝田博之, 近藤康介, 原田直幸, 根本匡章, 周郷延雄, 赤坂喜清、澁谷和俊: Intra-osseous meningiomaの一例.  第68回東邦医学会総会,  東京,  2014/11
8. ◎牛込充則, 船橋公彦, 塩川洋之, 小池淳一, 金子奉暁, 新井賢一郎, 鏡哲, 栃木直文, 三上哲夫, 若山恵, 根本哲生, 二本柳康博, 島田英昭, 金子弘真: 大腸ステント留置後に腹腔鏡手術を施行した閉塞性大腸癌の5 例.  第27回日本内視鏡外科学会総会,  盛岡市,  2014/10
9. ◎仲田典広、三上哲夫、一戸昌明、柳澤信之、岡安勲、村雲芳樹: 潰瘍性大腸炎粘膜および潰瘍性大腸炎関連癌におけるcarbonic anhydrase 2の発現の検討.  第73回日本癌学会学術総会,  横浜市,  2014/09
10. ◎牛込充則, 船橋公彦, 久保田喜久, 土屋勝, 鏡 哲, 松田聡, 金子奉暁, 新井賢一郎, 塩川洋之, 小池淳一, 三上哲夫, 渋谷和俊, 栗原聰元, 島田英昭, 金子弘真: 大腸ステント留置後に腹腔鏡下同時切除を行えた肝転移を伴った閉塞性大腸癌の1例.  第52回日本癌治療学会学術集会,  横浜市,  2014/08
11. ◎仲田典広, 三上哲夫, 一戸昌明, 柳澤信之, 岡安勲, 村雲芳樹: 潰瘍性大腸炎粘膜および潰瘍性大腸炎関連癌におけるCarbonic anhydrase 2発現の検討.  第103回日本病理学会総会,  広島,  2014/04
12. ◎井内亜美, 赤坂喜清、深澤由里, 橫尾智子, 藤田和子, 船橋公彦, 円谷佳代, 三上哲夫: 閉塞性大腸癌におけるTGF-βシグナル伝達系の解析.  第103回日本病理学会総会,  広島,  2014/04
国際学会
1. ◎Inomata N、Nakamichi M、Akasaka Y: Fibrocyte behavior relative to blood vessels under skin wound healing.  The Wound Healing Society's 2014 Annual Meeting,  Orland,Florida, USA,  2014/04
2. ◎Nakamichi M, Kinoshita T, Inomata N, Fukasawa Y, Mikami T, Ohnishi K, Akasaka Y: Enchanced MMP-9 activation during the process of scar-less healing regulated by apoptosis in granulation-tissue fibroblasts.  The wound healing society annual meeting 2014,  Orland Florida, USA,  2014/04
その他
1. ◎三上哲夫: 内視鏡のための消化管病理学-Group分類を中心に.  第28回日本消化器内視鏡学会関東セミナー,  東京,  2014/07
2. ◎三上哲夫: 潰瘍性大腸炎関連癌の病理.  第21回千葉IBDフォーラム,  千葉市,  2014/07
  :Corresponding Author
  :本学研究者